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  チャレンジ!青年海外協力隊    

青年海外協力隊員として、シリアにある国連パレスチナ難民救済機構学校が
運営する小中学校で、体育教育を担当して活躍する大島先生のレポートです。



大島先生レポートK

 シリアは、日中はまだまだ30℃を超える暑さですが朝夕は20℃をきり肌寒さを感じるようになってきました。

919日から新年度が始まりました。今は学期初めのバタバタもひと段落し、本格的に授業も行われるようになってきました。

ほとんどの生徒が順調に進級し、新しい学級にワクワク・ソワソワしていましたが、ごく稀に「あれ?あなたは今年もこの学年なの?」「そうなの、恥ずかしい〜」という会話があったりもします。この辺りは日本には無い厳しさですよね。

留年生を出さないために厳しい授業が繰り返され、進級・留年への影響が少ない体育・音楽・美術が後回しになっている…もうずっと以前からこれが課題とされていて、それを何とかしようと、体育・音楽・美術の教員が派遣されていますが、こういう現実をみると、「実技教科も大切にしてほしい!」っていうアピールも難しいなぁ…と思います。

でも、子どもたちは音楽・体育・美術の授業をとても楽しみにしています。みなさんも、これらの授業が無くなったら学校生活が寂しくないですか?私も中学時代は実技教科をとても楽しみにしていました。(楽しかったから体育の教師になったくらいです。)体育の時間の確保が難しいなぁ、と思う反面、生徒たちと楽しい時間をできる限りたくさん共有したい、という思いも強くなります。

また、今年度から小学校でも体育の授業をするようになりました。中学校では体育専任の現地の先生がいますが、小学校は担任制で体育を知らない先生もたくさんいます。実は、先生たちが体育を知らない、という原因から体育をしていないクラスもあります。中学校に来て初めて体育の授業を受ける生徒もいます。もっと小さな頃から運動やスポーツに慣れ親しんでもらいたい、ということで小学校での体育授業にも参加することになりました。

話が聞けない、並べない、じっとしていられない、ルール無視、ケンカが起こる、…など体育に慣れていない子どもたちとの体育にはトラブルが絶えません。でも、担任の先生たちに協力してもらってできることから取り組んでいます。

アラビア語のシリア方言で「シュワイ・シュワイ」という言葉がります。「少しずつ」という意味です。まだまだ始まったばかりで試行錯誤の段階、焦らずにシュワイ・シュワイでいこうと思います。 

(2010 10/12)