大島先生レポートI
試験期間中を利用して、任国外旅行に行ってきました。
この一言で「試験期間中とは何と不謹慎な!」という声と「任国外旅行って何?」という声が聞こえてきそうです。
まず、言い訳から。前回もお話ししましたが、シリアの試験は全学年とも進級がかかっているとても重要なもの。という訳で、試験前になると体育などの実技教科は試験教科に変更されたり自習時間になったりします。もちろん、体育の試験はありません。ですから私の仕事がなくなります。
また、協力隊員には年間20日以内で『任国外旅行』というものが認められています。生活環境、言葉の壁、活動内容、人間関係など、日本では味わえなかった経験は素晴らしい財産になる半面、本人も気づかないうちに色々とストレスが溜まっていることが多いそうです。そのような経緯からリフレッシュを目的として普段自分が活動している『任国』以外の国への旅行が許されています。どこにでも自由に行けるわけではなく、JICAが認めている国だけで、例えばシリアからはヨルダン・エジプト・ギリシャの3カ国のみになります。ただし、あくまでも行く・行かないは本人の自由なので、旅費は個人負担です。お金があれば3カ国全部回ってみたいですが…。
という訳で、お隣の国・ヨルダンに行ってきました!
まずワディ・ラムという、電気の一切ない砂漠の中でキャンプ。今まで見たこともないような満天の星空を見ました。月明かりってこんなに明るいのか、とか、星ってこんなにたくさんあるのか、とただただ感心しました。普段は電気の便利さに感謝していますが、こういうときだけ「電気がないというのもいいものだな」なんて感じたりもしました。続いて、アカバという最南端の街に行き、念願のダイビングをしました。インディ・ジョーンズの撮影でも使われたペトラ遺跡も見物しました。そして最終日は死海に行きました。塩分濃度が非常に濃く、生物が住むことができないから『死海(デッド・シー)』と名付けられたとか。試しに少し舐めてみましたが塩辛いを通り越して苦かったです…。塩分濃度が高いのでどんな人でも浮いてしまいます。沈もうと思っても沈めません。(何故??と思った人は是非理科の先生に質問してみてください。)
任国外旅行ということで、国境を越えて旅行に行きましたが、イスラム教徒が多い点、同じアラブ系の民族が多い点、パレスチナ難民の受け入れをしている点等、陸続きで繋がっているお隣通しの国なのでシリアと共通していることが多く、同じような雰囲気をたくさん感じました。歴史的に見ても、この地域一帯は一つの国であった時代や別の位置に国境があった時代など様々です。国は違えど、同じ文化の中で発展してきたということがよく分かりました。日本は海に囲まれているので独自の文化を築きやすい環境にあったのかな、ということを感じる旅でもありました。

写真 ↑ ワディ・ラムで ↑ 死海で
(2010 06/22)
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