浅井中学校 本文へジャンプ


バックナンバー

レポート @AB
   CD


レポートE



レポートG
  チャレンジ!青年海外協力隊    

青年海外協力隊員として、シリアにある国連パレスチナ難民救済機構学校が
運営する小中学校で、体育教育を担当して活躍する大島先生のレポートです。



大島先生レポートF

こんにちは。こちらでのイベント続きでバタバタしていて、気づけばあっという間にみなさんの卒業間近になってしまいました。3年生がこの1年間でどれだけ大人になったのか、どんなふうに卒業していくのか……。卒業式だけは出席したかったなぁ、と思う今日この頃。直接「おめでとう」と言えないのが本当に残念です。
 シリアで貴重な経験をさせてもらっていながら、とてつもなく贅沢なことを言っていますが……。

 さて、私のシリアでの任期も残り1年、折り返し地点にやってきました。まだまだアラビア語と格闘中ですが、ようやく日常の活動の様子がお伝えできる位になってきたかな、というところです。
 

今回は体育の授業を紹介します。

まず、グラウンドはコンクリート製でバスケコートが一面とれるほどの大きさです。体育館はないので体育は常にグラウンドで行います。基本的に乾燥地帯なので雨の心配が少ないからできることですね。それでも冬は多少の雨季になるので雨や雪も降ります。そうなると授業は教室でしかできません。なかなか思いきり運動ができないのが残念です。
 そして、写真は体育の授業風景です。少し分かりにくいかもしれませんが、一つのクラスが2グループに分かれてマット運動とバスケットボールを行っています。実はこれは道具が少ないための工夫なのです。1クラス40人近く生徒がいるのに対して小さなマットが3つしかありません。バスケットボールも8個です。40人で3つのマットを使っていたら、または8個のボールを使っていたら、一人ひとりの練習時間・運動時間が少なくなるから、という理由から生まれた工夫です。

実は、この方法はこの方法で新たな問題も出ています。でも今は少しでも子どもたちが運動する時間・機会を増やしていくことが第一の課題とされているため、多くの学校でこのように授業が行われています。

そもそもイスラム世界では女性が運動することに対してあまり良いように思われていません。地域によっては保護者から「自分の子供に体育なんかさせないでくれ」と言われるところもあるそうです。それでも最近は運動の重要性も少しずつ理解されてきているので、授業の中でも少しでも多く体を動かすことが大事だとされているのです。

シリアでの運動文化はまだ長いとは言えません。これから少しずつ時間をかけて運動やスポーツが、学校だけでなく生活の中にも根付いてくれることを願います。

追伸
 シリアは今、短い春の真っ最中です。野原一面に黄色い花が咲き誇り、とてもきれいです。そして、超・強力(?)な花粉に目鼻ともやられ、毎日泣かされています。

(2010 03/10)