大島先生レポートE
少し遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。
シリアでの生活にも慣れましたが、それでも行事ごとには新しい発見があり、それに驚きそして楽しんでいます。という訳で、今回は年末年始のお話をしたいと思います。
まずクリスマスですが、12月25日にマアルーラという街に行ってきました。ここは珍しく住民の大半がキリスト教徒で、街のあちこちに教会があります。(シリアは85%がイスラム教徒ですがキリスト教徒も13%います。各都市にキリスト教地区もあるくらいです。元々兄弟的な宗教なのでお互いを認め合っています。)また、マアルーラの住民は、イエス・キリストが布教の際に話していたと言われるアラム語を話すことができます。日常会話はアラビア語ですがお祈りのときにはアラム語も使います。そしてここには、世界最古の教会と言われている聖セルジウス修道院があります。
そこを見学した後、今度は聖テクラ修道院に行きました。ここにも色々な伝説が残っており、飲むことで病が治るとされている水を飲みました。お陰で2010年も元気いっぱいに過ごせそうな気がします。その日はそのまま聖テクラ修道院に泊めてもらい、翌日はミサを見学させてもらいました。
聖セルジウス修道院も聖テクラ修道院も有名なようで、海外からの観光客はもちろん、イスラム教徒もたくさん観光に来ていました。根っからの仏教徒の私ですが思わぬところでクリスマスを満喫させてもらいました。
そして12月31日の夜はシリア人に誘ってもらった年越しパーティーに参加しました。こちらの人は祝い事となるととにかく踊ります。この日も一晩中ひたすら踊りました。 数種類のダンスがありますが、私が一番好きなのはシリアのフォークダンスとも言えるダブキーです。みんなで手をつないで輪になって踊ります。体育の授業で踊ったマイムマイムやオクラホマミキサーを思い出しますね。ぜひこのダブキーもまた日本の授業で踊りたいと思い、専ら練習中です。
以前も話したかもしれませんが、シリアでは太陽暦と太陰暦が併用されており、行事や祝日は太陰暦を使います。だから実は太陰暦の正月は少し前に終わりました。また、イスラム世界では正月よりも大切な行事(ラマダンと犠牲祭)があるので、新年はそれほど重要視されていません。だから1日だけは休日でしたが31日も2日もいつもと変わらないウィークデーでした。だから実は、年末の慌ただしさや年始の心新たになる気分を味わうことがありませんでした。場所が違えばこんなにも物の見方・考え方が変わるんだなぁ、とつくづく思いました。
そして1月はシリアではテストがあります。生徒たちはそのために猛勉強中です。補習もあるため体育・音楽・美術の授業が無くなります。私は楽をさせてもらっていますが、生徒たちは一日中張りつめた表情で過ごしています。3年生の皆さんも今頃こんな表情をしているのかな、と思ったりもします。夢を叶えるためにも頑張ってくださいね。
ではでは、今回はこの辺で……。2010年も皆さんにとって素晴らしい1年になりますように。
(2010 01/11)
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