
焼き物は資源として再利用出来ない。なぜなら土に還らないからである。
厳密には還るのだが、それは1万年先のことである。
風雨の浸食によって花崗岩が次第にマサ化するのは、人間の感覚の単位ではない。
Heat Death(熱死)は熱エネルギーが熱均衡したエネルギー利用不可能な状態の事である。
その様子はまるで陶を志す者への警鐘のように感じた。
しかしどうやらそれを再利用する動きが出てきているようである。
だが、それも粘土としての再利用であって、延命治療のようなものである。
どうにも納得が出来なかった。こんなに不条理な素材を使うことが。
そんなことを考えても人間文明にいつか終わりは来る。
仮初のエコを唱える前に、僕が作った作品が1万年後の「何か」に見てもらえますように。