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まずは、髪を知りましょう!

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1 人間の毛はなぜ髪以外が薄いのか?

 しばしば言われることですが、「動物は進化するほど体毛を失っていく、だから薄毛・ハゲの人は、より進化が進んでいる人間なんだ。」という説がある。だがあまり、気休めにもならない。たとえそれが事実であっても、薄毛に悩む人にとっては未来人よりも、当座髪の毛がほしいというのが事実です。

 中には、もっとひどい例などがある。
 人間の祖先である猿は、雄と雌の交尾をする前戯として、互いの毛づくろいをした。特に他人の毛づくろいしやすい頭の毛は、重要な前戯ポイントだった。ところが猿が人間になるまでの過程で、人口が急激に増えて、みな毛づくろいの関係を放棄した。そして、いつしかハゲの遺伝子を背負うようになった、と。

 つまり、髪の毛の薄い人は女にもてないと言うよりは、元々一定の数の男を女から引き離すために薄毛現象が生まれた、と主張する訳なのです。ハゲのみには、許し難い説ではあるが、けっこう「なるほど」とうなずけてしまう説である。

 だが、なぜ進化の過程で、人間だけが裸で、髪の毛だけが残ったのでしょうか?

 体毛が減ったことについては、体温維持説がもっとも有効です。
 ヒトは持続的な激しい運動である狩猟活動を始めるようになって、ただあえぐことで体温を下げるシステムから、発汗によって急激に身体を冷やす方法に変わっていった。で、そのために体毛がじゃまになった、という説である。
 それならなぜ、狩りをする男の方が女より体毛が多いのかという疑問もありますが、ある程度の説得力はあるのではないのでしょうか。

 また他には、寄生虫追い払い説。ヒトの祖先達が定住するようになってから、まず悩まされるようになったのがダニやノミです。それから逃れる為に、身につけている毛皮を捨てた、との説です。

 また毛皮べとべと説。ヒトの祖先は食べ方が汚らしく、毛皮で食べ物がべとべとになるので、だんだん体毛がぬけてしまった、との説です。

 ひをつかうようになって、夜の寒さに耐えられるようになったので体毛がなくなった説。

 もっとユニークなのは、ヒトの祖先が水中の中で暮らしていたためという説。

 まず、この問題は、色々な説が飛び交いますが、正解はありません。

 ただ一ついえることは、今でもヒトは猿より体毛が多いことです。ほとんど産毛のようなので、事実上は解らないと思いますが。

2 生きた髪、死んだ髪

 まず前提として、人間の頭に生え手いる髪の毛は平均10万本前後です。多い人で15万本、少ないヒトで6万本程度といわれています。これは、生まれたときから、決められています。密度的には、1平方センチメートルあたり100本以上といわれます。

 髪というものがどの様にして生まれたかは、いまだ解っておりませんが、ただ一応、皮膚の一部が変形してできたものだろうと言われています。

 髪全体を立体的に見ると、皮膚の表面にでている部分(毛幹)と、皮膚の中に隠れている部分(毛根)とに分けられます。毛幹を「死んだ髪」、毛根を「生きた髪」とも言います。毛幹部は、ただ毛根の生み出した毛が外にでている状態にすぎません。ですから、脱色などでいくら毛幹部分を痛めても、毛根がしっかりしている限り、髪の毛が抜ける心配はありません。

 さて、より重要な、毛根部分。毛根の上部には、頭皮表面に湿り気を与えて、保護する役割の皮脂腺があります。またその下の部分の毛根は、立毛筋肉といって、毛をしっかり立てるための筋肉につながっています。

 さらにしたに行くと、髪を作るのに重要な、毛球があります。この部分で、毛母細胞が盛んに細胞分裂をして、髪を作っているのです。またそれに接続した部分に毛乳頭と呼ばれる器官があり、ここでは、毛細血管を通して運ばれたアミノ酸やミネラル分など、髪の生育に必要な栄養分を吸収して毛母に送り込む働きをしています。

 つまり、毛母細胞の部分が車のエンジンで、毛乳頭はそれにガソリンを送り込んでいることになります。しかし、今の段階では、どうすればより毛の生え方が盛んになるのか明確には解っていない。なぜなら、だれにでも効く、毛髪剤が開発されたということは聞いた事がないからである。毛乳頭が、どうやら栄養を吸っているらしい程度に受け止めておくことが良いだろう。

 つまり、髪に関してまだ解っていないことが多いのである。

3 ヘアサイクルは母親の胎内から

 まず母胎の体内で、胎児は髪が生える間での準備をすべて行う。最初に頭皮表面に毛母細胞が作られ、胎児の成長と共に皮膚の中に入り込んでいき、袋状の毛嚢ができる。次に毛嚢の皮膚の一番そこの部分に毛乳頭が生まれ、車のエンジン部分である毛細胞に栄養を送り始める。この動きが始まった頃、毛母細胞の皮膚の内側への侵入によって、毛乳頭も頭皮の中に包み込まれるようになっていく。やがて出産のころまでには、頭皮に包まれた毛母細胞から、毛錘(もうすい)といわれる髪の原型が登場して準備は完了です。

 それから、いわゆるヘアーサイクルが繰り返されていく。このヘアサイクルに関する話は薄毛に悩んで、まずカツラの相談に行った人なら必ず最初に聞かされる事なので、ご存じ方も多いでしょう。

 大別して、毛には三つの段階があります。ケミを作る毛母とそこに栄養分を与える毛乳頭とが一塊となって盛んに髪を作り、毛幹を上に押し上げている「成長期」、両者が離れだして髪を作るのをやめてしまう「退行期」、最後に機能が停止したまま脱毛するまでの「休止期」。やがて新たな毛母細胞ともう乳頭の結合によって生まれた新毛に押し出されるようにして、前の毛は脱毛する。この毛の生え替わるプロセスをヘアサイクルというのです。

 普通だと、成長期は男の髪で2〜5年、女で4〜6年、退行期が2週間前後、休止期が三ヶ月くらいとされています。また髪全体における、それぞれの段階の比率は、成長期の髪が全体の九割近く、休止期の髪が一割程度で、残りの1〜2%が退行期にあたるそうです。ですから、本来は成長期にあたるはずの髪が、ごく短い期間で退行、休止期に移行してしまい、それを補う新毛の準備がされていないと薄毛になってしまうのです。

 とにかくヘアサイクルが順調に機能していれば一日50〜70本の抜け毛があるのは当然なのです。100本を越える抜け毛がない限り、自然脱毛と考えても良いのです。

 また人間にも、毛の生え替わりやすい時期が多少あり、特に9〜11月に抜け毛が多いとされています。どこかにまだ、気候の変化に対応する習慣が残っているのでしょう。

4 髪の構造は海苔巻き寿司にそっくり

 「髪の毛はタンパク質でできていて、のり巻き寿司とそっくりの三層構造になっています」

 外側のノリにあたる部分がキューティクル、ご飯の部分が毛皮質、中心のカンピョウにあたる部分が毛髄質と呼ばれます。

 一番外のキューティクルは、ちょうど魚のうろこのようになっていて、内側の毛皮質や毛髄質を保護する役割をしています。パーマ液、ブローなど髪に負担をかけやすい薬品や熱から、内部をガードするのと同時に髪の内部の水分が必要以上に蒸発することを防いでくれます。髪は、正常で11〜13%程度の水分を含んでいます。これより少ないとカサカサしたり、傷みやすい髪になってしまうのです。

 強烈な、薬液や熱などでキューティクルを損傷すると、髪のツヤがなく、枝毛、切れ毛の原因になりやすいのです。

 毛皮質。ここにはメラニン色素が含まれている。毛髄質にも含まれてはいるが、割合として圧倒的にこちらの方が含有量が多い。人の髪の色を決めるのがメラニン色素であり、日本人の髪は、それが欧米人に比べて多く含まれていて、光の反射率が多いので黒く見えるのである。最近、はやりの「脱色」は、まさに薬品によってこのメラニン色素が分解し、黒い髪を茶色にするのです。

 ちなみに、髪の色と同様、髪質も人種ごとに違います。それぞれの住む地域の太陽光線に含まれる紫外線の量により差がでるらしい。紫外線の多いアフリカなどの地域に住む人々ほど髪を守るために形が変形していき、いわゆるちじれ毛になりやすくなっていくのです。

 さて、のり巻きの真ん中部分の毛髄質。この部分の働きは、実のと事、いったい毛髄質がなぜ存在し、どんな働きをしているのかよく解らない。内部に大小多数の風気を含んだ細胞を持ち、その断熱効果によって熱に弱い脳を直接日光から守っている、とされるが、これも確証があるわけでもない。

5 髪の成分の99%はタンパク質だ!!

 毛を作っている、もっとも重要な部分はもちろんタンパク質。それだけで成分そのものの99%をしめるとされている。タンパク質というのは、色々なアミノ酸が結合してできた化合物であり、髪のタンパク質も、解っているだけでもおよそ18種類のアミノ酸の結合によってできているようです。髪を作り上げているこのタンパク質は、ケラチンとも呼ばれる。ただし、ケラチンは、別に髪だけではなく、爪や皮膚の成分としても含まれている。

 ケラチンを作るアミノ酸の中で一番多く含まれているのが、シスチンという物質です。このシスチンには、仲間同士が硬く結合しあう性質があり、それによって、毛の堅さや弾力性が生まれる。ですから、パーマをかける場合などには、髪の硬さや弾力性を失わせて自由に曲がれるように、パーマ液にはシスチン結合を弱める為の薬液が含まれています。

 また、タンパク質以外での成分の代表的な物が、メラニン色素です。チロシンというアミノ酸から作り出され、ケラチンと結合して水に溶けない状態で、主に毛皮質などに入っている。

 その他には、ほんのわずかながら、鉄、銅などの金属も含まれています。

6 髪の硬さと強さ

 髪にもネコ毛といわれるほどの軟毛から、針金みたいな太くて硬い物まで、色々な硬さがあるが、その硬さを決めるのに役割を果たしているのがキューティクルだといわれている。普通、キューティクルが厚いのが硬い髪、薄いのが柔らかい髪、というわけである。

 毛の太さは日本人の平均的な髪で一本0.07〜0.08ミリメートル。だが例外もあり、0.05ミリメートルの人もあれば、0.1ミリメートルの人もある。また、これは別に個人的さだけではなく、同じ人間でも生えている場所によって太さは違ってくるのである。

 髪の毛根部分には、毛根鞘と呼ばれる薄い膜があって、この膜が毛穴の壁の所に密着し、毛が抜けるのを防いでいる。それに根本の毛球部分でも毛母細胞と毛乳頭が包み込まれ、そう簡単には離れないようになっているから、少なくとも成長期にある髪を一本抜くのに50〜80グラム程度の力は必要される。

 また、あらかじめカットした髪の両端をつまんで引っ張っみるのも、その髪がどれだけ強いかをはかる目安になる。だいたい健康な髪で150グラムぐらいまでの力が加わらないと切れないものだが、何らかの以上がある場合は、100グラムそこそこで切れてしまったりする事もある。

 さらには、髪は、そのほとんどがタンパク質で作られているだけに、ある程度伸び縮みできる性格がある。正常な髪ならば、5%くらいの長さなら力を加えてのばしても、またその力を取り除くとすぐもとの長さに戻る。自分の髪が、5%伸ばして、またすぐに戻らなかったり、あっさり切れてしまうようなら、少し注意必要です。髪に何が、良くない症状が起こっています。

7 髪はどこまで伸びるのか?

 その人の体調、栄養状態など、色々な要素によって微妙な違いはありますが、人間の髪は一日平均0.35〜0.4ミリメートルくらい伸びると言われています。もっともこれは頭の毛の成長度で、ヒゲや眉毛は髪よりもだいぶ成長速度が遅い。

 また、季節別で見ると、なぜか気候が暖かくなると成長速度が高まり、気温が下がると、成長が鈍くなっていく。

 髪をカットした、直後の3,4日はそれ以降の日より成長速度が速いのも確かで、場合によっては、通常の倍近い速度で成長することもありえます。年齢によっても、成長速度は変わり、日本人で、男性は20歳、女性は30歳を越える頃から遅くなりだします。

 ギネスブックに長さ約8bの髪の長さの女性がいたと書かれていた。年15pとして50年以上かかる計算になる。誠にもって、理屈では考えられない現象もあり得ます。

8 髪が血余といわれるわけ

 中国では、古来から髪を「血余(けつよ)」、つまり「血の余ったもの」言われていることはよく知られています。人間は、食物などの栄養分を吸収して体内で血を作り、その余った栄養分で髪や爪を作るのです。

 ですから、漢方では髪をただ単独ではとらえずに身体全体の一部として見る傾向が多い。内科、外科、皮膚科などのように専門分野を細分化していく西洋医学とは根本的に違うのです。白髪が急に増えたとか、脱毛が広がりだした場合、中国人なら、内臓の疾病につながっていると即判断するのです。

 中でも、髪に関してもっと関係の深い臓器は肺と肝臓です。肺は、血液の中の二酸化炭素を吐き出し、新鮮な酸素を新たに吹き込むという血液の生鮮工場。タバコなどの吸いすぎで、肺の機能が鈍くなると、必然的に、髪につながる毛細血管に送られる血液の鮮度も悪くなり、髪は抜けやすく、又はパサパサに乾燥しやすくなるのです。

 一方肝臓の異常は髪の色にでます。本来なら、尿として排出される老廃物が肝臓の機能低下により体内に残り、それが、髪のメラニン色素に何らかの悪影響を与え、白髪を進行するとも考えられる。

 しかし、これらが「科学的」に証明されているわけではない。あくまでも、臨床経験で積み重ねられた中国四千年の歴史文化の漢方医学でそういわれているのです。

9 恐怖で髪は真っ白になるのか?

 古くから、異常なショックや恐怖の体験をするとたちまち髪が真っ白になるといわれてきました。

 はたして、本当にそんなことがあり得るのでしょうか?

 さすがに、一晩では無理なのですが、2〜3週間ほどならば十分にあり得ます。髪の色を決めるメラニン色素は、チロシンというアミノ酸からできています。もともと、このチロシンを原料に、毛根あるメラノサイトと呼ばれる色素細胞の活動によってメラニン色素が精製される。強い精神的不安や恐怖などのストレスが加わると、この活動が抑制され、メラニン色素作る能力が低下してしまうのです。

 もしも、「自分が殺される」といった本能的に危機状態に直面したら、酸化活動が停止してメラニン色素が作られず、短い時間で髪から色が失われるという可能性は、大いにあるのです。

 それでは逆に、一度失われたメラニン色素を再び作ることは可能なのでしょうか?もしそれができるのなら、白髪を黒髪に戻すこともできるのです。

 一度白髪になってしまえば、メラニン色素を作る能力自体も失われる、と長い間考えられてきました。ところが最近になって、メラニン色素を作る上で「重要なカギをなる」チロシナーゼという酵素が、白髪の周辺存在している事が確認されました。つまり、白髪を黒髪に戻すべき潜在能力は、まだ残っている訳なのです。

 しかし、どうすればこの酵素を促進し、ひいてはメラノサイトの活動を復活できるのは、残念ながら解っていないのです。