琉球(りゅうきゅう)とよばれた時代から、中国や東南アジア、朝鮮(ちょうせん)、日本と行き来していた沖縄では、食生活の面でもそれらの国々からいろいろなえいきょうを受けて来ました。特にえいきょうが強かったのが中国で、ブタ肉中心の料理がはったつしました。
 沖縄に伝わる料理は「琉球料理」とよばれ、首里城の中で食べられていた「宮てい料理」と、いっぱんの人たちが食べていた「しょ民料理」にわけられます。
 まずしい生活の中から自然に生み出されたしょ民の料理は、生活のちえを生かしたもので、むだをはぶき、ねだんや栄養が、バランスよく整えられたものだといえます。
 沖縄のお年よりは、げんざいでも食べ物のことを方言で「クスイムン」とか「ヌチグスイ」といいます。これは「薬」あるいは「命の薬」といったような意味で、どちらも食事は病気を直すことだという考え方だといえます。
 沖縄が日本一の長じゅ県といわれるひみつも、そのへんにかくされているようです。

●ブタ肉
 琉球料理は「ブタに始まりブタに終わる」といわれるほど、ブタを中心につくられます。内ぞうから耳、足、けつえきまで料理の材料になるため、すてるところがないほどです。
 ブタを使った料理は、中国からやって来る使者をもてなす料理として発達しました。

●豆ふ
 沖縄県は、「豆腐の島」とよばれるほど、食生活には欠かすことのできない食べ物が「豆腐」です。本土のものより数倍も大きく、沖縄の豆ふは、生で食べるほか、チャンプルー(いため物)やあげ物など、いろいろな料理で使われる人気者です。

●こんぶ
 琉球料理にかかせないこんぶは、実は沖縄ではまったくとれません。18世紀、黒ざとうと引きかえに、北海道から入ってくるようになったのがはじまりなのです。
 こんぶはカルシウムなどのほか、たくさんの栄養のもとをもったすばらしい食品です。ブタをよく使う琉球料理では、栄養のバランスをとるためにも必要なもので、こんぶとブタは理想的な組み合わせだといわれています。

●沖縄そば
 「そば」といっても「沖縄そば」は、小麦粉で作られた麺(めん)を使った、どちらかというと「うどん」や「ラーメン」に近いものです。子どもからお年よりまで大好きな、一番親しまれている「沖縄料理」ともいえるでしょう。豚や鶏のほね、カツオ節などからダシをとったスープは、意外にさっぱりとしています。

●チャンプルー
 固くて大きな沖縄の豆ふと季節の野菜を合わせたいため物。入れる野菜によって、いろいろなよび方になります。
 


王様たちが食べた宮廷(きゅうてい)料理


庶民(しょみん)の料理


沖縄で一番人気があるめん類「沖縄そば」


ゴーヤー(ニガウリ)と沖縄の豆ふをいためた「ゴーヤーチャンプルー」


代表的なブタ肉料理「ラフテー」

食べ物