山スキー報告
飛越トンネル〜薬師岳・黒部五郎岳
−その1(5月1日編)−

薬師岳山頂からの絶景

 純白の金作谷カール越しに、遠く剣、後立山連峰を望む。
 GWの2日間を利用し、飛越トンネルから薬師岳(2,926m)往復し、太郎平小屋で泊、翌日は黒部五郎岳(2,839.6m)ピークからウマ沢に滑り込み、登り返した北ノ俣岳から大滑降を楽しむという累積標高差約3,200m超の欲張りプランを敢行。
 天気にも恵まれ、感動のツアーとなりました。

日 時:2004年5月1日(土)〜2日(日)  天候:両日とも晴れ
メンバー:みやけさん、たかはし
コースタイム:5月1日  有峰林道除雪終了点(1,370m地点)5:00−飛越トンネル5:17−△1,842m6:50−寺地山7:52−北ノ俣稜線10:17/40−太郎平小屋11:16/12:00−薬師岳14:20/15:09−太郎平小屋16:15
5月2日  太郎平小屋6:19−北ノ俣岳7:40/8:04−黒部五郎岳9:51/10:29−ウマ沢2,150m地点10:56/11:15−北ノ俣岳13:24/14:05−寺地山15:10−有峰林道1,370m地点17:21
2万5千図:三俣蓮華岳、下之本、有峰湖、薬師岳

遠くに薬師岳

 飛越トンネルから少し進むと、遠くに薬師岳が顔を出しました。山頂西側の鳶谷方面の雪付きが少ないように見えます。まだまだ、遠いです。
寺地山(1,996m)からの北ノ俣岳と大斜面

 ここから一旦50m程度下り、いよいよ北アルプスの稜線へ、標高差700mのあの大斜面を登っていきます。
稜線からの薬師岳

 ここから約300mほど緩やかな気持ちいい斜面を太郎平小屋に向かって、今日初めてのスキー滑降を楽しみます。
水晶岳の雄姿

 黒部源流をはさんで、水晶岳が大きく聳えています。
 山頂から右下の台地は雲の平、左下に白く落ち込んだところは高天原で、何年か前の秋に訪れた露天風呂が懐かしいです。
薬師山頂からの槍・穂高連峰

 ようやく着いた山頂からの大展望。
 まず、雲の平の向こうに、槍・穂高の峰々。
山頂からの黒部五郎岳〜北ノ俣岳

 明日、足を延ばす黒部五郎岳で、山頂からウマ沢へ標高差約700mを滑り込んでいきました。
金作谷カール

 薬師岳をもっとも特徴付けるのは、何といってもこのカール(圏谷)群でしょう。
 これは金作谷カール。もちろん、シュプールもありました。ボクたちには登り返す体力が…。
快適スキー その1

 山頂からの稜線を滑ります。
 
快適スキー その2

 今日のお宿、太郎平小屋を目指してGO!


【記録】

 1泊2日の行程で、念願の薬師+黒部五郎ツアーを楽しみました。天候にも恵まれ充実の2日間となりました。

 GWの30日夜、仕事から帰りバタバタとザックにものを詰めて、夜9時過ぎに伊吹を出発です。今年、何度もお世話になった東海北陸道を経由し、高山から神岡町へ。ここで、下調べの甘さが露呈。双六谷経由の2車線大規模林道があるにもかかわらず、大分手前で県道に入ってしまい、1車線のまさに林道のような県道をひたすら進み、ようやく森茂で大規模林道に合流しました。帰りに案内看板を見たら、森茂ー神岡間は、往路の県道経由が20km45分、大規模林道経由が26km40分でそのスピードが全然違いますねぇ。
 ともかく、有峰林道に入り落石を避けながら進むと、たくさんの車が駐車してある地点に到着。やっぱり飛越トンネルまでは行けませんでした。ビール一本のつもりが、やっぱりそれで終わらず、結局、寝たのは2時前で、4時まで熟睡しましょう。

 朝、いい天気にだんだん気持ちも高まってきます。飛越トンネルまでは車道を17分歩き、いよいよ登山道に入って行きます。トンネル上の尾根に登りあがり一旦下ると、すぐに雪が続くようになりました。さすがに連休半ばで、いくつものトレースがあり、今朝のトレースも3人程度ありました。しばらくツボ足で進んだあと、スキー登行に切り替えます。遠くに本日の目標である薬師岳が聳えています。でも、山頂から西の鳶谷の雪が少ないようです。元気だったら山頂から滑り込む予定ですが、どうかな。樹林の中を進みますが、アップダウンや距離もあり結構時間がかかります。右手には時折、笠が岳の尖峰が顔をのぞかせています。△1,842m地点で左からの神岡新道と合流しさらに緩やかになった尾根を行くと、寺地山に到着。

 寺地山からは目の前に、北ノ俣の大斜面が広がっています。これは帰りが楽しみです。滑りやすい雪でありますようにっと。一旦50mほど下った後、樹林の尾根を行くと、標高2,050mの大斜面末端に到着。夏道の階段が少し雪から現われていますが、雪はもちろん十分、どこでも滑れそうです。それほど急でもないので、どんどん真っ直ぐに登っていけます。広い斜面から狭い尾根の端っこを通って、左にトラバースしていくと稜線に到着です。北アルプスの真っ只中の大展望とともに、近くには2匹の雷鳥もかわいく歩いてました。
 さて、シールをはがし太郎平小屋への滑降に移ります。標高差約300mの大きなバーンを気持ちよく滑っていけます。太郎山手前で再度シールをつけ、そのまま小屋前へ滑り込みます。11時16分で予定より少し早く着けました。小屋の人からチェックインOKですよと声をかけられ、コンロや夕食の材料などはデポして、薬師岳へ向かいます。

 一旦、薬師峠に下った後、約630mの登りです。本当に春の素晴らしい天気に恵まれ、振り返ると雲の平や水晶岳、ずっと奥に槍ケ岳も望めて、登行もそんなにつらくはありません。ただ、2時間睡眠のせいか、あくびが出てきた。避難小屋まで登ってくると右手には、薬師岳の圏谷群の一つ、中央カールが大きく広がり、そこにはやっぱり沢山のシュプールの跡が。さらに歩を進めると、ようやく薬師岳2,926mピークに14:20に着きました。目の前には、金作谷カールが一層大きく広がっています。当然、シュプールの跡も。無茶苦茶うらやましい。でも、登り返すのもしんどそうなので、とっても残念ですが今回はパスしましょう。さあ、ビールビール。雪の中でビール缶をクルクル回し、速攻冷却!いい感じに冷えてきました。では、シュポッと!あぁ、うまい。

 立山方面からのスキーツアーのパーティーも沢山おられましたが、聞くところによりますと五色からスゴ乗越まではスキー板を担いで意外に大変だったそうです。さぁ、僕らも小屋へ戻りましょう。当初は西面の鳶谷を滑降の予定でしたが、稜線からの雪つきがよくなく登り返しもしんどそうなので取りやめ、多くのスキーヤーと同様に稜線を滑り、行きと同様に薬師平を経由せずに、ほぼ真っ直ぐなラインで薬師峠まで滑り降りました。アルプスの大展望の中、滑る気分は格別です。(避難小屋あたりから南に落ち込む右俣もとってもおいしそうな斜面でした)。鞍部の薬師峠から少々登り返した後、小屋に滑り込んで本日の行動予定無事終了。それでは、小屋前でビールをクルクル冷やして、さぁ、乾杯!

その2(5月2日編)へ続く


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