☆メイトー

2014.8.3

 オールドメイトーのデザインは、正直なところ“洗練された”とは言いにくいが、そのいまいちシャレていないところに、妙にくすぐられるような魅力があって、逆に目が離せないのである。それに戦前の国内向けテーブルウェアにも楽しいものが多いし、これは大きな声では言えないが、現代物ではノリタケよりナルミのほうが私は好きである。

 ものの本によれば、1911年(明治44年)に設立された帝国製陶所が前身で、その後すぐ名古屋製陶所となり、大正期から戦前にかけてアメリカでは“メイトーチャイナ”としてノリタケチャイナと並び称されるほど人気だったという。1938年(昭和13年)に鳴海工場を新設、その後の紆余曲折を経て、この鳴海工場は戦後、鳴海製陶株式会社として復活。現在では、高級ボーンチャイナメーカーとして有名である。

 多くの海外向けアールデコ製品の中に、見慣れたオールドノリタケの品とは「何か、どこか違う」と感じさせるものがあると、そんな時は大抵“オールド名陶”の品である。