ガラス物に惹かれて集めたこともあったが、これがなかなか難しくて、見る眼に自信が持てず諦めてしまった。しかし今でも、手作り感のある、トロッ、ボテッとした、中に気泡が入っているようなガラスを見ると、たまらなく欲しくなる。

夜は別の顔

2013.5.7

 夜、部屋の照明を消してブラックライトを当ててみると、暗闇に浮かび上がるウランガラスの器たちは昼間の姿とは全く別物で、その妖しい魅力に引き込まれてしまうと、不思議な空間で超現実的な時間を過ごすことができる。放射性物質だが、微量のためもちろん体への影響はない。ウランガラスに魅せられた一人としては、ウランが今も当時のように、人の生活を楽しませるだけのために使われていたならと、残念でならないのだ。

 そんな中に、“ウランガラス”という種類があって、これは微量のウラン化合物を着色剤として混入しているため、ブラックライト(紫外線ランプ)を当てると蛍光を発する。欧米では1830年代から盛んに作られたというが、日本でも大正から昭和の初め頃まで、その影響を受けてウランガラス製品が作られた。しかし、1940年代以降、世界的にウランは原子力エネルギーの原料としての用途に特化され、現在ではほとんど作られていない。

 冬の間はそうでもなかったのに、暖かくなるとガラス物が恋しくなって、庭の花を集めて生けるのにガラスの器を探すようになる。そういえば毎年今頃から梅雨時になると、このブルーのアイスペールを出してくる。