☆風車
2012.9.17
それで、いきなり“オールドノリタケオランダ風車図”の皿とコンポートである。風力発電用はともかく、風車ほど絵になる建造物も少ないのではないか。特に周囲をコバルトで引き締めた大皿は、派手さはないが実に上質な製品に仕上がっている。
余生を趣味のものに埋もれてひっそり暮らしたいという夢のために、わざわざ無理をして家まで建てたのに、どうにも気になって困ったものだと思っていた矢先、わが県にも市民ひとりひとりがオーナーの、風力発電用の風車を建てようという話を耳にした。そしてそのプロジェクトにたまたま首を突っ込んでしまったために、今は別の意味で困ったことになってしまっている。しかし、たった一枚のオールドノリタケ皿から、あるいはたった一度の講演会への参加から、その後の生活が大きく様変わりしてしまうことは、何も変化がないよりははるかに面白いことだと、まあ前向きに考えて、ひっそり暮らすのはもう少し先にとっておこうと思う。
大丈夫なはずだったのに1年半前にあんな大変な事故が起こり、当分は収拾もつかない状態なのだから、「こんな地震大国にもう原発は懲り懲り!」と、きっとみんなそっぽを向くだろうと楽観的に考えていたら、なにやら再稼働を始めたところもあったりして驚いている。事故原因の究明もまだまだなのに、大飯の安全確認はできたというのだから凄すぎる話である。何より「事故というのは起こるものだ」と言うではないか。「命あっての物種」、単純明快な理屈だと思うのだが、政治・経済活動に忙しい向きには、必ずしもそうではないらしい。そのへんをすっきり割り切って、鮮やかに方向転換した国を羨ましく思うのも寂しい話である。
風車建設予定地
現時点でNPO法人として認可されたことだし、この際このホームページをご覧の、少数のマニアックな方々も、小さな力の一市民のせめてもの意思表示としてご一緒にいかがですか?〈三重市民風車プロジェクト〉で検索を。