しかし、昔ならともかく、今こんな時、すぐに飛び付いてはいけない。他の店を回りながら、頭を冷やしてよーく考えてみる。結局、途中で合流した友人達と元の店に戻ることになった。
「あれっ?お兄サン、韓流スターかと見間違えたワッ!」 友人の、オバサンならではの過激なトークを混じえた値引交渉が功を奏し(??)、「まあ、持って帰る途中で割ってしまうこともあるんで・・・(店主のつぶやき)」というわけで、めでたく思惑通りの金額で買うことができたのであった。
☆醍醐味
2012.6.25
若い店主がすかさず寄ってきてこう言った。
「新品ですよ。きれいなもんでしょ?1800年代のオールド・・・マイセン・・・いやっ、ノリタケですかねぇ。洋物には詳しくないんで・・・。最終日だし、お安くしときますよ。」
というわけで、いきなり値札の半額以下を提示してきた。この時点で私は思わずガッツポーズをとった、心のなかで。
懐ろは寂しいのに、骨董市は楽しいのでついつい出掛けてしまう。京都大アンティークフェアには出店も多く、古都ならではの出品もあり、多様な客層とともに見応えがある。オールドノリタケを多く扱う店も何店かあり、面白い品にも出会える。しかし目を引く品にはそれなりの値段が付いていて、値切るにも限界があり、諦めるのに骨が折れる場合も多い。
ところが昨日は、いつもは足を止めない和骨董の店先に、それだけ一つ異質な感じでオールドノリタケのマヨネーズセットが置かれていた。まさかと思って近づくと、ラスター彩や金彩にほとんどダメージのない、願ってもない状態のデコ作品だった。珍しいものでも特に高価なものでもないが、図柄も形も以前から欲しかったものだ。
これだから骨董市はやめられない。