バラには実に多様な名前が付けられている。花姿や色、香りに因んだ名ばかりでなく、人の名前であったりもする。それは時々物語の登場人物であり、画家やデザイナー、俳優や政治家、またロイヤルファミリーの名である。そのイメージは華麗、優雅であったり、ドラマチックであったり、可憐であったりと様々だ。自分が作出したバラに、愛する女性の名をつけてささげるとしたら、これほどロマンチックなことはなかろうなどと、まあそんな妄想はともかく、バラを育て始めた頃には、これほどその名前が重要だとは思ってもみなかった。
だから、いちいち買ったバラの名前など覚えておくこともしなかったが、実際育てているとそれぞれの花が単なる”バラ”ではなく、”ジュリア”であり”ブルームーン”であり”グラハム・トーマス”であり”ピエール・ド・ロンサール”なのだということがわかってくる。せっかく綺麗に咲いてくれるのに、その名前もわからないことがなんとも申し訳なくて、思わぬストレスになってきている。どなたか、数本ある名無しの彼女たちの名前をご存じありませんか?
☆薔薇の名前
2012.5.17