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銚子川について
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銚子川風景

【概要】
銚子川は、年間降水量が非常に多い大台ケ原を源とし、熊野灘へと注ぐ三重県南部の紀北町を流れる県の二級河川です。源流部の標高は約1600m、そこから一気に約17キロ、ほとんど山間部を流れ、人里の川でありながら人口が少ないため、高い透明度を誇ったまま河口に注ぎこみます。三重県環境課の環境基準点における河川水質ランキング水質調査(BOD※を基準としている)で、平成19年・平成23年に1位となっています。

※ biochemical oxygen demand の略。水質汚染の指標となる数値で、水中の微生物が有機物を分解するために必要とする酸素濃度。数値が大きいほど、汚染されていることを示す。



銚子川について(PDF:14MB)


【特徴】
源流部から河口までの標高差が大きく、源流部の谷には5つの「清五郎滝」、上流部には浸食された花崗岩の見事な渓谷があり、癒しやパワーを感じに訪れる人もいます。
中・下流域は比較的流れも緩やかで、小さな子ども連れのファミリーの川遊びスポットとして人気があります。
河口部も透明度が高く、海の水と川の水が混じり合う汽水域では、境界部がゆらゆらと揺らめく「ゆらゆら帯」を見ることができます。どこの川でも河口部には汽水域がありますが、かなり綺麗な川でも下流部になると濁りが出て、この現象を見ることはなかなかできません。銚子川は「河口部まで透明できれい」であることが最大の特徴です。


【流域の暮らし】
昔は林業にかかわる人が多く、切り出した木はトロッコや筏で貯木場まで運ばれました。山には山菜も豊富で、この地域の山菜料理(特にイタドリ料理)には今でも定評があります。春になればアマゴ、夏にはアユ・ウナギなど川で漁をし、秋から冬にはシカやイノシシなど狩猟に携わる人も多く、これらの仕事を畑仕事しながら季節ごとに織り交ぜていた人も多かったと聞きます。『♪ゴンベが種まきゃ〜、カラスがほじくる〜♪』の歌で有名な「種まき権兵衛さん」も畑仕事をしながら鉄砲の腕前を活かして、銚子川のほとりにある便ノ山地区で暮らしていたのですよ。また、石を加工する技術に長けた優秀な石工が多かったことも特長で、世界遺産熊野古道の中でも美しい石畳で有名な「馬越峠」など、地域のあちこちにその名残を残しています。この石工の技術を引き継ぐ数社の建設業者が今も活躍しています。林業・農業・漁師・猟師・石工など、みな減ってはしまいましたが、その技術と文化は今も細々と継承されています。


【最近の問題】
たくさんの人が銚子川を訪れ、たっぷり遊んで元気になったり、美しさに感激したり癒されたりしています。それはとても喜ばしいことですが、残念なことにゴミの放置・キャンパーの川での洗いものや排泄物、直火の焚火やキャンプファイヤーなどなど、マナーや環境への配慮を欠いた利用が増えています。
来訪者ばかりではありません。集落は少ないものの、昔に比べると生活が便利で豊かになった分、流域の生活者による生活排水やゴミの問題もあります。
高齢化・過疎化が進み、林業・農業などが衰退していくことも、川には大きな影響があります。
また、台風・豪雨など災害によって山が崩れ、川がどんどん荒れていくことも大きな問題です。

 


 銚子川に棲む生き物紹介

 

アユ


ア ユ 大きさ:20〜30cm程度

川と海を回遊する魚で、稚魚の時期は海で生活し、幼魚が川へと帰ってきます。 ゆらゆら帯を利用して海水部と淡水部を行き来して体を川の水に慣らし徐々に川に適応していきます。成魚は淡水の銚子川で過ごし、産卵して一年の一生を終えます。銚子川では河口付近でその一生を過ごす珍しいアユも見られます。つりや食文化なども含め、日本人にはとても馴染みの深い魚です。

アユカケ


アユカケ 大きさ:20cm程度

小魚などを食べる肉食性で、カジカ科に属す日本固有の魚です。
名前は、エラブタにあるトゲにアユを引っかけて食べるという伝説に由来します。
きれいな川に生息し、三重県の絶滅危惧種に登録されていますが、清流銚子川ではまだ多くの生体が確認されています。
ルリヨシノボリ


ルリヨシノボリ 大きさ:10cm程度

きれいな川に生息するハゼの仲間。
頬に小さな青色(るり色)の模様がたくさんあることが、名前の由来になっています。
アマゴ


アマゴ 大きさ:25〜45cm程度

サケ科。外見の似たヤマメとの違いは、体に朱色の点が散在していることです。アマゴの降海型をサツキマスと呼びます。
水にすむ昆虫や、陸から落下した昆虫を食べて生活しています。
アユとならんで銚子川を代表する魚。
テナガエビ


ヒラテテナガエビ 大きさ:5〜20cm程度

温かい地域の淡水や汽水域に生息。
小魚や昆虫などを食べる肉食性です。藻を食べることもあります。名前の通り、長く発達した脚が最大の特徴。



ゴクラクハゼ 大きさ:6〜10cm程度

河川の下流域と汽水域の砂礫底に生息。眼の後ろまで鱗があること、腹びれが前後に長い楕円形であること、ハゼ科ヨシノボリ属の多種より比較的頭が大きいのが特徴です。



ボウズハゼ 大きさ:8〜12cm程度

川の中流域に棲むハゼの仲間で、付着藻類を食べます。ボウズハゼの名前の由来は頭がくるりと丸いことからきているようです。
急流にさしかかると、口と腹の吸盤で岩石に吸着しながら川底を進みます。
カマツカ


カマツカ 大きさ:15〜25cm程度

細長い体と尖った口が特徴。
中流から下流の砂底に生息し、砂の中のえさを口から吸い込んでエラから砂だけを吐き出して捕食します。
水槽の砂底の掃除役として観賞魚用に飼育する人も多くいます。
銚子川にもともとから生息していたというより、アユの放流と一緒に入ってきたと考えられています。

他にも銚子川を代表する生き物として、チチブ・ヌマチチブ・カワムツ・オイカワ・ウグイ・シマヨシノボリなどがいます。


 

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