たそがれオヤジ 旅シリーズ
      
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」の正面ゲートを入ると、屋外展示場に整列した3機の機体が迫ります。
 KVー107ⅡーA4 輸送ヘリコプター

バートル社唯一の実用ヘリコプター

バートルモデル107(V-107)として1958年に初飛行したが、
その後改良を重ねてモデル107Ⅱとして発表、量産化された。


「KV-107II-A4」は、川崎重工業のライセンス生産で
陸上自衛隊用に攻撃以外にも多用途で活動できるよう
改良された型で、18機が製造された。




     
 YSー11A-213 中型輸送機

YS11は、日本航空機製造の双発ターボプロップ方式の旅客機

太平洋戦争後、連合国軍占領下で航空禁止令が布告され、
国内の全ての飛行機は破壊、航空機メーカーも解体されたが、

1950年に勃発した朝鮮戦争における米軍機の整備・修理の
受注を皮切りに、次第に飛行機産業への関与が拡がり、
国内新型航空機開発と云う気運が高揚してくる中、
"大型プロジェクト"が編成され、
戦前の航空機業界を支えた技術者の参加で設計・製作が進行
1962年に飛行試作1号機が完成。
1965年の量産化から日本の空を飛び廻ってきたが、
2006年に国内における旅客機用途での運航を終了した。


 USー1A 救難飛行艇



US-1は日本が開発・実用化した初の「水陸両用機」で、
離着陸が可能な降着装置(ランディング・ギア)を装備している

波高3mの荒れる海への着水が出来るほか、
時速50〜53ノット(時速100km程度)で
離水可能な短距離離着陸性能を有している。




「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」の本館

開館を待つ課外授業の小学生グループが、入口前で整列しています。
 10:00 開館でぇ~す !!

入口のドアが開くと、
子供たちは吸い込まれるように中へ・・・


“シッカリ 学習して下さいねぇ~~”


             

 
     エントランスに入ると

 右手に「ミュージアム ショップ」があります。

 足速やに買い物へ向う女性もいました (笑)





  
A1ゾーン 航空機と航空機産業の始まり

1922(大正11)年にサルムソン2A2偵察機をライセンス生産した「乙式一型偵察機」の生産が始まり、
この岐阜各務原の地が日本の航空機産業発展の礎となった。

A2ゾーン 戦前・戦中の航空機開発

二度の世界大戦で、航空機技術は飛躍的に革新
日本でも、飛燕(ひえん)、零戦という傑作戦闘機が
生まれました。

各務原に関る2つの名機が展示されています
川崎航空機各務原工場で製造された、
現存する唯一の実機の三式戦闘機二型「飛燕」と、
岐阜で初飛行した十二試艦上戦闘機「零戦(試作機)」
の実寸大模型

米国スミソニアン航空宇宙博物館から借り受けた
航空機エンジンや日本の航空機の設計図など、
貴重な所蔵品や資料も展示されています。







前方30度前後からのフォルムの美しさが大好きです
 
頭上に展示されているのは「十二試艦上戦闘機(零戦試作機) レプリカ」
 現機は、「三式戦闘機二型(飛燕)試作機」で、
戦中の物資不足で、機体の胴体や翼の金属部分は、
金槌や木片で成形されていたようで、
粗雑な仕上げになっています。

垂直尾翼やフラップ等の可動翼は、
同時期の航空機と同様に、"羽布"を張られており、
金属部分とは異なる仕上がりです。


  
液冷エンジン(ハ40)は、基礎工業力の低かった当時の日本にとって、不慣れな生産・整備に苦労が多く、常に故障に悩まされ続け、
性能向上型のハ140の生産はさらに困難を極め、装備する予定の三式戦闘機二型はわずか99機しかエンジンの搭載ができなかったそうです。
しかし、排気量や倒立(逆さま)V型12気筒等々、驚愕のスペックには感心しました。

「飛燕」 計器パネル メーターがビッシリ!!

「零戦」 計器パネル スッキリと配列されたメーター!! 

機体の大きさが一目瞭然
 
現存する実機 “飛燕” が、『岐阜かかみがはら航空宇宙博物館』で展示されるに至った経緯

 ≪ 知覧特攻平和会館 展示≫

終戦後米軍に接収後、米軍横田基地に展示され、
1953年に日本航空協会へ無償譲渡されました。

その後、各地で展示や空自岐阜基地での保管を経て
1986年(昭和61年)~2015年(平成27年)の間、
『知覧特攻平和会館 中央展示室』で保管展示 !!

製造から70年を経過し、機体各部の損傷や劣化の
修復で、2015年9月~2016年9月の約1年間は
産まれ地「川崎重工 岐阜工場」に搬入されて、
機体表面の塗装を剥離し、戦後に付け加えられた
異品の取外し、機首のエンジン上部のパネル、
操縦席の計器板など新規のレプリカ部品の作成など、
広範囲な修復が実施されました。
   
2011年5月 「知覧特攻平和会館 中央展示室」にて撮影
≪ 川崎重工 創立120周年記念展 ≫

2016年が
"川崎重工"の創立120周年であり、
記念事業として同社で修復した現機を
2016.10.15~11.03 「神戸ポートターミナル」に展示。

機体表面や国籍マークの再塗装有無については、
機体表面に影響を与える可能性があることや、
製造時にドリル工具の刃が滑った痕や、
国籍マークなどの痕跡など、
発見されたものを見せることに価値があることを考慮し、
新たな塗装は行わないことになりました。

 約1カ月間の展示には、

ラッピングフィルムで

国籍マークなどを再現



    
  
機体表面の塗装が剥離され、機体全体に頭の出ないビス(沈頭鋲)を使用して、空気抵抗を少なくする技術も確認できました。


川崎重工 創立120周年記念展」 終了後は各務原へ戻り、
2018年2月 「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」リニューアルオープンで本館に展示される。
       
A3ゾーン 戦後の航空機開発        
 
二階のデッキからは航空エリアを一望。夫々の機体が大空を飛び廻っていた雄姿を想い浮かびます (@^^)/~~~ 
 
 
   

 
大空のヒーローを観る
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
令和 2年 11月 30日
近年は地球の温暖化現象の影響で、季節感を錯覚する天候が多く、この日も爽やかな青い空と陽射しの爽やかな秋を感じさせる天気になりました。
新型コロナウィルス感染も沈静化傾向になっており、外出自粛も解消しているので、久しぶりに外出して、
太平洋戦争で登場した旧日本陸軍の『三式戦闘機二型 (飛燕)』が展示されている「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」を訪れ、
9年6ヶ月前、鹿児島の「知覧特攻平和会館」で出会った「旧日本陸軍 三式戦闘機二型(飛燕)」と再会して来ました。 (^^♪