十石山(2,524.8m)
−晴れれば展望よし、寒ければ雪よし、いつもコースよし、山スキーのお薦めルート−

その3 GW 残雪の十石山へ

十石山山頂からの穂高連峰と山頂小屋

 三度目の十石山は、3ケ月振りの山スキーのため、そんなにしんどくなくて、山頂から展望も期待でき、帰りには白濁の温泉も楽しめる十石山にやまもりさんに連れて行ってもらうこととしました。

 前日までの暑すぎる陽気とはうって変わって、どんよりした曇り空。でも、山頂からは、穂高連峰やちょこっと槍の穂先、南には大きな乗鞍連峰が広がるパノラマも楽しめ満足。
 帰りには、白骨温泉で温泉にゆっくりつかって。やっぱり山スキーいろんな魅力に溢れ、やめられないですね。

日 時:2012年4月30日(月)  天 候:曇りのち雨
メンバー:やまもりさん、みやけさん、おおとさん、ぬのむらさん、たかはし
コースタイム:白骨温泉ゲートの先、登山道分岐−1,800m台地−山頂往復

1800mあたりの台地からスキー登行 針葉樹の中を登る。1900mあたり
樹林帯抜けると遠くに穂高連峰が 山頂からの乗鞍連山

 林道分岐からスキーを担いで登りだし、1,530mの鞍部でようやく雪が残っているが、しばらくは夏道どおりに進むがこれが時間がかかる。雪がつながってきたあたりで直登にして、1,800m台地からシール登行。
 曇天のため青空はないが、暑くもなく登りやすい。樹林帯を抜けると、右手には穂高連峰が。誰もいない山頂からは、360度の大展望。ノンアルコールビールで喉を潤し、久しぶりの山頂からの景色を楽しむ。

ぼくらだけのゲレンデを滑る-1   独り占めで、滑る−2
思いのままに、滑る−3 そして、滑る−4

 写真のような大斜面は山頂直下のところで、そう続く訳ではありませんが、爽快でした。
樹林帯の中も、晴れではないので雪もそう緩んでいるわけでなくスキーも滑り、木にぶつからないように慎重に。
 1800m台地から下もできるだけ雪を繋いで滑り降り、途中でにわか雨にうたれ、また、1530m鞍部で北側の林道に滑り込んでしまうというハプニングもあったが、無地、車に到着。

 白骨温泉の日帰り入浴で白濁の温泉を楽しみ(飲用の温泉水はあまりおいしくなったが)、帰途についた。

その2  2007年2月11日



2度目は風雪の十石

 暖冬の今年、標高2,500mを越える十石山にパウダーを求めて。これがまたも大当たり。前日から新雪が全山を覆い、全然止まない雪と全身を凍らせる寒気が絶好のパウダーフィールドをお膳立て。
無論、展望は全くなし、無茶苦茶寒かった。だから上から下までええ雪で全く言うことなしでした。
(写真 標高1,600mあたりでパウダーラン)

日 時:2007年2月11日(日)  天 候:雪
メンバー:やまもりさん、たかはし、(おばたさん:わけあって乗鞍へ)
コースタイム:白骨温泉林道ゲート6:42−1,790mあたり8:25−頂上11:42−十石小屋発12:20−標高1,820mあたり13:45−林道ゲート14:40
1/25千図:乗鞍岳、梓湖

朝起きても雪は止まず、今日は展望は期待できず、そのかわりに新雪パウダーをたっぷりいただきましょう。

新雪の疎林の登り(標高1,600mあたり) 標高2,200mも過ぎて

高度を上げ樹林がまばらになってくると、一層強い雪と風に襲われ、往生する。
山頂では寒くて、写真など撮ってられません。

だんだん視界も効かなくなり

全山、新雪に包まれた今日の十石はパウダーてんこ盛り!

標高1,900m辺りの尾根南側で 標高1,600mあたり

【記録】

 11日の天気予報は久しぶりの冬型。北陸よりは内陸部の方が天気はマシかなということと、標高の高さにパウダーを期待して2度目の十石山を目指した。

■出発前は持ち物のチェックを忘れずに!
 「あれれ、あれ? ない。忘れてきてしもうた。」、不安げな声が出発地点の林道ゲートの車後方から聞こえる。 ということで、ラッセルパーソン1名を欠き、2人で十石を目指すことに。しかし、ただでは倒れない!乗鞍高原スキー場のレンタル靴で位ヶ原の近くまで登りパウダーを楽しんだという。標高2,600m近くというと、われわれが到達した十石山頂より高いではないか。

 「午後3時にここで。」と、約束し、まずは△1,567mを巻いて鞍部を目指したが、林道ヘアピンの入口で正規ルートより少し低いところを巻いて進んだため、最後には数メートルつぼ足で登りあげる羽目に。

■青空が…、それは一瞬。
 鞍部から、でっかいシラカバのある台地に続く疎林の斜面を登りかけると、東の空に青空がちらり。これは冬型が早めに緩んできたのか?このときだけでした。あとは、ずうっと雪降りの中の山行となりました。もちろん、展望は全くなし。前週の陽気で湿気の多く含んだ雪の層の上に、昨日からの雪がこの辺りで30cmを越える新雪、気持ちよくラッセルしていきます。3年前は帰りには新雪がモナカ雪に変成していたが、このまま寒い雪降りであれば今回は帰りも楽しめそう。

■風がだんだんと強く。
 △1,835mの南を巻いて、狭い尾根のやや急な登りに取り付きます。今年初めて味わうラッセルを交代して楽しみます。程なく、標高2,050mで斜度も緩んできます。雪を被った針葉樹林帯の中をゆっくり高度を上げると、だんだん雪とともに風も強くなってきて、枝の雪を振り落とす。さぞかし稜線近くは荒れ狂う…、と気が重くなる。でも、今日の全山パウダーを逃す手はないと、西へ山頂を目指し頑張る。高度を上げ樹林も薄くなるとラッセルも部分的にすねも越え、雪崩もやや気になりだしてできるだけ樹林のあるルートを選んで登る。時折襲われる強烈な風には、止まって弱まるのを待つしかない。ハイマツも顔を出したガリガリ斜面に変わると、ようやく山頂に到着。なーんにも見えない。無茶寒い。写真撮影もやめて視界の効かない中、北側の避難小屋に向かいシールのままやや下り、何とか小屋に到着。

■ホワイトアウトに余裕なく。
 冬季出入り口から小屋の中をのぞくともちろん真っ暗。一旦入るとまた出てくるもの億劫になりそうなので、小屋の隅で風を避けて滑降準備。手がかじかみ、スムーズにはいかない。ホワイトアウトの中、明確に位置・方向を表示するGPSを確認して、まず斜滑降で南へ向かい、登行ルートに戻った。真っ白のため、斜面の凹凸もわからず、アイスバーンになったところで突然スキーをとられて転倒した際には、アイスバーンのまま流されていくような錯覚に襲われ慌てて上部の小枝をつかんだ。気がつくと、ただコケタだけだった。

■ふわっと浮く浮く、パウダー滑降!
 やや下ると視界も100mほどに開け、いよいよパウダー滑降。新雪は十分に深雪!まさに深雪の上に浮いたような感じがたまらない。フワッする浮揚感。頑張ってきた甲斐がありました。
 ただ、斜度が緩むとスキーがもぐり、やっぱりファットスキーが欲しくなる。標高2,400mあたりでツエルトをかぶった7人パーティーに出会う。「山あっとらんだむ」というHPなどをお持ちのグループで、ボクのHPも知っておられてうれしい。このパーティは7人という大所帯ながら下りもまとまり良くばらけずに滑ってこられ、素晴らしい。
 樹林帯の中も軽く雪を蹴散らし、狭くなった尾根も右手の斜面の新雪を楽しめました。寒いので、休憩もなくどんどん下り、最後の標高1,800mからの標高差300mの疎林の斜面も朝のままのいい雪で待っていてくれました。ここで、雪はまだ止まないものの、ようやく寒さもましになり写真や動画の撮影をする余裕が出てきました。まっさらの新雪斜面を思い存分楽しめました。

■温泉ととうじそばと大渋滞と。
 鞍部から、今度は正規トラバースルートをきちっと滑って、林道に出た。約束の午後3時までに降りてこられました。出発地点の白骨温泉の旅館は、日帰り入浴できる時間が早く終了するところが多いため、乗鞍温泉スキー場の湯けむり館で汗を流して身体を暖め、野麦峠スキー場近くで「とうじそば」(鍋風のそばでおいしかったです。)を食べたまではよかったが、国道19号で大渋滞につかまり、しっかり疲れて滋賀に帰りました。

その1  2004年2月28日

もう今や、山スキーコースの定番ルートとなった感じの十石山。2月末の土曜日も多くのパーティーが入山。
先頭を切ったボクたちは、山頂からの滑降・登り返しも含めて、日帰りで思い存分山スキーを堪能してきました。

日 時
:2004年2月28日(土)  天 候:晴れ
メンバー:みやけさん、たかはし
コースタイム:白骨温泉林道ゲート7:00−1,800mあたり8:27−頂上11:53−十石小屋12:05/12:40−(セバ谷源頭部
滑降)−標高2,250mあたり13:14−(登り返し)−頂上13:54/14:15−標高1,850mあたり14:54/15:25−林道ゲート16:06
1/25千図:乗鞍岳、梓湖

遠く白く輝く乗鞍岳

 東尾根の急登を終わるころ、左手には遠く乗鞍岳がきれいです。
 時折吹く強い風が枝の雪を飛ばして、ボクらに降り注ぎます。あぁ、冷たい。
遠く、穂高連峰

 いよいよ登場して来ました。
 前穂から奥穂への吊尾根が青空に映えます。
ダケカンバと青空と針葉樹と、

 こんなええ天気に恵まれて、しあわせです。
テカテカ輝く乗鞍岳

 森林限界から上の乗鞍岳は太陽の光に広くテカテカと輝いてました。あまりいい雪ではなさそうです。
十石山頂からの穂高連峰

 だだっぴろい山頂からは360度の大展望。
特に目の前の穂高吊り尾根が印象的です。
まず、一本目のスタートです。

 休憩の後、小屋の下からGO!
 北アルプスを背景に滑る至上の喜び!
 でも、この辺りの雪はちょっとひっかかる。
セバ谷沢源頭部

 日が当たりにくい東尾根の北側斜面から、さらにセバ谷源頭部へ滑り込みます。
 いい雪になってきましたよ。
再度、頂上直下からの滑降

 一旦、ピークまで登り返し、いよいよ白骨温泉へ標高差1,100mの滑降スタートです。
 たくさんの山スキーヤーが小屋に向かいました。きれいな小屋での宴会いいなぁ。


【記録】

 前日、地元伊吹でも久しぶりにいい具合に降雪があり、大いなる期待を胸に、十石山に向かいました。その結果は、遥かに期待を上回る素晴らしい山スキーとなりました。いい雪、いい展望、いいコース、ここは絶対お薦めですね。でも、天候の急変には注意がいります。特に頂上部は平坦で、ガスられることも多くて、その場合、コースの特定が難しくなるようです。結構、そんな報告が多く、竹ざおを持っていきました。この日はノープロブレムでしたが。

 関が原ICから高速を飛ばし中津川ICで降り、国道19号から境峠を越えて、白骨温泉へ向かいます。所要時間4時間15分程度。結構遠かったです。料金所の前の雪をスコップでちょっとどけて駐車スペースを確保し、小宴会後おやすみなさい。

 翌朝、7時出発です。既に先行の人のトレースがついてました。3つ目のヘアピンカーブから林道を左に離れ、斜面をトラバースしながら標高1,530mの平坦地に向かいますが、トラバースの最後にちょっと急なところがあり滑らないよう注意しましょう。平坦地からはカラマツ林の急斜面に入ると、そのうちに先頭になってしまい、ジグザグに軽くラッセルしながら高度を稼ぎます。今シーズンは奥美濃あたりでラッセルトレを積んだので、快調に登っていけます。ここも滑るにはとってもいい斜面です。
 標高1,800m近くなるとなだらかになり、これまで見たこともないようなシラカバの巨木がたくさんある地点を通過していくと、標高1,835mの小山を巻くように進み、十石山東尾根の急登に取り掛かります。細い尾根ですが、樹林の間隔は広く、特に問題はありません。時折吹く強い風に、枝の雪が飛ばされ、熱くなってきた体を冷やしてくれます。あぁ〜、気持ちいい。こんないい天気だからこんなことを言ってられます。
 急登が終わったあたりから左手には樹間に乗鞍岳が白く輝いています。早く、ピークへ行って大展望を楽しみたいなぁ。ここからは、緩やかな登りとなり、針葉樹の高木の中を真っ直ぐトレースを伸ばします。木々が次第に低くなってきたところからは穂高の吊尾根も顔をのぞかせてくれます。前方には、ついに十石山の頂上の稜線が見えてきました。真っ白なバーンが広がっておいしそうですが、強風でひっきりなしに雪が舞い上げられています。

 いよいよ木々も少なくなり頂上から南に伸びる広い尾根からゆっくり高度をあげると、右手には大きな無木立ちのバーンが展開しているのを見ると、しんどいけど、絶対一本滑って登り返そうねっと、即、意見一致です。こんないいところがあるのに、頂上からすぐに滑って終わりではもったいないです。
 雪面に念のため赤布をつけた竹ざおを数本刺しながら、雪に埋もれたハイマツの中を進むと、2,525mの頂上到着です。さえぎるものがない360度の大展望です。北には穂高連峰から焼岳、抜戸岳から笠、西には遠く白山連峰、東方に目を転じると、八ツ、南ア、甲斐駒の隣には富士山の姿も、中アなどなど、素晴らしい。でも、強風もこたえるので、とりあえず小屋を利用し休憩しましょう。冬季用の入り口から入って奥に進むと、中は明るくきれいな施設でした。ここで泊して、宴会と山頂付近での山スキー三昧というプランもいいですねぇ。

 さて、一本滑りましょうか。穂高連峰を左に配していくぞーっ!でも、最初はちょっとひっかかります。もっといい雪をと、東尾根の北側に移動しセバ谷源頭部へ滑り込みます。おぉ、ええ雪やぁ!声も出てきます。標高も高いので軽いパウダーを舞い上げます。標高2,250m位の針葉樹が濃くなるあたりで止めて、登り返します。
 往路のトレースを利用してピークへ登り返そうとラッセルして東尾根に登ると、行きにつくったトレースは立派なハイウェイのようなテカテカのトレースに仕上がっていました。見上げると、ピークを目指す多くの山スキーヤーが目に入ります。今度は早い早い、ハイウェイトレースをエンジン全開で登り、40分で2度目の十石山頂。さあ、ここで、乾杯といきたいところでしたが、相変わらずの強風のためビールもおいしくなさそうなので、少し下って落ち着いたら飲むこととしましょう。竹ざおを回収し、いよいよ白骨温泉まで標高差1,100mの大滑降を楽しみましょう。

 こんどは一本目より右の頂上ハイマツ帯の直下から東に飛び込みます。ここはいい雪でした。斜面に気持ちよくシュプールを描けました。疎林帯、高木の樹林帯に入ってもパウダーは続きます。斜度はきつくありませんが、とっても楽しいツリーランです。できるだけ日が当たりにくい、東尾根北側を意識して滑りました。標高2,050mから急斜面になり雪も若干重い部分もでてきますが、樹間の広くていい雪のところを狙います。あっという間に標高1,850mまで滑って来てしまいました。
 あれっ、休憩を忘れてる。ということにここで気がつきました。というほど、ここまで気持ちいいパウダーランでした。

 乾杯をして、のんびり休憩していると、後から滑ってきたパーティーに、丁寧にもトレースのお礼を言っていただきましたが、どうしてボクたちとわかったのでしょう。でも、お礼なんてとんでもない。誰も踏み入れていないまっさらの斜面に、ルートを考えながら自分のトレースをつけていくのは楽しいものです。

 休憩の後、シラカバの巨木帯を通過し、いよいよ最後のカラマツの急斜面ですが、見事にモナカ雪に変成してました。東斜面で16時近いこともあり、やむを得ませんね。大きくターンして平坦地に下り、往路のトラバースルートを戻って林道に出て、車まで滑り込みました。

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