乗鞍連峰  四ツ岳(2.751m)
−そのスケール、雪、展望。素晴らしい山スキーコース−

その3 3年連続の今回、絶景には恵まれるも…

山頂からの穂高吊り尾根と遠くに槍も

 烈風の山頂からは、360度の大展望。
その中でも、北に広がるこの絶景が随一。四ツ岳ならではのスケールの大きな山岳パノラマです。

日 時:2010年3月14日(日)  天 候:快晴
メンバー:やまもりさん、みやけさん、たかはし

コースタイム:平湯キャンプ場6:20−頂上12:30/12:50−キャンプ場15:3

 標高2,300mあたりのシュート 今回の雪は… 笠〜穂高、常念への大パノラマ
テレマークからアイゼン歩行に 山頂直下 太陽と雪煙、そして飛行機雲と

 文句なしの快晴に恵まれた。登行の途中や烈風の山頂からの展望は、とても素晴らしかった。
しかし、豊富な雪があったものの前日までの陽気のため3度目にして初めて、快適なパウダー滑降は望み薄。

山頂からの乗鞍岳連峰 標高2,500mあたりの快適斜面

 ともかく四ツ岳上部の滑りは楽しかった。それから下は重雪に足をとられながらロングコースを満喫!

笠が岳を正面に 樹林帯に入ると、今回の雪はちと…

【記録】

 今年も四ツ岳は外せない、と平湯温泉へ。でも、今回は土曜日に、午後、職場のランニングクラブの送別ラン&宴会後に合流したこともあり、行きの車の中では助手席でついついウトウトしてしまう。すみません。

 6時20分にキャンプ場駐車場を出発。雪は多いが堅い。先行者のトレースや前日の滑った後が多数あり、それに従っていくと大滝川徒渉点に向かうコースから外れてしまい、3度目なのに反省。対岸の樹林帯にスキーのまま登り上げ、徐々に高度を上げていく。積もった雪がややモナカ気味で、今回の滑りはあんまり期待できなさそう。
 標高2,100mあたりから前日の疲れか、足取りが完全に鈍ってくる。あぁ、しんど。

 樹林帯を抜けるといよいよ堅い雪となり、テレマークのみやけさんはクトーないためアイゼン、ピッケルに切り替え。四ツ岳特有の岩峰を見ながら沢状斜面をジグザグに登ると、テレマーカーがカッコよく滑ってくる。お見事です。体力もやや持ち直してきてほっと。左手には穂高、背後には笠、右手には真っ白な猫岳が聳え、山頂には登山者も覗える。そして標高2,600mの台地状に乗り上がると風が強烈に吹いてくる。

 最後150mの登りで烈風の山頂へ。360度の展望は何とも素晴らしい。目の前のでっかい乗鞍、遠くに中央アに南ア。八ツから北信の山々、圧巻は常念、穂高〜笠ア、そして白山連峰。やっぱりこの山の展望は最高だ。日差しが当たると暖かいが、勢いの衰えない強風に写真撮影もそこそこに滑降にかかる。

 堅い雪面に積もった雪を巻き上げながら、抜群のロケーションの中、スキーを楽しむ。岩峰の下を回り込むように右へトラバースし、恒例のシュートに入るが、やっぱり今日の雪は良くない。次第に雪も柔らかモナカ、メリケン粉のような思いまとわりつく雪、そして重雪となり、ロングコースを体力使って、これも山スキーと満喫(?)する。

 平湯キャンプ場に着き、平湯の森でゆったり温泉につかると、ほとんど体力は抜け落ちてました。東海北陸道が事故渋滞のため、せせらぎ街道を快適に運転してもらい帰りました。

その2 今回もまた、もう素晴らしかった!

山頂直下を滑る。快適!

 08年の鮮烈な記憶がいつまでも離れない。
そして、再び四ツ岳へ。前日までの雪がまさに、絶好のパウダーフィールドを提供してくれました。山頂部もバリバリではなく、気持ちよく滑れ、昨シーズン以上のいい条件に恵まれました。

日 時:2009年3月15日(日)  天 候:快晴
メンバー:ながおかさん、やまもりさん、たかはし(滋賀労山山スキーネット)
コース・タイム:平湯キャンプ場(標高1,310m)6:17−大滝川渡渉点7:26−標高2,130m9:30−四ツ岳頂上12:05/30−大滝川渡渉点14:50−キャンプ場15:35

四ツ岳前衛の岩峰 超快適バーンに大きくジグをきって

 先行のパーティーのトレースのお陰でずいぶん楽に、登ることができました。その分、景色も堪能!

トレースを使わせてもらって。 輝く穂高吊り尾根

 登行中も、展望は穂高連峰はもちろん、手前に焼岳、遠くに黒く尖った槍、真っ白な笠ケ岳など、まさに絶景かな。

四ツ岳山頂からの乗鞍連峰(左)、そして穂高、常念(右)

 そして、いよいよお楽しみの滑降へGo!
  

【記録】
  近年にない暖冬となった09シーズン。もうパウダーには出会えないと半ば諦めていたところ、うまい具合に週末に寒気がやって来た。そして、日曜は晴天が戻ってきた。こんなコンディションに恵まれるとはとても予想できなかった。

 朝、キャンプ場に移動するとボクたちのほかに3パーティーが出発の準備。6:17に歩き出す。新雪は20cm程度あり、これはいい感じである。でも、最初の沢状斜面の登りでは既に下部に水流が現れるなど、やっぱり雪は少ない。少し先の大滝川の渡渉点も幅50cmほどのブリッジがあるが、穴も開いておりこわごわ渡る。
 
 そして、北面の台地へ。ここでも昨年の同時期には見られなかった水流が。先行の2人パーティーのトレースを有り難く使わせていただき、快調に高度を稼いでいく。樹林の中、時折、右手に大崩山、正面に四ツ岳前衛、左手後に笠ケ岳など素晴らしい景色が楽しませてくれる。
 森林限界近くになると、穂高連峰が天を突き、その奥に黒く尖った槍の穂先まで覗える。まっさらな雪とカンバや針葉樹、あるいは岩稜帯の交じり合ったシーンはとっても美しい。この中を早く滑ってみたい衝動に駆られる。

 2,500mあたりで雪も堅くなってきたため、クトーを念のため装着し、カシカシと登る。そして、山頂へ。12:05着。天気はいいが、強風には参る。先々週に行ったすぐ北にある小ピーク金山岩に続いて今回も360度の大展望。ただし、今日は新しく被った雪が絶景にさらに磨きをかけてくれる。北アルプスはもちろん、浅間山、八ケ岳、甲斐駒、仙丈〜北岳〜荒川三山、木曽駒などなど、中部山岳の白いジャイアンツたち。これだから、冬の山は止められない。こんな景色を見たらストレスなんて宇宙の彼方に…。

 滑降の準備をして、いざ!山頂直下の沢状斜面も滑りやすく、うれしくて表情も緩んでしまう。2,600mから下も昨年よりいい。登ってきた無木立斜面は先行者のシュプールで荒らされていたため、右手へトラバースし、カンバの疎林から四ツ岳の特徴でもある小さな沢状のゲレンデのようなまっさら斜面に、シュプールを刻む。3人とも大満足。樹林の中で守られた新雪を楽しむ。いい天気でもあり、下部は重い雪に変わってきたのも仕方ない。心も体も(疲労も)満ち足りて、大滝川渡渉点へ。キャンプ場への最後の沢状斜面も慎重に滑って、15:35キャンプ場着。
 平湯の森で、ゆっくりと汗を流したあと、今回もせせらぎ街道を利用して、滋賀へ戻った。

 また来年、今回日程や体調の都合で行けなかったメンバーと、是非行くこととしよう。

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その1 初めての四ツ岳 その魅力にとりつかれて

標高2,289m辺りからの穂高連峰方面

 その噂は本当でした。もっと早く来ればよかった。
山スキーの持つ楽しさを堪能できるコースがここでしょう。

日 時:2008年3月9日(日)  天 候:快晴
メンバー:おばたさん、たかはし(滋賀労山山スキーネット)
コースタイム:平湯キャンプ場6:03−大滝川横断7:23−△2,289m辺り9:45−頂上11:48/12:20−大滝川横断14:00−キャンプ場14:45

標高2,500mあたりの沢状斜面
とても素晴らしい光景です。
絶品シュート
どれだけの雪煙を巻き上げたのか

【記録】 
 3週間ぶりとなった山スキー。いよいよパウダーシーズンも残りわずかとなり、何とか楽しませてくれる可能性の高い人気の四ツ岳を選択。見事に、期待どおり、いやそれ以上のこれまでのベスト3に入る山スキーとなりました。

 キャンプ場を6時に出発。前日の入山者が10人近くはいたようなカチッとしたトレースがついている。大滝川のスノーブリッジを渡り、いよいよ四ツ岳北面に取り付く。最初はなだらかに樹林帯を進んでいきます。北面の樹林の中とあって、いい雪がまだ残っていてくれて帰りが楽しみです。振り返ると、笠が岳が真っ白に雪を被り、朝の光を浴び輝いています。

 標高1,850m越えた辺りから、やや斜度を増してきたものの、樹林帯はそんなに濃くもなく、帰りも十分に楽しませてくれそうです。雪が悪くならないうちに、早く登って滑りたい…。2,200m辺りから上部には上の写真にもあるような、まさに天然のゲレンデが2本ほど、上まで続いている。気温が高い割りには雪もいい。早く、早く!登ろ、登ろ!

 2,290m辺りでドッカーン!と広がった槍穂高の大展望の満喫する。行く手には四ツ岳前衛のゴツゴツした岩の塊が待ち受ける。そして、樹林帯を抜け、やや右手に廻りながら登ると沢状斜面に入り、小さな岩峰がニョキニョキ立ち上がる素晴らしい光景に感動。クトーをつけて斜面を登りあがると、標高2,600m地点で溶岩が固まったような平坦地となり、いよいよ頂上を目指し、最後の沢状斜面を登ると、やりました、2,751mの四ツ岳頂上です。

 遮るもののないピークからは、穂高連峰から北アルプス、白山、大きく乗鞍岳、中央、南アルプスに八ヶ岳から北信の山々。素晴らしいです。ピークには次々に登ってこられます。
 天気はいいものの、風はやや強く、岩陰に身を隠して、パンをかじり、ミルクティーを飲んで、さあ、滑りましょう!2,600mの平坦地までは尾根上のやや固めのまっさらの新雪にシュプールを刻みます。そして、沢状斜面から疎林帯へ。ここからは素晴らしい新雪パウダーの斜面が延々と続きます。針葉樹林帯の中には、小さな沢状の天然ゲレンデが何本かあり、一つ目は既に先行者が滑ったあとで美しくなかったため、相方の尾畑さんが少し先のもう一本のまっさら天然コースを見つけて、2人で歓声を上げて、雪煙を巻き上げます。

 樹林が濃くなって滑りにくいのはごくわずかで、標高1,850mあたりまで新雪のツリーランを本当に満喫。ここは是非、また来年みんなで来たい所です。
1,750mからは緩斜面ものんびり滑って、大滝川の渡渉点に到着。ここまで降りると、日差しが暑い。ツボ足で、登り返しスキーをはこうとしたら、何と、ディアミールのビンディングのヒール部分が割れている。ガーン!幸い残りの滑降には支障がないものの、次回の山行には使えない。2003年から数えて6シーズン目、ちょっと早い「ジ・エンド」でした。でも、2003年の乙妻や焼山をはじめ、いろいろといい山に連れて行ってくれ、滑りを満喫させてくれたいいギアでした。 
 ちょっと落ち込みながらも最後の滑りを楽しんで、キャンプ場に14:45着。
 山頂から約2時間30分、もう、これまでの山スキーで3本の指に入るコースでした。

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