山スキー報告

奥美濃:御前岳前衛(1,735m)

その4
−4年ぶりの野々俣谷の滑降。またも新雪にまみれて−

野々俣谷は今回も新雪で迎えてくれました。
まずは、みやけさん、GO!

日 時:2013年1月20日(日)  天候:くもり一時雪、後晴れ間も
メンバー:やまもりさん、みやけさん、おおとさん、おばたさん、たかはし
コースタイム:白弓スキー場ボトム7:55−1,050m沢入口8:47−1,350m尾根9:45−前衛△1,735mピーク11:30/12:00−(野々俣谷 滑降&登り返し1回)−スキー場ボトム13:50

雪に埋まった沢を登る 魅惑の野々俣谷
今回もブナの雪景色に感動

 降雪直後で、天気も曇り、パウダーを楽しむにはいいコンディションでした。御前岳前峰の雪を被ったブナ林は素晴らしい。

標高1,730mあたりの前衛頂上部。 野々俣谷を雪煙あげて
野々俣谷を落ちていく 楽しくって下って下って、細くなったところまで。

 野々俣谷を一本滑って25分くらい登り返し、もと来た尾根をこれまたパウダーをしっかり楽しみながら戻っていく。

野々俣谷の登り返し 標高1,400mあたりのブナ林滑降

【記録】
 4年ぶりの御前岳前衛。幸いにも、週末からの雪がたっぷり積もり、満足できる山行となりました。
白川郷道の駅から白弓スキー場まで移動すると、1パーティーが先に出発される。何と、先週ボクたちと同じ猿ケ山に山スキーでであった人たちでした。ゲレンデから離れると昨日のラッセルのあとがのこり、なんなく旧ゲレンデのトップへ。沢に入ると昨夜の雪でラッセルも大分埋まっている。ファットのおおとさんのラッセルで、グイグイ、標高をかせぐ。標高1,350mで沢から抜け尾根に出ると、強風に体温が奪われ寒い寒い!大きいブナの陰での休憩もそこそこに、先に進む。野々俣谷源頭部に来ると、今年も素晴らしい光景が迎えてくれました。雪を被った大きなブナやカンバ。寒い中辛抱して登って来た甲斐がありました。ここを滑るのが、このコースの最大の楽しみです。
 傾斜が緩くなった尾根をしばらく進むと、前衛の標高1,750m針葉樹が雪を被り、モンスターのようになった地点で、小休止。途中、今日は寒くてノンアルコールビールはいらんなぁ、と思ったものの、お陰で風も収まりみんなで頂きました。

 さて、お楽しみの滑降へ。針葉樹林帯はストックで押して滑り。次第に傾斜も出て、野々谷源頭部へ。さあ、飛び込もう!少しだけ湿っぽく、パフパフとまではいかないものの、十分満足できるパウダーです。写真を撮りながら、谷をどんどん滑っていきました。ノートラックの谷は深雪で、雪煙を巻きちらして滑るこの感触は何事にも代えがたいもの。このために日々頑張っているとまでは言いませんが。素晴らしい!この後、登りもあるので、名残惜しいけれど切り上げて、シールをつけて登り返し。

 約25分の登り返しで、もとのトレースに戻る。再度、シールを外して尾根のブナ林滑走を楽しむ。標高1,350mから沢に入る。まだまだパウダーが残るも足も疲れてきて雪にまみれる。沢のまわりのきれいな斜面を選びながら楽しみは続く。沢から出て、旧ゲレンデもこれでもかと楽しませてくれますが、もう足が悲鳴をあげてきました。堅い堅いゲレンデにでると、もう、小さいターンはしんどいので、流すように大きくターンをして、充実した山行はおわりました。

 しらみずの湯(600円)でゆっくりと汗を流し、ほっこりして帰途につきました。


 その3
−往復だけでは、もったいない!野々俣谷の滑降&登り返しを2回−

野々俣谷に雪煙あげて
        −ひじかたさん、Go!−

3度目の御前岳前衛。
ブナ林の野々俣谷では、今回は条件が悪いと予想していたものの、それが杞憂に終る、素晴らしい滑りが楽しめました。

日 時:2009年2月8日(日)  天候:くもり後晴れ
メンバー:ひじかたさん、おばたさん、やまもりさん、たにうちさん、たかはし
コースタイム:白弓スキー場ボトム7:02−1,050m沢入口7:55−1,350m尾根9:12/50−前衛△1,735mピーク11:18/12:00−(野々俣谷 滑降&登り返し2回)−スキー場ボトム15:03

 先週敗退した三方崩山北方1,897峰(中央)からの尾根 御前岳前衛△1,735mピーク

 朝の強風も次第に収まり、青空も広がってきた。そして、肝心の雪は、これはいいではないか!

雪にまみれて−野々俣谷− 木々の向こうに純白の白山

【記録】

 つい一週間前、庄川を挟んで向かいの三方崩山北方△1,897m峰から北東に伸びる尾根を目指したところ、それまでの雨や暖かな気候で雪の状態が悪く試練の滑降となった。
 ところが、富山のTさんがまさに丁度その日に御前岳前衛に山スキーに行かれパウダーに狂喜乱舞されたと聞き、今後も暖冬傾向が続く予報を考えると、やっぱり、ここしかないと、御前岳前衛にパウダーを託した。

 堅い雪面のスキー場を登って沢への入口に7:55着。ここから見る沢はブッシュが見立つものの、登りや滑りにも支障は無い感じ。昨日のシュプールや登りのトレースが新雪に埋もれ、その量も少しずつ増えてきた。やっぱりこれはいいかもしれない。雪庇の隙間を乗り越えて、尾根に出ると今回も強風に迎えられる。でも、空には弱々しくではあるが太陽も姿を見せ始め、天気もいい方向に向かっているよう。

 ブナ林の尾根伝いに少しずつ高度を上げ、標高1,600mを超えて野々俣谷源頭部に来ると、左手の谷にはとってもきれいな新雪で覆われている。早く滑りたい気持ちを押さえ、前衛の1,735mを目指す。シラビソの林が現れ、見た覚えのあるなだらかなピークに着いた。北には、猿ケ馬場山がなだらかな白い山頂部を見せている。

 御前岳はまだ先だが、この山行の目的はピークハントではなく、パウダーラン。さあ、滑ろう!いよいよ青空も広がり、木々の向こうに野谷荘司山も白く輝いている。1,700m辺りからまず野々俣谷へ一本目。標高1,540mの谷が狭まるあたりまで、新雪を蹴散らし、シュプールを描く。う〜ん、すばらしい、満足。早速シールを貼って1,650mあたりへ登り返し、さらにもう一本。同じ辺りまで滑り込み、またまた1,650mまで登り返し。

 名残惜しいが、シールをはがして下山にかかるが、尾根北側にはいい雪がたっぷり。「やっぱり、ここはええなぁ!」とみんな納得、満足。1,350mの尾根から沢に入るが、登ってきた沢は荒れているが、その左手のやや北向き斜面に回り込めばそこにも新雪が一杯。いい雪、いい雪探して、標高1,050mの旧ゲレンデまでとことんパウダーラン。

 はい、大満足でした。先週の向かいの尾根に比べ、なぜ、こんなに良かったのでしょう。@下部のブッシュはスキー場でクリアできた。Aピークまでブナ等の樹林帯であり、雪が飛ばされずたまってくれた。B北向きの野々俣谷はみんなの期待に応えねばと頑張ってくれた。C富山のTさんの山スキー情報が本当に貴重な情報だった。


 その2
−さすがの御前岳もこの日ばかりはノーグッド−

白く咲いた野々俣源頭部のブナ林

4年ぶりの御前岳へ。
前回があまりにも素晴らしく、今回もと、狙いましたが。

でも、やっぱりいいところです。

日 時:2008年1月13日(日)  天 候:くもり後雪 風強し
メンバー:おばたさん、ひじかたさん、やまもりさん、みやけさん、たかはし
コースタイム:7:55 白弓スキー場−10:05 △1,350m尾根−11:55 △1,735m
         13:20 △1,350m尾根−14:05 スキー場
1/25千図:平瀬

 年末年始の雪も、その後の穏やかな天気と前日までの雨と朝の冷え込みで、やっぱり雪を変質させてしまった。
前夜もゴーゴーと風が強いだけで雪がほとんど降らず、白弓スキー場は全面滑走可能(積雪1m表示)であるが、ガリガリの堅雪。その上の旧ゲレンデも表面は堅い堅い。そしてそこから入っていく沢状斜面も、そこそこ低木は雪に埋もれているものの、やはり堅い。

 このコースの苦労するところである沢状の斜面も前回のラッセルはなく、難なく尾根へ。△1,350m付近で尾根に乗り上げると、いきなり強烈な風が迎えてくれた。気持ちも盛り上がらない中、尾根上のブナ林を進んでいく。
 でも、やはりこのコースはいいところです。でっかいブナの木も交えた樹林帯は、前夜の雪が木々の枝に樹氷として白く装い本当に美しい。そして到着した久しぶりの野々俣谷源頭部。そこはやはり感動的。計画では源頭部への滑り込みと登り返しをしようということだったが、この雪では滑る楽しさもイマイチ。次回、是非、たっぷりと雪が降ったあとのタイミングで来ることにしよう。そのときはおばたさんの新調シュガーダディもその威力を見せてくれることでしょう。樹林を縫うようなみやけさんのヤマテレターンも。

 △1,735mピークで引き返します。少しばかりの新雪を蹴散らして、そしてガリガリいわせてブナ林を楽しみました。
最後の沢状斜面は、結構、難儀し、ジャンプターンを織り交ぜて滑り降り、ゲレンデへ。次第に風雪が強くなり、これはタイミングよく山行を終えることができました。最後は冷え切った身体を、2年ほど前にオープンした新しく設備のいい白水の湯(600円)にゆっくりつかり暖まって帰路についたのでした。

 白弓スキー場はリフト1本のほんとに小さいスキー場ですが、一晩中暖房つきのトイレを利用可能にしてくれて、いいところでした。

その1
−深雪ラッセル&深雪滑降、身も心も満ち足りて−

野々俣谷源頭部北斜面

 岐阜県白川村の白弓スキー場から御前岳前衛への山スキー山行です。
 数日来の降雪のおかげで、深いパウダーにまみれることができました。前衛への尾根の左手、野々俣谷源頭部の北斜面は大きなブナが点在するとっても素晴らしいところでした。

日 時:2004年2月8日(日) 天 候:曇り
メンバー:ばんばくん、やまもりさん、たなかさん、たかはし(滋賀労山山スキーネット)
コース・タイム:白弓スキー場7:28−スキー場旧ゲレンデ最上部沢入り口8:24/50−1,350m尾根10:20/50−御前岳前衛△1,735m地点11:50/12:50−野々俣谷滑降終了地点13:20−(登返し)−△1,620m地点13:50/14:05−1,350m尾根14:24−旧ゲレンデ最上部沢入り口14:48−スキー場15:08
1/25千図:平瀬

思わず、吸い込まれていきそうな斜面
 こんないいところ、なかなかお目にかかれません。
 あれっ、何か落ちたような。そう、気がつくと、積もり積もったストレスが、あっ、落ちていく、落ちていく。

 なんて美しい斜面でしょう。野々俣谷源頭部です。
 まずは前衛まで登って、お楽しみはその後にとっておきましょう。
パフパフ深雪滑降 その1

 お待ちかねの源頭部深雪滑降です。腰あたりまでつかって雪まみれで感激の瞬間です。ほっほーっ。(やまもりさん提供)
 
深雪滑降 その2

 なんて気持ちのいい斜面!やまもりさんもこらえ切れずに飛び込んでいきます。
稜線のブナ

 いたるところに絵になる光景が広がっています。
 登ってくるだけでも楽しいところです。必ず、今回いろんな事情でこれなかったメンバーも一緒に戻ってきまーす。
(やまもりさん提供)


【記録】

 実のところ、出発日の夕方、岐阜県の道路降雪情報を見て躊躇しました。白川村で夕方、積雪量2m、時間降雪4cm。おいおい、ほんまかいなぁ。米原駅でメンバーと協議したものの、誰も止めようとは言わず、だめならゲレンデで新雪滑降を楽しもうということで、さぁ、出発!
 東海北陸道の白鳥IC手前から圧雪状態の路面となり、ひるがの高原SAは雪に埋もれたよう。幸い、星ばっておりなんとかなるかと思ったのも束の間、御母衣ダムあたりでしんしんと雪が降ってきた。白弓スキー場のセンターハウス前駐車場も長靴が埋もれる程度の積雪。長靴はいてきてよかったぁ。明日は一体どうなることやら。

 「ガーッ、ガーッ」何だ、何だ?強烈な音で目が覚めました。そして、外から窓をコンコンと叩かれ、「えぇーっ何ですか」と寝ぼけまなこで外をみると、僕たちの車が除雪の障害になっているようで、これはすみません。すぐに車を動かし、時間を見ると6時前だったので起床し外を見ると、おぉ、雪はやみ、山の稜線も見えているではありませんか。これはいけるーっ。おにぎりをほおばる口にも気合いが入ってきました。

 パッキングをしていると、obaさんたちが到着。先に行きますけど、早くラッセル代わってくださいね、とお願いして、ゲレンデを歩き出しました。ゲレンデを見上げると、真っ白なゲレンデ中間部に真横に雪壁が見えます。目を凝らすと以前使われていたゲレンデがリフトの架け替えによって使われなくなり、上部は真っ白な深雪斜面になっているのでした。ゲレンデボトムの標高660mからスタート。圧雪のゲレンデを快調に登り、標高900mあたりからこの上部深雪バーンに入りますが、降雪直後でもあり、なるべく端っこの方を早く登ってしまおうと、膝まで埋まるいきなりのラッセルにむせびながら登っていきます。
 ここで、我がチームの若手バリバリのボーダーが遅れだした。あまりの深雪にスノーシューがほとんど効果なく股下まで潜り、悪戦苦闘。後発のobaさんチームにもあえなく先を越され、スキーの跡はだめと直登に切り替え、じわじわ高度を稼ぎ、なんとか旧のゲレンデ最上部標高1,030mの沢状斜面入り口に到着。スキーとの差は歴然で、無理せずにいける所まで行き引き返すことに。一方、大学時代の歴史ある山スキー+ジルブレッタで挑戦し復活を目指すたなかさんも、旧式のビンディングにクライミングサポートがないのがつらそうです。

 さあ、ここから沢状の斜面を1,350m地点の尾根まで登っていきます。意外に木々の間隔は広いのですが、如何せん斜度が結構あり、新雪も無茶苦茶あるので、ペースは上がりません。でも、こんなたくさんのいい雪に出会えるなんてうれしいな、滋賀では無理だもんなぁ、と辛さを紛らわせます。
 尾根に近づくにつれ、さらに急になり狭くなってきた沢を短くジグザグに登って行くと、尾根が近づき今回の難所と思われた雪壁の乗りこえだ、と思いましたが、数日来の降雪で壁が見事に埋まり、あっけなく尾根に乗り上げることができました。

 続いて、福井ブナ隊の皆さんが登ってこられた。一番最後の出発なのに、早い早い、強い強い。
ここから稜線の登りは斜度も緩やかで楽になり、なにしろ雪を被った大小のブナが点在する光景に感動の連続。特に、標高1,620m辺りから北側の野々俣谷源頭部の素晴らしさはものすごい。思わず、シールを外して飛び込んで行きたくなるような、吸い込まれそうな魅力的な斜面です。じっと、欲望を抑え、とりあえずもう少し登り、針葉樹が現われだした標高1,735m地点で、丁度お昼前になったのと、これから先はアップダウンがあるので、ここで本日の登行は終了としました。

 福井、和歌山、滋賀の3パーティーとTAKAGIさんで賑やかな円陣となり、おいしいおかずも次々に廻ってくる楽しいランチタイム。展望はきかないものの、風も無く、のんびり1時間過ごしたあと、さぁ、お楽しみの滑降です。
 野々俣谷源頭部をおいしくいただくべく、少し滑って、いよいよ飛び込みます。
 おぉーっ、わぉーっ、なんやこれぇーっ、ハイ、もう最高でした。腰までの深雪に雪まみれになりながら、北斜面のパフパフパウダーを福井ブナ隊は華麗に雪に舞い、ボーダー氏はかっ飛んで、そしてボクはお行儀悪く食い散らす。昨年、obaさんが4月でもパウダーに酔いしれたという、ここ野々俣谷源頭部は決して期待を裏切りませんでした。
 でも、無茶苦茶楽しいけど、ブナ隊は一体何処まで滑り降りていくの?と心配になりかけたころ、心残りだけど、もう、ここで終わりとするかということで、シールを付け登り返し開始。ホッ。相変わらずの深雪ラッセルですが、しゅういちさんの馬力に牽引され、右手にややトラバースしながら約30分の登り返しで1,620mの稜線に到達しました。ここにも、魅力的な斜面がバーン!「おいでおいで、おいしいよ。」と呼んでくれていますが、下で待っているメンバーもいるし、今回はお預けにしましょう。また、皆で来ることにしよおっと。

 再度、北側斜面を少しずついただきながら、稜線を1,350mの沢状斜面への下降点に到着。ここで、登りにつけた赤布を外して、沢へ飛び込みます。ここも、楽しめました。木々の間隔は広く、深雪もたっぷり残っています。旧ゲレンデ最上部までの標高差約300mは滑り応えがありました。
 標高1,030mの旧ゲレンデ最上部で、ボーダーのばんばくんと合流。聞くと、彼は標高1,400mまでは登ってそこから旧ゲレンデまで滑降したあと、沢状斜面を1,350mまでもう一本登り、さらに、旧ゲレンデ深雪斜面を3本やったというではないか。おいおい、それはすごい、ボクらより登ったんと違う?やっぱり、若いって素晴らしい。
 そして、ボクら全員で旧ゲレンデ深雪斜面を自由自在に滑り降り、圧雪斜面との境の1mを越える雪壁を慎重に降ります。パウダーにまみれ充実感一杯の今回の山スキーの後では、なぁーんも楽しくない圧雪ゲレンデ斜面を適当に滑って、センターハウスに到着しました。

 ここ、白弓スキー場からの御前岳前衛峰までの山スキーコース、最高です。単に往復だけじゃなくて、野々俣谷源頭部を滑ってみてください。それは、もう、身も心も満ち足りて…。


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