MTB山行

白倉岳(950m)〜雲洞谷山(622m)〜明護坂

−杉の巨木と落ち葉の雑木林の長い稜線を下る−

安曇川沿いの栃生からの白倉岳

 比良山系武奈ヶ岳から蛇谷ヶ峰へ続く稜線の西に、安曇川をはさんで、北に向かって緩やかに下っていく稜線があります。今回、その稜線を白倉岳に登ったあと、北上し、鷹が峰、大彦(おしこ)峠を越えて雲洞谷山(うとうだにやま)、行者山、最後に古道明護坂から朽木村市場へ下りました。
 杉の巨木やブナの木々、落ち葉に埋もれた雑木林や薄暗い植林の中など変化があるコースで、結構楽しめます。もちろん、MTBなんか担がなくて歩いてもいいんですよ。

日 時:2003年10月30日  天 候:曇のち晴
コース・タイム:伊吹6:00−大津市栃生7:45/52−白倉南岳9:03/13−中岳9:32/36−白倉岳9:45/10:07−村井分岐10:26−鷹が峰11:00−大彦林道11:17−雲洞谷山12:02/15−行者山12:43-明護坂13:20−朽木村市場13:30−大津市栃生13:58(−朽木村生杉へ…三国岳報告へ続きます)
2万5千図:久多、北小松、饗庭野


 代休の秋の日、目指すのは、白倉岳からなだらかに朽木村市場まで下っていく稜線。ガイドを見ても朽木山行会の皆さんのお陰で整備されているようで、MTBでもそこそこ行けそう、というで決めた!まずは栃生で安曇川を渡ってすぐ右手にある登山道入り口の標柱に従って、雑木林の中の急登をだいたい一万粒ほどの汗を流して、担いでいきます。とても急ですがトラロープもきちんと張ってあります。整備されたみなさんに感謝。

比良山系 武奈ヶ岳から釣瓶岳への稜線

 左手に植林帯が現われだすとようやく斜度も緩まります。「ドーン、ドーン」何や一体。空から発破のような音が断続的に耳に届きます。寒気流入の影響によるものでしょうか、晴れ間が広がってきた10時ごろまで鳴ってました。あんまり気持ちいいものではないですね、これは。
 この尾根はほとんど展望はききませんが、稜線近くになってようやく比良の峰々が望めるようになります。
 
稜線上の紅葉

 1時間余りの頑張りで白倉岳稜線にたどりつきます。
 木々はいい感じに色づいています。いろんな色が混ざり合ってとっても美しい、これが日本の秋ですねぇ。
 おなじみのMTBも一緒に記念撮影していますが、このあたりはほとんど乗れず、ボッカ訓練の役割を担っているだけで活躍の場をひらすら待っているという状態でした。
南岳山頂(940m)
 最初のピークである白倉岳の南岳は大きなブ
ナが3本残る静かなところです。
稜線からの中岳
 一旦、南岳からゆっくり下って中岳を目指します。
このあたりの紅葉は盛りです。
中岳山頂(924m)
 白倉岳の大きな魅力の一つである巨大な杉は、
この中岳ピークにあります。地上2mあたりで左
右大きく分かれ双方から直径30〜40cm程度の
杉が真っ直ぐ伸びてます。
白倉岳山頂(950m)
 3つ目のピークがこの白倉岳です。朽木山行会
の木のりっぱな標柱があります。だから○○金属
山岳会のプラプレートはいりません。始末に困るゴ
ミですね、これは。

 白倉岳三山の間はほとんどMTBに乗れませんでしたが、地形図を見ると、これからいよいよ始まるなぁ、快適ライディングが…。でも、そうは問屋が卸してくれませんでした。傾斜はほとんどないものの、尾根が狭く、かつ、石と根っこで烏帽子峠を越えた、次のピーク烏帽子岳まではだめです。ここからでした、楽しめるのは。

村井コース出合い

 10:22に到着した烏帽子岳から、待ちに待ったMTBの活躍の場面がやってきました。なだらかに下っていくと、ほどなく、村井コースからの分岐に着きます。村井コースは白倉岳へのもう一つの登山コースで、今日登ってきた栃生コースより傾斜は緩やかそうです。 
落ち葉で一杯の雑木林の中を行く

 村井出合いからは利用者も少ないのでコースはどうなのかなぁ、と不安でしたがこれは杞憂。ご覧のとおり落ち葉のじゅうたんの上を乗っていきます。どこでも通れますね。テープなど印もあります。
 826mピーク手前で右「鷹が峰・桑野橋」、左「大彦林道(関電巡視路)」の分岐があり、桑野橋に下るとまずいので左にとったが、どうも先が怪しそうなので、826mピークに登り返し、745mの「鷹が峰」への稜線を進んだ。ここは狭い尾根で乗れません。
鷹が峰(745m)頂上

 右手が植林帯となった狭い尾根を行き、ちょい登ると、ドンと、大きなブナが鎮座する鷹が峰頂上です。といっても尾根上の小ピークですが。ここで、桑野橋と大彦峠のルートに分岐します。
鷹が峰直下から遠く雲洞谷山(中央奥の右)

 分岐からは大彦峠まではほとんどMTBを楽しめます。途中の送電線鉄塔辺りから、これから輪を乗り入れる雲洞谷山への稜線が望めます。
 雑木林の中を一旦大彦林道に下り、巡視路を登り返します。写真の稜線をずっと行きます。中央やや右奥、鉄塔の向こうのピークが雲洞谷山です。まだ、先ですねぇ。鷹が峰から雲洞谷山まで4km弱です。

 舗装された大彦林道には軽トラも止まってました。再度雑木林の中を登ると切り開かれた巡視路で、振り返ると今下ってきた鷹が峰などが望めます。鉄塔から左の杉の植林の中にMTBで下りながら回り込むと、趣の残る旧道の大彦峠です。

巡視路からの鷹が峰(左端) 切り開かれた巡視路

 旧道の大彦峠からしばらくで、手入れされた巡視路を左に分け自然林の中の山道を急登します。5分ちょっとでなだらかになり、紅葉真っ盛りにはちと早い感じですが、とってもいい感じのところになります。MTBは少し乗っては押しの繰り返しですが。
 そして、ようやく着いた雲洞谷山(622m)。山頂の安曇川側は雑木林で、その向こうに、1カ月前に登ってきた蛇谷ケ峰がきれいな山容を現してくれました。青空も大きく拡がり、ちょうど昼になったので小休止。地形図見ると、もうここからは快適な下りが待っている、はず…。

雲洞谷山手前の雑木林 雲洞谷山からの蛇谷ケ峰

 確かに、雲洞谷山から先しばらく自然林の中の快適なライディングでした。そう、そう、これ、これ、やっぱ、ええどこやなぁ。ボクの目は正しかったなぁ。
 でも、571mピークに登り植林帯が現われた辺りで、道が不明瞭に。ちょっと迷ってしまう。木の赤いペンキとわずかな道らしき形跡をたどって(といっても稜線上を行けば問題ないのですが)、岩瀬への分岐を経てようやく次のピーク行者山に着きました。

行者山(501m)ピーク

 展望はききませんが樹林に囲まれ落ち着ける雰囲気です。ユニークなのは顔の絵のついた「行者山」という看板です。朽木中学校の生徒諸君が作ってくれたもので、この先の「東山」、「明護坂」にもでっかいのがありました。何かほほえましいですよね。
 でも、ここのは支柱が折れているので、早く直してあげないと。
終盤の快適な山道

 こんな看板もある行者山だから、ここからはOKでしょう。そうです。自然林の中を気持ちよく下れます。一つコブをこえ、2つ目のコブの東山ピークからの下り少しは急なので無理できませんが、それからは最終盤のライドを楽しみ、明護坂が近くなると、周りが植林帯に変わります。
明護坂

 薄暗い植林帯の急坂を下りると、ここも朽木中生徒作成の大きな看板がある「明護坂」です。ここからはジグザグに乗って降りると市場まではすぐです。
 さあ、あとは国道367号線をMTBで栃生まで約8kmバックするだけです。左手には紅葉した蛇谷ケ峰が聳え、天気もいいので快適に安曇川を遡っていけました。栃生には13:58到着。

 今回のコース、まとめますと、斜度は地形図どおり(当たり前や!)緩やかですが、山道の状況が思ったよりよくなく時間が少しかかりました。この前が山本山〜賤ケ岳のハイキングコースといういわばMTBにしてみればハイウェイのようなコースを楽しんだので、当然その差がありますが。
 まず、白倉岳周辺はMTB不要です、ボッカ訓練用に利用してください。MTBの本来の力を発揮するのは、烏帽子岳から北です。
 @烏帽子岳〜826mピーク手前、A鷹が峰〜旧道大彦峠、B雲洞谷山〜571mピーク手前、C行者山〜明護坂〜市場なんかは、いいですね。でも、下草がない春か秋の季節がいいでしょうか。

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