猿ケ馬場山(1,875m)

その3 08年1月 寒波襲来。山には待望の雪が。

日 時:2008年1月12日(月・祝) 天候:雪、一時だけ晴れ
メンバー:おばたさん、やまもりさん、ひじかたさん、みやけさん、たなかさん、たかはし
コースタイム:白川郷神社裏6:55−宮谷林道8:40−帰雲山東鞍部11:55−標高1,720m地点13:01/13:30−神社裏17:18
1/25千図:平瀬、鳩谷


猿の冬ならでは景色の中を行く。

 ようやく、まとまった雪が降った猿ケ馬場山。
 天候は一時だけ晴れ間があったものの、ほぼ終日雪。白山など周囲の展望はありませんでしたが、そのかわり、雪をまとった素晴らしい木々や新雪&深雪をたっぷり楽しめました。

 この3連休ようやく、待望の雪が降り、金剛堂山か猿という当初予定した選択肢から、比較的安全な猿ケ馬場を選択。
萩町の神社裏に車を止め、しんしんと雪が降る中を林道を進む。昨日のものと思われるトレースが残り、助かる。

 宮谷林道からひろい尾根に乗りあがり進むと、雪をかぶった立派なブナ林が美しい。いつも山スキーは出発するまではなんか億劫だけれど、今日も、やっぱり来てよかったと思うこととに。
 しかし、降り続く雪と風のせいで標高1,450m辺りからはラッセル後も消え、こんな新雪ラッセルなかなか体験でけへんでぇ、と交代で楽しむも、時間は当然経過していく。

帰雲山あたりのブナ林 一時の晴れ間 標高1,720mあたり

 帰雲山の東鞍部で11:55。これは頂上は無理。13:00を限度として行けるとこまでとする。風も強くなり、オオシラビソが現れだした標高1,720mで13時経過。ここで、タイムアップ。頂上まで標高差は150m程だが、まだ距離はある。
過去2回、白山の大展望が頂上から見られたが今日はとても無理。この山は帰りもアップダウンがあり時間がかかるので、ここで引き返すこととする。

 そして、滑走の準備中に、この日はじめてほんの一時の晴れ間が広がった。ここ数日の雪で、白い衣をまとった木々が美しい。帰雲山の登り返しなどで下りもエネルギーを使いながらも、新雪&深雪のブナ林の中、雪煙を舞い上げながらの滑降を満喫する。気温も低く、林道下部までのロングコースの滑りを堪能し、今シーズン第1回目の山スキーを大満足で終えることができた。

(左)標高1,300m辺りのブナ林滑降       (右)宮谷林道から下の沢もとっても楽しめた。

その2 05年3月 季節はもう春。静寂の一日

日 時:2005年3月10日(木) 天候:晴れ
メンバー:単独
コースタイム:白川郷神社裏6:21−宮谷林道7:34−△1,528m8:57−帰雲山東鞍部9:25−猿ケ馬場山10:27     /11:01−宮谷林道12:28−神社裏13:15
1/25千図:平瀬、鳩谷

 伊吹から東海北陸道利用で2時間半、深夜零時に白川郷に到着。今回は一人で盛り上がらずに飲んで就寝。朝、目を覚ますと、今季初めての晴天の山行となり、モチベーションも高まっていきます。
 6:21神社裏手から林道を通って、上部の宮谷林道へは前回の尾根通しではなく、とても登りやすい尾根左手の谷を詰めていく。7:34林道に到着。少し林道を進んだ後、標高1,100mあたりで左の尾根に登っていく。先週の土日に多くの山スキーヤーがあったようでシュプールが散乱しています。静かなブナ林の尾根をゆっくりと高度をあげていくとブナ林も立派な樹もあらわれてきて、尾根通しに進んで△1,528mへ。 

△1,528mあたりのブナのある雪原と、西に聳える三方崩山

 △1,622mの帰雲山をまいて東の鞍部からは、遥か下に白川郷の集落が笈ケ岳、大笠山を背景に望め、ここからいよいよ最後の頑張りです。斜度はありませんが意外に距離がある。ブナ林が針葉樹にかわってくると平らな山頂は間近。

山頂からの白山方面の展望 帰雲山からの猿ケ馬場山(左奥)

 ラッセルもなく約4時間で頂上へ。一昨年がラッセルとシール団子に苦しんで6時間半近くもかかったのに比べると、あっけない感じも。でも、まず先に開けたビールの美味しかったこと!さて、今日の山頂は?越中方面はOK、白山方面はまあまあ、でも前回完璧に見えた穂高連峰、乗鞍など東は残念ながら展望はききませんでした。贅沢は言えません、今シーズンこれだけ展望が拡がったのは初めてですから。天気はいいけど、風が強いのでそろそろ滑ります。

 山頂からまず帰雲山東鞍部までゆっくり滑って、時間もあるので帰雲山へちょっと登ると、ここも、りっぱなカンバやブナ林が拡がっている。山頂から雪質がまだましな北向き斜面にちょっと飛び込むも、十分に湿気った雪で、蹴散らした雪がゴロンゴロンと転がっていき、楽しくないのですぐに止めた。△1,528mは右からトラバースしていき、ブナ林をのんびり滑って林道へ12:28に戻り、一面に広がった青空の下、「あぁ、来て良かった。」と、一人ごろんと寝転ぶ。

 宮谷林道からは、往路に使った快適な谷に滑り込み、急に狭くなるあたりから谷から外れて交差する林道に入った。
13:15車に戻り余裕があったので、帰りに平瀬温泉の共同浴場にこれまた一人貸切でつかった後、国道156号を郡上八幡まで走り、その後東海北陸道で岐阜各務ヶ原ICを経由して伊吹へ戻った。


その1 03年2月の快晴パウダーの一日

日  時:2003年2月15日(土)   天候:晴れ
メンバー:尾畑さん、山森さん、今村さん、三宅さん、たかはし

標高1,528m付近の雪原

 この雪原で、いかにも熊のようなでっかい足跡を発見。しばらく、進行方向にずっと続いていた。まだ新しく、おいおい勘弁してよ。でも、冬眠中ですよね。熊さん。

猿の手前1,827mピーク

 目指す猿ケ馬場山が、ようやく写真左の1,827mピークのその右手にわずかに望めた。まだ、遠いです。

遠くに白山が。

 帰雲山の手前から西に白山連峰が顔を出してきた。御前峰、剣が峰、大汝などが文字通り真っ白に輝いている。

頂上付近の雪原

 やっと、たどりついた猿ケ馬場の山頂手前。最後は疲れもいよいよ溜まり、シールに雪が団子になって着き、かなりばてる。
 でも、待っていたのは雪を被った美しい針葉樹。疲れなんて、どっかに飛んでいった。

山頂部の樹氷

 頂上付近にはかなり大きな樹氷が発達していた。青い空と白い雪、点在する樹氷。また、素晴らしい光景に出会えた。

遠く、槍、笠、穂高の峰々

 東の方には、南から、ドンと御岳、やさしい感じの乗鞍、4つのピークの穂高、ちょっとわかりにくい笠、黒く槍、白い尾根伸ばす黒部五郎、でっかい薬師、そして締めは天を突く剣、と峰々がビールの肴になってくれた。

真打は白山連峰の大パノラマ

 何といっても、山頂からの極め付きはこの白山連峰のとってもすばらしい光景です。この角度から、近くに見たのは初めてでもあり、とても新鮮でかつ感動しました。

記 録

 いろんな報告を読み、是非行きたかった、世界遺産の合掌村白川郷を登山口にする猿ケ馬場山。天気とメンバーにも恵まれ素晴らしい山スキー山行が実施できました。

 前日20時30分にJR米原駅を出発し東海北陸道荘川IC経由で白川郷へ向かう。1月末に日照岳に行ったときに比べ国道156号は路面に雪もなく順調に走り23時過ぎに白川村道の駅に到着。テントの中で小宴会後、車とテントに別れて就寝。明日晴れたらいいな。

 朝、道の駅から萩町八幡神社裏へ移動し、シールを付けて7:25出発。白川村のHPで積雪1mと書いていたとおり十分な雪でその上に新雪がうっすらと積もっている。林道を進み、680mあたりの赤布に導かれて林道をはずれ、尾根を登っていく。途中の杉の植林帯はちょっと登りに苦労するも1,000m地点で再度ブナ林にかわって、すぐに1,060mで上部の林道に出た。9:30でほぼ予定通りに登ってきた。ここから林道を少し進んで、丁度帰雲山が遠く前方に見える辺りで右手の尾根へ楽に取り付けるところがあって、ここで林道と別れ1,178m地点を左から巻くように登っていく。

 気持ちのいいブナ林の登りである。新雪が木々の枝に積もりとっても感じがいい。4日前に雪のない雨の伊吹山に行っただけに余計その素晴らしさが心にしみる。1,528m地点を左から巻いて雪原に出ると、どうも大型動物の新しい足跡が。兎でも、カモシカでもなく、熊のような気もするが、けど今は冬眠中のはずでは?ちょっと、不安を抱えつつ、次に帰雲山も同様に左を巻いていく。帰雲山の東の鞍部に12:15着。なんとか猿のピークまで行けそうである。しかし、ここからがしんどかった。疲れが溜まってきた上に、気温も上がってきたためシールに雪がくっつき苦労する。ペースダウン。ゆっくりと歩を進め、針葉樹にかわった斜面を登っていくと大きな樹氷が点在するだだっ広い山頂部に出た。その東端が猿ケ馬場のピークである。13:45到着。期待通り、いやそれ以上の360°の展望が待っていた。真っ白に厚く雪を被った白山連峰はもとより、剣から槍・穂高、乗鞍、御岳まで。ビールがとてもうまい。こんなにおいしいのも久しぶり。

 14:30出発。途中でツボ足の5人組に出会う。帰雲山にテントを張ったということで、明日も天気が持つことを祈る。コースの大半が北向きの斜面のせいか、天気の割にはいい具合のパウダーが残っていてくれた。上部の林道に出会う地点あたりまで樹林を縫って今季一番の滑降が楽しめ、自然に声も出てくる。林道から集落までは登りの杉の植林帯を嫌って尾根左手の広いぶな林を滑り、最後3つ程度堰堤を越え、林道に戻り、17:28神社裏の車に滑りついた。
 滋賀への帰路は予想通り東海北陸道が奥美濃のスキー場帰りの車で渋滞となり、JR米原駅に9:45分到着した。
 猿ケ馬場山は、標高差1,360mでかつ行程片道約9kmという、健脚向きではありますが、噂どおりのとってもいいコースでした。

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