乙妻山(2,318m)

その2 北東斜面再訪!感激倍増!

乙妻北東斜面。

 でっかくて長い斜面に、自由気ままにパウダーを楽しむ至福の時を提供してくれました。
 乙妻山北東斜面、何度も行きたくなる素晴らしい山スキーコースです。

日 時:2005年3月19日(土)  天 候:雪後晴れ
メンバー:やまもりさん、たかはし
コースタイム:大橋6:10−佐渡山南鞍部8:26/38−北東斜面鞍部9:45/55−稜線12:50/56−頂上13:15/13:50−北東斜面出合14:40/15:10−鞍部16:21−大橋17:06

北東斜面上部。気持ちも高まります。

北東斜面上部のダケカンバ 青い空と白い雪と、カンバと、幸せと。

ピークからの展望

白馬三山 中央に白馬岳 頂上稜線の反対側に高妻山

さあ、痛快、パウダーラン!

こんな、パウダーに出会えるなんて。 快適に飛ばしていきます。

もう一丁!行きましょうか。

まっさらの新雪に、自由にシュプールを! 舞い上がれ!雪煙よ。

北東斜面出合から佐渡山鞍部へ。氷沢川源流部。

氷沢川源流部。キングギドラの木 佐渡山鞍部へ

【記録】

 前回が素晴らしく、2年ぶりに訪れた乙妻山北東斜面。前回を上回るパウダーに恵まれ、感動の山行となりました。
出だしはつまづきっぱなし。まず、米原を21時過ぎに出発したものの、愛・地球博に伴う名神高速改良工事が延び、小牧JCまで渋滞4時間ということで、急遽、北陸道経由の大回りで大橋に1時40分着。時間と高速代が痛い!しんしんと雪が降る中、軽く飲んで就寝。翌朝、車には新雪10cm。これは期待どおりパウダーが楽しめそうです。到着時には3台だった車が朝は増えていたが、みんなのんびりしてます。テント泊かなぁ。
 「お先に!」って、単独行の人に声かけて、新雪の中を進んでいきますが、ここで、また、つまづく。林道を早く左折しすぎて、すぐに行き止まり。一旦戻りもとの林道をさらに進んで、黒姫方面への「登山道→」の標識がある分岐を標識とは反対に左折し、佐渡山鞍部へに続く尾根を目指しますが、如何せんまだ、小雪が降り視界も不良。尾根への取り付きがわからず、うろうろ。前回のあいまいな記憶に頼り、タイムロスしてしまいました。なんとか尾根に取り付き、結局、この登りでは「お先に!」ってボクたちが声を掛けた単独行の人のラッセルのお世話になってしまいました。なんか、先が思いやられます。

 ブナの細い尾根を少し登り斜度が緩くなったあたりで左にトラバースすると、佐渡山の鞍部に到着。ここで、シールを外して佐渡山をトラバースしながら氷沢川源流の右岸をできるだけ滑って進みます。行く手の右岸が沢に急に落ち込むあたりで沢に下ってシールを貼り、あとは沢の中を数度ほどスノーブリッジ(これは時期が遅くなると割れる恐れがありますので、沢に下ったところで、すぐに左岸に渡った方がいいかもしれません。)を渡りながらのんびり進み、北東斜面出合の少し手前で左岸の林道に登ってガレ場の下を通って、出合いに到着。ようやく、本当の北東斜面登山口に着きました。計画より1時間遅れ。ピーク到達は微妙になってきた感じです。先ほどの単独行の人は鞍部から少し滑って氷沢川源流を左岸に渡り、そのままずっと出合までこられたようで、ボクたちとほとんど同時に出合に着きました。

 北東斜面へラッセルしながら、まずは緩やかに登っていきます。大阪からこられた単独行の人と交代しながら進み、いよいよ大斜面が目の前に拡がってきます。まだ、ピークはガスがかかっているものの、雪も止み天気は予報どおり回復傾向。斜度が増してくると、ボクがずっと先頭になってラッセルを楽しませていただきました。ごちそう様です。ラッセルもせいぜい膝下で、佐渡山の登りで雪がべったり着いたシールもワックスを塗ったせいもあって快調で、さらには青空ものぞき始めて気持ちも高まり、もう、もらった!って感じになってきました。雪も飛ばされ堅い斜面を登ると、乙妻山と高妻山との鞍部の稜線に到着です。13時前であり、頂上までクトーをつけて進み、ようやく出発から7時間もかかりピークに着きました。

 待っていたのは北アルプスのビッグな展望。近くには大きく白馬三山が、遠くには尖峰槍ケ岳から穂高の吊尾根まで一望です。昨年、一昨年と山スキーを楽しんだ焼山と火打山の雲はとれませんでしたが、まだ行ったことのない大渚山、雨飾山から金山の白い峰が輝いています。目を転じると、目の前には高妻山が聳え、戸隠連山がギザギザに尖がっています。遠くには野沢温泉〜志賀高原などの信越のスキー場の白いゲレンデが拡がっています。でも、この乙妻の大斜面には絶対かないません!時間がないのと、帰りの佐渡山鞍部への登り返しもあって、今日はビールは止めときましょう。

 さあ、シールを外してまずは稜線を鞍部まで慎重に滑り、鞍部から最初のカリカリ斜面をこなした後、いよいよパウダー大斜面へ突っ込みます。どこまでも長く、広く、感激のパウダーランです。前回モナカ状に変わった下部の斜面も、相変わらず泣かせてくれるパウダー斜面。ダケカンバ等の木立や適度に斜度の変化のある斜面が喜ばせてくれます。何度も立ち止まり写真や携帯で動画を撮りながら、降雪直後の絶好の条件になったボクたちの幸せを思うと、日頃の行いの大切さを…(冗談です。)。滑りの途中で、おそらくテント泊と思われる空身の2人パーティーに出会っただけで、単独行の人も斜面の途中から滑り、結局、この日、日帰りでピークまで往復したのはボクたちだけのようでした。

 出合までいくつかの設営されたテントを眺めながら、緩くなった斜面の木々をかわして、新雪を滑ります。ここで、大休止。鞍部への登り返しへ気合を入れ直して出発です。帰りは氷沢川左岸を戻ってみます。林道を進み、沢に急に落ち込むところを少し高まいて、その後は静かな源流部をのんびり行きます。空が一段と青く、紺色に変わり、雪の白と原生林とで素晴らしい光景です。本日の多くのパーティーはこの左岸コースを往路にとったようです。右岸コースと比べると、小さなアップダウンがあり、往路は途中までは左岸コースがいいようです。鞍部へちょっと登ると、ここにもテントが。東京からの女性がのんびりとスキーで足慣らしをしておられました。

 鞍部からは、多くの登行者と何人かが滑った後の雪が固まって極めて滑りにくい尾根の斜面を慎重に下って、多くの登りのトレースに従って滑ると、尾根から左手の沢伝いに滑り、スノーブリッジを渡って少し樹林の中を抜けると見事に林道に出ました。朝、とったコースはほぼ正解で、沢に出くわしたので引き返しましたが、もう少し沢の右手を登るとスノーブリッジがあったのでした。残念。あとは、カリカリの高速林道をぶっ飛ばして大橋へ向かいました。


その1 初めての乙妻山北東斜面 感激! 

日 時:2003年3月22日(土)  天 候:曇
メンバー:みやけさん、たかはし
コースタイム6:04大橋(戸隠高原)−7:25佐渡山南鞍部−8:06/27乙妻山北東斜面出合−10:29稜線−10:46/11:40乙妻山−12:15/27北東斜面出合−13:25佐渡山南鞍部−14:14大橋

佐渡山南鞍部へ向かう

 前方右が佐渡山南の鞍部。林道からいよいよ鞍部に向け、前方の白く見える尾根を登っていきます。

氷沢源頭部

 とっても感じのいい雰囲気のある氷沢の源頭部です。でもコースとりに気をつけないとアップダウンにはまります。(ちなみに写真は帰りのものです。)

妙高を望む

 高度を上げるにつれて、周囲の展望も開けてきます。ビッグなスロープを持っている三田原山の奥に妙高山が顔を出しています。

焼山(中央)、火打山(右)方面

 明日、笹倉温泉から登る予定の焼山方面です。ここから見ると近いんですが、車で、戸隠から上越経由でぐるっとまわって、糸魚川から笹倉温泉に入ります。

【記録】
 乙妻山の北東に広がる標高差約1,000mの大斜面。佐渡山南鞍部への登り返しもあり累積標高差1,500mを超えるとちょっとハードな日帰りコースです。
 2145分に伊吹を出発し、2:00に戸隠の大橋に着くと既に5、6台が駐車してあった。5時に起床し6時過ぎに出発。林道は数多く滑った跡がありテカテカとなっていた。何でこんなにたくさん入っているんだろう、と疑問だったがあとで氷解。緩やかに登っていき登山道標識のある黒姫との分岐を反対の左に折れ、しばらくで佐渡山南部鞍部への尾根にとりつく。前日までのトレースが朝の冷え込みで硬くなりシールが滑ってちょっと苦労。佐渡山南鞍部からはシールを外して氷沢源頭部に下るが、多くのトレースに導かれてスムーズに北東斜面出合まで進めた。先行者の皆さんありがとうございました。源頭部は大きなブナなどが残りとても雰囲気のいいところ。最初右岸(佐渡山西側)をずっと斜滑降で滑り、その後、川に沿って2回ほど流れを渡った後、出合の少し手前で左岸に再度スキーで渡った。出合にはテントが2張り。うち一張りは2泊3日で北東斜面を楽しむゆとりの年配グループ。ボクも数年後には、今回みたいな日帰りの2日で乙妻山と焼山を行く欲張りプランからの変更を迫られることとなるだろう。
 さて、シールを付け、ここから標高差1,000mの稜線への登りにかかる。標高1,500mあたりから前方に木々のまばらな北東斜面が視界に飛び込んでくる。評判どおりとっても綺麗ででっかい斜面。当初この登りが大変だぁと考えていたが、テント・雪洞泊の先行者に引っ張られて出合から2時間で稜線につき、頂上には10:46、予定よりかなり早く到着。この日は曇りながら少し薄日も差し、風もなく穏やかな天気。目の前には高妻山が一際格好良くそびえ、明日行く焼山や妙高、火打などなど展望も申し分なし。この日は5パーティーが登ってきた。
 ビールで祝杯の後、待望の滑降に移る。高妻との鞍部まで戻らずにピークのちょい下から急な斜面に飛び込む。次第に気持ちよいパウダーに変わってきた。期待どおりのいい雪が標高1,700m近くまで続いた。そう、こんな滑降がしてみたかったんです。長いパウダー斜面を楽しめて満足満足。でも、一体こんな山の中のいい斜面を誰が見つけたのでしょう。是非また滑ってみたい、そんな所です。北東斜面下部は残念ながらモナカ状の雪が出合まで続き足が疲れました。
 北東斜面出合で再度シールを装着。氷沢源頭を佐渡山鞍部までの登り返しは睡眠不足の体にこたえました。1時間かけてやっと鞍部に着く、シールをはがして最後の滑降となるが、この尾根もモナカや堅い雪で木をよけての滑りであんまりおもしろくない。最後は林道に沿って林の中を下り、地元業者が主催する歩くスキーツアーで大賑わいの大橋に戻った。あんまり早く戻ったので、戸隠中社までそばを食べに戻り、高速経由の予定を変更し、国道利用で焼山登山口の笹倉温泉へのんびり向かった。

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