野伏ヶ岳(1,674m)−北面と東面で遊ぶ

日 時:2004年1月18日(日)  天候:快晴
メンバー:みやけさん、たかはし
コースタイム:白山中居神社7:07−和田牧場跡8:20/35−(ダイレクト尾根経由)−野伏ヶ岳山頂10:12/11:00−(北面滑降)−野伏北面標高1,390m辺り−山頂12:10/50−(東面滑降)−和田牧場13:45/57−中居神社14:20
2万5千図:石徹白、二ノ峰、願教寺山、下山

和田牧場から野伏

 いつ見てもきれいな山です。
今回は、野伏ヶ岳北東尾根(右手のスカイライン)の裏手になる北面を滑降してピークへ登り返し、その後、北東尾根とダイレクト尾根(ピークから左下に伸びる尾根)に挟まれた写真正面の沢を滑降しました。
小白山北峰

 ダイレクト尾根の登りからは、野伏平の向こうに小白山が白く輝いています。いままで「ショウハクサン」と呼んでましたが、大きな間違いで「オジロヤマ」でした。
 是非、行ってみたい山です。あの裏には「俵谷」というよさそうな谷があるそうな。
ピークまであと少し

 とても1月とは思えない陽気となって大汗をかきながら、ほぼ3時間でピークに到着しました。
白山連峰

 山頂からの一番の眺めは、真っ白な白山連峰ですね。
昨シーズン行った白山〜白山釈迦岳のコースの一部や、石徹白周回コースが望め、あの時の感動がよみがえります。
遠くに伊吹山(中央最奥)

 南西方向に目を転じると、小白山南峰の右手遠くに、ボクの裏山の「伊吹山」がデンといました。
野伏北面の滑降@
 
 今回は時間的余裕もあり、ダイレクト尾根と北東尾根との分岐あたりから、北面にいい雪を求めて滑降しました。
野伏北面の滑降A

 ハンドテストの後、写真上の樹林辺りから下の沢に飛び込みました。
深雪ではなかったですが、とっても良かったです。
野伏東面の滑降@

 再度、ピークを踏んだ後、いよいよダイレクト尾根と北東尾根の分岐辺りから東面の沢に飛び込みました。
 相棒のみーさんの華麗な滑りをご覧あれ。
野伏東面の滑降A

 この陽気でもあり、さらさらパウダーとはいかないが、雪煙を舞い上げて滑降していきます。
野伏東面の滑降B

 中間部辺りです。まだまだ楽しめます。
標高1,100m辺りまで、思い存分滑らせていただきました。ごちそうさまでした。  
野伏東面のアップです。

 左右の尾根が合流する辺りから飛び込み、日陰となって良さそうな雪を求めながら、滑り降りました。
 この斜面、今回は条件に恵まれましたが、降雪直後など雪崩には十分な警戒が必要ですね。


【記録】

 本当は、先週に行く予定だったのですが、雪不足という情報もあり直前にキャンセルしたここ「野伏ヶ岳」。先日の寒波で山は厚く雪をまとってくれました。
 伊吹から登山口の石徹白の白山中居神社まで2時間あまりで到着。空にはたくさんの星が輝いており、期待に胸膨らませ、バーボンもすすみます。駐車場に着いた時、車はボクたちの1台だけでしたが、4時ごろトイレに行くと、既に出発しようとしている人が一人おられました。
 ボクらは7時過ぎに出発。おぉ、遠くに野伏の真っ白な頂きが聳えているのが見えます。石徹白川にかかる橋からいよいよ長い林道のシール登行の始まりです。前日の土曜日に数名入山者があったようで、そのトレースを利用させてもらい、途中、2箇所ほどショートカットし、1時間15分ほどで和田牧場に到着。見事に晴れわたり、真正面には端正な野伏の雄姿、北にはツンと尖がる白い別山をはじめ石徹白の峰々がぐるっと取り囲んでいます。静寂の台地だなぁ…、「ピンポーン、本日はご来場いただき…」、おいおい、イトシロシャーロットタウンスキー場の場内放送が耳障りですね。

 左手の小山にそって進んだあと、ダイレクト尾根の末端まで回りこまずに、林道が大きく左にカーブするあたりからジグをきって登っていき尾根にでました。左には、野伏平を挟んで小白山がこれまた白く、そして東面においしそうな斜面を伸ばして聳えています。2月にここで県連の山スキー講習会があるので、行きたいなぁ。
 暑い。汗が流れます。ほんとに1月?、というような陽気で、首に巻いたタオルで汗をぬぐいながらのシール登行です。10:00にダイレクト尾根と北東尾根が合流する地点に上りあがって、左側に雪庇の発達した尾根を少し行くと頂上です。10:12着。神社から3時間と少し、予想以上に早く着きました。
 頂上からの展望は申し分なし。東を望むと、大日岳の奥には御岳、芦倉岳の右手奥には乗鞍、左手奥には槍・穂高連峰、そして、丸山の左手奥には白い尖峰が、剣かな。北に聳える白山、別山の美しさはいつ見ても感動もの。ぐるっと、左に目をやると、大長、赤兎、経ヶ岳から荒島の越前の山々。おぉ、そして、小白山南峰の左手最奥には、ボクの裏山である「伊吹山」がデンといるではありませんか。ほとんど風もない山頂で、紅茶(ビールは一回登り返してからのお楽しみ)を飲みながら、ゆっくり眺望を楽しみました。

 さて、まず、北面の滑降に行きましょう。北東尾根にちょっと滑った後、尾根の左手へ滑り込みます。ここでスコップを使って雪を掘り、ハンドテストで「大丈夫でしょう」ということになったので、下の沢に滑り込みました。北面の沢はきっとディープパウダーだっ…、ではなく、意外にもやや固めの雪でしたが、無茶楽しかったです。1,390mあたりまで滑って、シールを貼って登り返しましょう。野伏〜薙刃への稜線に上がり、再度野伏ピークを目指します。約40分のシール登行でした。単独行の山スキーヤーがおられて、結局、この日、山で出合ったのはこの人、一人だけで、別に、ダイレクト尾根下部にシュプールが一本残ってました。
 今度こそ、シュポッとビールを開けます。グビグビとやってしまいました。まったく、極楽、極楽です。
 さて、気合を入れなおし、条件もいいようなので、東面の沢に飛び込みます。相棒のみーさんが雪煙を舞い上げ華麗な滑りを披露します。この陽気でもあり、フカフカパウダーとまではいきませんでしたが、十分満足させてくれる雪でした。写真を取り合いながら標高差500mを堪能しました。これまでの過去2回はダイレクト尾根を滑って下りましたが、いかんせん日が良くあたる斜面なのですぐにグサグサの雪に変質し、快適とまではいきませんでした。それに比べてこの斜面の素晴らしさったら。でも、今回は幸い、条件が良かったものの、雪崩には十分な警戒が必要ですね。
 平坦な(やや登りの部分も多い)林道をストックでこいで進み(これが結構しんどかったです)、和田牧場に着いた後も、滑ってきた斜面を振り返り、「よかったね。」とお互いにうなづきます。名残惜しかったですが、東海北陸道を大渋滞する前に通過したかったので、林道を極めて単調に滑り降り、14:20中居神社に帰ってきました。振り返ると、遠くに野伏の頂が白く輝いていました。

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