山スキー報告
越中 仁王山(1,516.6m)

素晴らしい斜面+新雪−(一部波打つ斜面+展望なし)=でも十分満足

ガスの中、標高1,300mで

 かねてから、ここはいい!と聞いていた仁王山に行ってきました。そのとおり、以前に切り開かれたゲレンデのような斜面やブナの斜面など上等の山スキー向きのコースを提供してくれます。
 この日は、前夜からの降雪というプラス面と上部斜面が風のせいか、波うちぎみで滑りにくかったマイナス面が同居してましたが、総括するととってもいいところでした。滑り終わったら、思いがけない温泉も待っていてくれました。

日 時:2005年3月5日(土)  天 候:雪後曇り
メンバー:おばたさん、ひじかたさん、やまもりさん、いまむらさん、たかはし
コース・タイム:杉ノ平7:30−△916m9:30−仁王山12:38/13:17−杉ノ平15:30
1/25千図:利賀、白木峰

 天気予報どおり、北陸道を石川県に入ると雪模様となり、富山ICから八尾町へ、そして特に杉ノ平への細い国道472号が一台も他の車に出会わず、降り続く雪の中、長く感じられた。杉ノ平キャンプ場まで除雪してあり、その手前の真新しい温泉の匂いのする建物の軒下でテントを張らせてもらった。車の中で宴会後、2時30分就寝。

 朝起きると、新たに積雪30cm。軒下ながらテント周辺は雪に覆われておいた。早速、準備をし7:30にスキーで出発。キャンプ場から林道に入り、最初のヘアピンカーブを過ぎて少し進んだ沢状のところからブナ林に登っていきます。新雪ラッセルの辛さは帰りの滑りを考えると、何のこともない!こんな条件に恵まれたことを喜びましょう!でも、注意!3月に入り、樹林帯の中の雪も融けだし、ブナ林の周りや斜度がきついところには大きな割れ目が走っているが、新雪に隠れてわかりにくい。ズボッと落ちかけ、もがくシーンも。

 急斜面を登り切ると、2mほどの雪を屋根に被った一つ目の東屋が現れ、ここから尾根を進み、△916m地点の2つ目の東屋に9:20到着。まだ雪は小降りになったものの、ガスは晴れず、行く手の展望は開けない。ここからは細い尾根になり1,050mまでいくと、ここからは木も本当にまばらな白いゲレンデにかわる。これは素晴らしい斜面が続いています。
 ただ、新雪の状態が一様ではなく、木もなく風の影響をまともに受けてか、雪の積もり方が横に波うち、たっぷり新雪ラッセルで「あぁ、えら!」と唸ったとたんに、今度は以前の堅い斜面が出て余り沈まない、深くえぐれ溝になっているなど、極めて不規則。これは予想外。
 膝下までのラッセルもなかなか楽しむ機会もないと、皆が交代して先行を行きます。

2つ目の東屋(右手の下)が雪に埋もれる ガスの中の登行

地図上の1,430mのちっちゃな小ピークから最後の登りにかかると、あと一息でピークです。ここで、後から単独行のテレマーカーがこられ、お話をしたら地元富山の方でした。「富山の雪はあまり良くないなぁ、やっぱり信州ですね。」とおっしゃいましたが、ボクら関西の者からですと、前回の金剛堂山といい、十分です。
 そして、全く展望のない仁王山ピークに5時間かかって到着しました。本当はここから、標高差150m下って、白木峰(1,596m)を目指す予定でしたが、この条件では無理。次回に期待しましょう。下山後、地元のおじさんに温泉で聞いた話では、白木峰はとっても展望がよく是非行ってみたらいい、と教えてもらい、天気のいい日に目指しましょう。
 ビールで乾杯の後、先に滑られたテレマーカーの後を追って、さあ、僕らも行こう!

ようやく現れた快適斜面を滑る

 最初のうちは緩斜面にあまり滑らず、また、視界が悪い中、溝状にえぐられた部分がいきなり現れる不規則斜面にもて遊ばれながらも、たまらんなぁ、何とかならんかなぁ、言いながらも下ると、1,200mあたりからも快適パウダー斜面も登場してくれて、盛り上がってきました。そうこなくっちゃ!
 途中、南西に真っ白に広がる沢状の斜面が下に続き、地図ではその先には林道があるはずで、誘惑されそうになります。でも、よく見ると無数の雪崩防止柵が雪の下に隠れています。これは危険、止めとこ、もとのコースを戻りましょう。(これも後で温泉のおじさんに聞くと、この沢で過去に大規模な雪崩が何回かあったという危険な場所だそうです。)

 最初の東屋から下は、樹間の広いブナ林がキャンプ場まで続いてます。ここが良かった。新雪を蹴散らし、突然現れる雪が融けてできた大きな段差からのジャンプも新雪に助けられ、結構スリリングで楽しい。(本当は雪が融け出す前の1月〜2月に行くのが安心して滑降できそうです。)

ブナ樹林帯の滑降!

それぞれが思いのまま自然の中にシュプールを描
いていきます。
今回、この間の滑降が一番楽しかったです。

 ブナ林から林道に出てそのままキャンプ場へ真っ直ぐ滑りおり、標高差約1000m弱の山スキーに満足しました。
そして、朝はシールで歩いた道は除雪され、スキーを担いで車に戻ると、そこはこの4月オープン前の温泉施設でした。試験的にお湯を入れておられるようで、おじさんから、入ってき、と言われ有難く、汗を流させていただきました。

 地図に名前もない仁王山(におうざん)ですが、前評判どおりのとってもいい山でした。そらぁ、欲を言ったらきりありませんが、雪の状態が最初から良かったら、白木峰まで行けたら、展望が良かったら、と思うと、少し残念ではありますが、十分満足できる今回の山行でした。もう少し早く行ったほうがいいかもしれませんね。


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