MTB山行

美濃 鍋倉山(1,049.9m)

−落葉の東海自然歩道をゆく−

すっかり落葉した歩道を行く

 伊吹山系でもちょっと裏っ側(滋賀から言うとですが)へ足を伸ばし、岐阜県春日村鍋倉山にMTBをもって行きました。
 ここは地形図を見るとそんなに傾斜もなく、東海自然歩道が通っていることから整備もされていそうということで、楽チンかなと決めました。
 鮮やかな黄色のシロモジなどの紅葉やミズナラ、ブナなどの落葉の道は素晴らしく、また、山頂部はガスに包まれた幻想的な光景をたった一人喜んでました。
 道は確かにきちっと整備されていましたが、人工的作られた歩道にはどこでもある丸太の階段に少しうんざりでした。早く朽ちて自然の中に溶け込んでほしいなぁ。
 

日 時:2003年11月27日 天 候:曇時々小雨
メンバー:単独
コース・タイム:春日もりもり村8:54−(高橋谷林道)−谷山9:23−稜線(外津波分岐)10:11−避難小屋10:50−山頂10:54/11:00−避難小屋11:11−外津波分岐11:40−谷山−もりもり村12:40
2万5千図:美束、横山

高橋谷の林道を登っていく

 かすがもりもり村に車を止めさせてもらい、いざ出発。ここは標高120mほどで山頂まで標高差は900mちょっと、距離は途中の谷山まで4.4km、鍋倉山へは9.1kmとありました。歩いて3時間30分ほどなので、MTB利用なら2時間くらいでしょうか。
 国道を横断し、高橋谷に沿った林道をMTBをこいで登っていきます。道幅は車一台程度で、コンクリート舗装が大方されてますが、上ケ流からの林道が合流する手前は部分的に未舗装となってます。景色はとっても素晴らしいです。高橋谷川の清流と河原の巨岩、そして木々の紅葉、これらを若干うつむき加減で楽しみながら、ペダルをこぎます。
 上ケ流からの林道(ここは通行止めです)と合流すると、立派なアスファルト舗装道に様変わり。岐阜は山奥の林道でも突然舗装されていて驚くことが多いなぁ。今日は平日でもあり、車一台(もちろん自転車も)通らない静かな林道を頑張ります。
 出発から30分ほどで昭和41年に廃村となった谷山の集落跡に着きました。ここは「イイクニ作ろう鎌倉幕府」成立の2年前、1190年(建久元年)ころ、、とち、けやき、むく、ぶな、あかまつ等、御器、椀、盆などの原料としての良材に恵まれ、近江の国の君が畑(現:永源寺町)から木地師の小椋氏が住み始めたそうです。
 鍋倉へあと、5.6kmの表示。自然歩道だけあって距離表示はばっちりです。

 昭和41年離村なのに、まだ新しそうな集会所もある谷山集落跡を抜け、林道をさらにゆっくりとMTBで登っていきます。川沿いの道をいくと、ところどころに石垣が残り、そこには既に植林された杉が真っ直ぐに伸びていました。集落跡から約1kmで林道も終わり山道に入って、外津波への道を右に分け、山を左からまいていきます。この東海自然歩道は、しっかりした道でこのときも一部で改修中もされていました。

 再度、植林された石垣の段々の中をコンクリートの苔むした道が通るという変わったところにでます。これは、集中豪雨による災害復旧のときの名残だとか。
 ここから、一つ苔に覆われた橋を渡り、もう一つ新設中の橋の横にある丸太の仮橋を渡ると、いよいよジグザグに登りにかかっていきます。歩道一面に落ち葉が積もり、とってもいい感じです。シロモジの黄色い葉がとてもきれいです。
 谷山から2.6km進むと、外津波への分岐表示がある稜線につきます。山頂へは2.9kmで、ここからは稜線上を行きます。

   シロモジの黄色がきれいな歩道 イチイの大木の残る稜線に到着。

 稜線からも、これまでと同様に緩やか緩やかに登っていきます。この道は登山道ではなく、(東海自然)歩道ですからそれも当然ですか。稜線は直登してもそれほど傾斜もないのに、わざわざジグザグに山腹を削り、幅のある歩道がしっかりと作られています。そこまでしなくても…。

避難小屋までもう少し 鍋倉山の山頂

 標高が1,000mを越えてくると、小雨が降ってきました。辺りは真っ白なガスに包まれ、いい雰囲気を醸し出してきました。頂上手前1kmくらいからはMTB乗車可能です。一旦下って少し上り返すと、立派な避難小屋に着き、さらに再度下って、ブナも現われてきた道を乗って進み、最後に石段を少し担いで登ると、鍋倉山頂上に到着しました。

鍋倉山避難小屋

 山頂手前にある避難小屋です。小屋の前はちょっとした広場になっていて、木のベンチやテーブルも置いてました。
 小屋の中も綺麗で、寝具とお酒が少々あれば快適な夜を約束してくれそうです。また、小屋の少し手前の歩道から左に分岐し50mのところに水場があるという表示がありましたが、小屋のメモには涸れる時もあると書いてましたので、ご注意を。

 小雨でもあり、山頂での休憩もほどほどに、さあ、MTBのライディングです。今日は雨に濡れた石や木の階段が滑るので注意注意。山頂直下の石段を下りると避難小屋を経て稜線のアップダウンを楽しみます。この辺はいいですねぇ。南から東南に向きを変え、尾根の下りにかかると時々現われる、ちょっと急な木の階段では何回かMTBから降りるのがうっとうしいですが、できるだけ端っこを通ってMTBを楽しみます。
 標高も下がってくると雨もあがり道も乾いて、快適になってきました。登山道から林道に入り、谷山の集落跡を経て、高橋谷川沿いの林道を、行きと違って今度は、周囲の紅葉を、顔を上げて十分に満喫しながら時間をかけて下っていき、もりもり村に戻ってきました。


 このコース、予想どおり十分楽しめました。谷山集落跡まで林道を車で行けなくもないですが、MTB利用ならやっぱりもりもり村から渓谷美を楽しみながら山頂を目指し頑張りましょう。そして、帰りはお楽しみのライディング。晴れていたら頂上からのコースは、MTBの喜びを堪能できるでしょう。この山は春日村長者平からも1時間ほどで登れるようですが、このコースはいいですねぇ。
 このあと、もりもり村の薬草風呂か池田温泉につかるのが決められた(?)コースかもしれませんが、もうちょい、時間と元気がある人は、ボクと一緒に、MTBで池田山でも登りましょうか。

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