毛勝山(2,414m)阿部木谷−北面滑降付き その1
−やっぱり締めはこの山で−

快晴の日 剣岳、猫又山、釜谷山を背景に

 05シーズンの最後も毛勝へ。
「文句ございません。」の天候にも恵まれ、大満足のクロージングとなりました。
 この天候、絶景、斜面、そしてコゴミ、コシノコバイモ、北山鉱泉、とろ一 全部がOKでした。

日 時:2005年5月21日(土)   天 候:晴れ
メンバー:やまもりさん、たかはし
コース・タイム:5:09林道780m地点−5:55最終堰堤−6:35大明神沢出合−7:26二又−10:18稜線−10:34/11:48毛勝山頂上−(北面滑降)−12:00/12:09標高2,100m地点−12:55/14:07毛勝山頂−(阿部木谷滑降)−15:25最終堰堤−(コゴミ採集、コシノコバイモ・マンサク撮影他)−16:42林道780m地点

 車は昨年と全く同じ所にまで入れて、12:45就寝。
どうも最近、登りで疲れやすいなぁ、と感じていたんですが、鉄欠乏症でした。正常値の7割程度ということで、これが原因らしい。明日も標高差1,600m余りの登り、果たしてパートナーのやまもりさんについて行けるかどうか、不安を感じながら眠りにつきました。
 ほぼ予定通り、前回同様に5時過ぎに出発。やはり、今年の雪は多く、林道が雪でかなり覆われています。最終堰堤からスキーをはいてシール登行に切り替えます。ここからはべったりと雪が残っており、今シーズンの毛勝はまだまだ楽しめそうです。
 毛勝山頂がわずかに望める大明神沢出合いで一本入れていると、谷に小鳥の鳴き声が響き渡っています。4種類程度の様々な鳴き声が静寂の谷にこだまし、こころなごませてくれます。さあ、気合を入れ直して、あと、標高差1,200m頑張りましょう。斜面は昨年よりデブリで荒れてはいますがスキーにはそれほど支障はない範囲です。

  もうすぐ二又 雪面が結構波打つ 毛勝本谷を左にわけ、このボーサマ谷を登る


 二又で昨年より20分遅れ、やっぱり遅れてきました。ここからいよいよ急斜面になるので早めにアイゼン、ピッケルに切り替えて一歩一歩登っていきますが、はあはあ、なかなかペースが上がりません。いよいよ傾斜も最大近くまで増してきたところで、スキーで登ってくる福井から来られた山スキーヤーが、「急斜面はどこですか、こんなん山スキーで直登出来ますよ」、っときました。すごい人がいるものです。ライチョウの鳴き声や飛翔する姿、青空に会える白い斜面や緑や岩の尾根の景色を楽しみながら、先を目指します。

 結局、先行の登山者に追いつくことはもちろんできず、逆にあとからの単独の人に追い抜かれて、稜線に到着。今年は雪も多く、笹をかき分けることなく、稜線に登れました。剣、御立の景色を楽しんだあと、ひと踏ん張りで山頂へ到着。
昨年よりも50分も余計に時間がかかってしまいました。

 2週間前に行った、白馬鑓ケ岳や杓子岳も正面に見え、あのときのファンタスティックな感動がよみがえって来ます。さて、ゆっくり山頂で休憩し、ビールを冷やして、やっぱり外せない北面滑降に移りましょう。いきなりの急斜面はとっても広いバーンです。小尾根から左の沢に滑り込み、標高差300mで登り返します。昨年より150mも短縮バージョンです。ところが、山頂で休んでいると、ひとりの単独スキーヤーが標高差650mくらい滑って登り返してきます、と言って先行されました。これまたすごい人だなぁ、と思っていたら、ボクのHPでリンクさせてもらっている富山のヤマタンさんでした。やっぱり、すごい体力!

 北面大斜面を滑降

 45分で登り返し、ビールを早速開け、乾杯!春の暖かい日差しにうとうとしながら、たっぷりと休憩タイム。14時過ぎに、剣をバックに記念撮影し、さぁ、今シーズン最後の滑降にGO!

剣の大展望! 阿部木谷上部のボーサマ谷を快適に滑降!

 写真を撮りながら、適度にゆるんだ快適急斜面を楽しみます。下部のデブリもそれほど気にならず、長〜い毛勝の谷を満喫しました。最終堰堤まで、滑らして、ここで今シーズン終了。
 スキーを担いで、いつものようにコゴミたくさん摘み取り、マンサクやコシノコバイモ、キクザキイチゲ、エンレイソウなど春の花たちを観賞しながら、極めてノンビリ1時間以上もかかって林道を下山し、車に戻ってきました。

 すぐに着替えて、まず北山鉱泉へ。350円でゆっくりお湯につかって体を休め、お腹も減ってきたので、国道8号線をすすんで富山の「とろ一」へ。さすがに早川さんお薦めの店。とってもおいしく、店の人も親切で、値段もボクたち相応で庶民的。家族づれの来客も多かったです。充実した今シーズンの山スキーを、見事に締めくくってくれました。


毛勝山(2,414m)阿部木谷−北面大清水谷右俣滑降付き その2

日 時:2004年5月15日(土)  天候:晴れ
メンバー:やまもりさん、みやけさん、たかはし
コース・タイム:阿部谷790m地点5:12−最終堰堤5:52−大明神沢出合6:36−三又7:14−本谷出合8:45−稜線9:30−頂上9:43/11:05−大清水右俣1,950m地点11:20/32−頂上12:50/13:40−阿部木谷最終堰堤14:32−(山菜採取等)−790m地点15:48
2万5千図:毛勝山

大明神沢出合あたりから雪渓を望む

 雪渓はこの先、右にとっても長く続いています。
毛勝山頂も遠くに望めます。でも、ここからまだ、標高差約1,200mです。
後立山連峰、鹿島槍〜五竜岳

 山頂からは後立山連峰の爺が岳から北へずっと、朝日岳まで一望できます。
山頂から見下ろす雪渓

 登ってきた雪渓を山頂から見下ろします。写真中央の左への屈曲するあたりが大明神沢出合ですね。
北面のすり鉢状斜面へ

 山頂から北面の大斜面に滑り込みます。2,200m辺りのブッシュが少し出ている小尾根の左側に滑ると、すり鉢状の斜面にかわります。
往路(ボーサマ谷)を飛ばす

 一旦山頂に登り返し、ビール休憩の後、往路のボーサマ谷に飛び込みます。既に山頂往復だけの人たちのたくさんのシュプールがついていますが、とっても滑りやすかったです。
林道で出会った花
左上は、コシノコバイモ(山頂でであった地元の人た
ちに教えてもらいました)

【記録】

 昨年に続いて今年も少雪で、もうこれが今シーズン最後となりました。4回目の毛勝山系への山スキーです。
米原に20:30に集合し、北陸道魚津IC経由し片貝川にそって林道除雪終了点790mあたりに24:00到着。まだ、先着の車は1台だけで、意外に少ないなぁ。日曜日は確実に雨模様だから、きっと、明日の土曜日は大賑わいだろうと想像していたのに。皆さん、お仕事を片付けてからだから、まだ到着されてないのかな。テントの中で小宴会のあと、深夜1:20ころ就寝。

 朝、4:00起床。準備している途中にも早く出発していくパーティーが。5:12予定より若干遅れて出発。見た感じ、まだ5月の中旬なのに例年に比べ周囲の山の雪も少ないようです。真新しい巨大な堰堤の前で川を横断し、最終堰堤には5:52到着し、ここでスキー登行に切り替えます。すぐに一箇所左手の雪渓が割れて勢いよく水流が流れていますが、通過には特に問題なく進みます。大明神沢出会いまでは所々土砂まじりのデブリもあって、きれいじゃないです。

 6:36大明神沢出合い。ナワタケ沢出合の三又手前に3人程度の先行者が見えます。ここで左に90度曲がり、2,360mの稜線まで毛勝谷、ボーサマ谷を通り長大な雪渓の中を登っていきます。今年の雪渓はデブリも少なく比較的きれいで、これは帰りの滑りが楽しみ楽しみ。ナワタケ沢出合から少し登ったところで早めにアイゼン、ピッケル登行に切り替えます。山頂近くに向かう毛勝本谷を左に分けボーサマ谷に登る辺りから傾斜もいよいよ急になりますが、雪も緩んでおり特に怖くありません。一歩一歩着実に高度を稼いでいきます。斜度も緩んでくると稜線間近となり、ここで、もう滑走に入ろうとしている人がおられました。4:30に出発した地元の方で少しお話したあと、気持ち良さそうに急斜面に飛び込んでいかれました。

 9:30 いつものようにスキーを脱ぎ、ほんの2〜3mササをかき分けると、ドーン!剣岳が右手に高く聳え、目の前には爺ケ岳、鹿島槍から北の後立連峰が並び立つ。頑張ったご褒美ですね、これは。稜線上を左へ進み、9:43に山頂到着。ここで、360度の大展望を楽しみます。大日連峰の奥にはGWに行った薬師岳も顔をのぞかせ、すぐ近くに見える毛勝三山の一角の猫又山には今日うちの労山の5人が登っています。目を左に転じると、大きく広がる富山湾の向こうには湾をグルッと取り巻くように能登半島も霞みながらも伺えます。次第に風も弱まり、穏やかな春の日を楽しんでいると、次々に山スキーヤーや登山者が登ってこられます。

 11:05 毛勝谷往復だけではもったいない。さあ、予定どおり北斜面に飛び込みましょう。毛勝最高(ボクの知る限りですが)の斜面はピークの北に広がっています。急な広い斜面を滑り出すと、すぐに雪が少し割れていたのでそれを回り込みまっさらな大きな斜面を飛ばします。そして、ブッシュの現われた標高2,200mあたりにある小尾根の左手へ向かうと、すり鉢状の楽しい斜面にかわり、標高2,100mを過ぎると、右に沢は落ちていく。シュプールのないきれいな斜面を写真を撮りながら快適な滑降を楽しみます。これまで毛勝に山スキーで来ている時は必ず一旦山頂からここに滑り込みます。もう、ここは素晴らしいですね。標高1,950mあたりから下は落石も目立ちはじめ、登り返しのことも考え、ここで滑走終了としました。さあ、ザックに板をくくりつけて、頑張りましょうか、山頂にはビールが待っています。

 うっ、突然足がつってきました。おいおい、こんな所で、やめてよ!しばらく、じっとしていると、ましになったので一歩、一歩登りはじめました。太陽に輪がかかり春の陽射しも薄い雲にやや弱められてますので、その点では恵まれましたが、約500mの登り返しは意外に時間がかかります。山頂から西北に延びる尾根上には、2人のパーティー登ってこられます。山頂で話を伺うと、東又谷から三階棚滝を経由して尾根に登ってきたそうで、既に滝は大きく割れ高巻を余儀なくされたということでした。なお、この地元の方たちは昨年末にもこの毛勝山頂にいたという、つわものさん達でした。

 12:50 2度目の山頂到着です。北斜面をちょっとだけかじって山頂に登り返したやまもりさんが見事に気を配っていただきビールが冷やしてくれていました。ありがとう!あのぉ、実はもう一本あったんですが…。でも、いいんです。クルクル速攻冷却法を活用すれば、ものの5分で飲み頃ビールが、ほら、一丁あがり!みんなで乾杯し、のんびりと春山を満喫しました。

 13:40 そろそろ出発しましょうか。一旦鞍部まで滑り、ササを分けてボーサマ谷最上部に出ます。多くのスキーヤーが滑ったシュプールがあります。雪も緩み斜度も気になりません。スピードの出過ぎなどに気をつけて、一気に滑っていきます。落石もさほど気にならない程度で、楽しく、とっても滑り応えのある長い斜面です。途中で、6人程度のテレマークの集団の滑りに見とれ、一度は講習を受けてみたいなぁ、という気にもなってきました。でも、山で出会うテレマーカーはみんな滑りが上手ですね。大明神沢出合からまでは今シーズンを最後を締めくくるに相応しい快適スキーでした。出合からは木の枝や落石などを避けながら、最終堰堤に14:32到着。ここでスキーを外し、車まで林道を下りますが、ここからもまだ楽しみます。途中で、コゴミ(くせのない味は家でも好評)を採取したり、陽気に誘われて咲きだしたキクザキイチゲや初めて見たコシノコバイモなどの可憐な花たちを楽しみ、そして何と春のきのこ採取も交えながら、のんびり林道歩きを楽しみました。15:48 出発地点に帰ってきました。お陰さまで、満足度一杯の毛勝山行、そして、今シーズンの山スキーは無事終了しました。


の3 毛勝山(2,414m) 阿部木谷と北斜面

日 時:2001年5月20日(日)  天候:晴れ
メンバー:ひらたさん、ばばくん、みやけさん、たかはし

コース・タイム:林道終点5:10−最終堰堤5:57−大明神沢出合6:27/46−稜線9:19−毛勝山頂9:26/10:06−毛勝北面1,950m地点10:15/30−毛勝山頂11:43/12:55−最終堰堤13:53−出発地点14:40

 すっかり、メジャーになった山スキーの毛勝。前夜着いた片貝山荘あたりは車で一杯で、さらに、できるだけ車を進め、標高790mあたりで車中およびテント泊。
 夜が明けると昨年5月末より明らかに雪は少ないが、最終堰堤からはしっかり残っている。大明神沢を分けて阿部木谷を進む。途中、1,500m辺りの猛烈デブリでカモシカがお陀仏になっていた。いよいよ斜度が増してくると、つぼ足に切り替える。ピッケル、アイゼンしっかりつけて、一歩一歩上る。
 最終堰堤から稜線まで標高差1300m余りのこの雪渓規模はすばらしい。ただ、有名な白馬に比べ斜度がきついので、注意が必要。

 稜線に着くと、今回も剣の大展望が待っていてくれた。今年のGW連休に行った、池の平から小黒部谷に続く斜面もわずかに確認できる。稜線を進むと、程なく山頂に到着。
 しばらく休憩の後、さあ、北斜面に滑り込むぞ、と滑走準備にかかる。お楽しみの北斜面。出だしはそこそこ斜度はあるが広く楽しい。全く荒れてなくとても滑りやすい。標高差約500mを気持ちよく滑る。このまま東又谷に下りるコースもあるが、今日は再度登り返します。

 約1時間と少しで山頂に登り返す。毛勝には山頂から北に、東にと斜面が用意されており山頂往復だけではもったいないです。山頂でビールを飲みながら春山満喫の後、登ってきた毛勝谷に滑り込みます。斜度はありますが、適度に雪も緩みとても滑りやすかった。それぞれみんなが日本屈指の雪渓滑降を楽しみ、あっという間に最終堰堤に着きました。

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