山スキー報告
唐松岳(2,696m):唐松沢
−強風の稜線から、堅く急斜の唐松沢へ−

唐松沢を滑降(前日金山沢から)

 唐松岳頂上手前の烈風に当初予定のdルンゼ滑降(青線)を潔く?断念し空身でピーク往復後、八方尾根への稜線を少し戻ったところからドロップイン(赤線)。
 昨日の金山沢は雪も緩み快適でしたが、今日の唐松沢は固かった、そして急でした。

日 時:2005年4月17日(日)  天 候:晴れのち曇
メンバー:山スキーネット7名 唐松沢コース:ひじかたさん、たかはし 無名沢+ガラガラ沢コース:やまもりさん、たなかさん、おばたさん、ほんださん、むらたさん
コース・タイム:八方池山荘9:00−丸山ケルン11:05/20−唐松岳12:20−ドロップポイント13:20−南滝高巻14:18−二股15:25

 前日、金山沢滑走終了後、大町まで戻って焼肉(SOULだったか)食べて、木崎湖温泉につかって、八方の温泉駐車場で大満足の中、今日は昨日よりもっと天気はいいはずと安心してテント泊。
 ところが、朝起きると、突風が駐車場の砂埃を巻き上げています。ゴンドラ乗り場に行くと、強風のためしばらく運転を見合わせるというアナウンス。そして、ガシャーン!ゴンドラ乗り場のガラスドアが突風で強く開いてひどく割れてしまった。幸い、金網入りのガラスだったので、小さい破片は乗り場内部へ飛散したが、けが人もなく済んでよかった。
 あぁーあ、今日は朝から温泉につかって帰るのかなぁ。と、いう思いが頭をよぎる中、ようやくゴンドラ運転開始のコール。兎平のリフトもすぐに動き、最後のリフトも10分ほど待つと、ボクたちを八方池山荘まで運んでくれました。もう既に、ここは標高1,830mで唐松岳ピークまで標高差約900m弱。今日もアルバイトは少なくて助かります。見上げると稜線上の雪は切れている所があるので、ひじかたさんとスキーを担いで登りかけて、ガラガラ沢などを目指すメンバーと二股15時集合と約束し、ここで別れました。

 丸山ケルンまでは順調でしたが、そこでアイゼンを付け進んだ先は風も強くなり耐風姿勢の連発で、時間が過ぎていきます。(いい休憩にはなるんですが。)尾根上からは目指すべき唐松沢dルンゼも見え、シュプールらしきものが伺えますが、天気は雲がだんだん厚くなり、風も強く、大丈夫かなぁと、気持ちが揺らいできます。ロープの張ってある細い尾根を通過すると、北アルプスの主稜線に到達。ここからさらに猛烈な風に翻弄される。結局、山頂を越えたところにあるdルンゼからの滑降を諦め、手前の鞍部でザックを降ろして、空身で山頂へ。

とりあえず、五竜岳バックに記念撮影

 山頂で、予定していたdルンゼを観察し昨日だったら行けたのになぁ、と思いながらも、また次回と気持ちを切り替え折角だからと、スキーでなくピッケル持って記念撮影後、鞍部へ下る。再度ザックを背負って、八方への稜線をロープが張ってある地点の先まで戻ると、何とここまでシールで登ってこられた愛知の単独行の方に遭遇。先週も唐松沢に来たと言われるすごいこの人はここでシールを外し、滑走準備をしてもう少し上から滑るとスキーを担いで登られた。
 そこから下を覗き込むと、シュプールの跡もあり、40度くらいの斜面がずっと下まで続いているが、どうやら大丈夫そうである。八方尾根へ稜線伝いに滑るのはあまり面白くないことは容易に想像できたので、ここを滑ろうと決めた。

山頂から望む、今回稜線から滑った斜面

 さあ、稜線でスキーを装着し、斜面に滑り込みます。と、意外に固い。昨日と全然違うが、これも山スキー楽しさ?。慎重にターンをしながら下るが、一部氷化しているような所もあり、横滑りも活用して下る。唐松沢本谷と合流するところでようやく一息つけ、見上げた斜面にもう少し雪がよかったらと残念に思いながらも、下方に長く続く沢に期待しましょう。

もうすぐ唐松沢本谷合流点 中央がdルンゼ、山頂をはさみ、左が本谷

中央部のデブリを避けつつ、概ね沢の右側を滑ります。今日の天気のお陰で上部は雪が堅く苦労しましたが、反対に中間部から下は昨日より雪は緩んでなく、のんびりとターンをしながら春スキーを楽しめました。それにしても、この唐松沢長いです。充実感一杯です。
 さて、不帰沢との合流点からはデブリが谷の全面を埋め尽くし、右岸の先行者のシュプールを利用させてもらいました。唐松沢に滑り込んだ跡も何本かある無名沢に出会うとすぐに、このコースのポイントの滝です。上部から滝の状況はよく見えませんが、先行者に従って、右岸をほんの少し登ると簡単に高巻きができ、滝の下部に滑り込めました。このあともデブリの中を見事につけられた一筋のスキーの滑り跡を外すことなくいくと、3つの沢が合流する雪原にでました。

滝付近 途中で割れているような感じ

 標高2,600mの稜線から1,120mまでの唐松沢滑降、当初のdルンゼではなかったですが、「滑ったぁ」と実感できた一本でした。状態のいい時にまたチャレンジしたいですね、ここは。
 さて、集合時間までもうわずか。林道を少し登ったあとは、猿倉の除雪林道をは異なり、うれしいことに結構雪が道に残っていてくれて、概ね二股手前まで滑って、25分の遅刻でみんなと合流できました。そして、あっ、雨が降ってきた。


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