山スキー報告
火打山(2,461.8m)
−笹倉温泉から火打山頂まで標高差2,000mを堪能−

焼山北面台地からの火打山(左奥)

 標高460mの笹倉温泉から、2,461.8mの山頂まで、まさに標高差2,000mのロングコースをスキーで登り、そして大滑降。
 もう、これ以上はあまりないような山スキーでした。へろへろになりましたが、是非また行きたいところです。

日 時:2004年3月21日(日)  天 候:晴れ
メンバー:いまむらさん、やまもりさん、たかはし
コース・タイム:笹倉温泉5:05−アマナ平7:25−北面台地末端8:10/33−標高1,650m北西斜面取付き10:01−標高1,950m小尾根乗越え11:30−影火打北側12:30−火打山頂13:09/35−標高1,770m平坦地14:25/45−北面台地末端15:40−アマナ平15:55−笹倉温泉16:29
1/25千図:湯川内

左から焼山、高松山、昼闇(ひるくら)山

 林道の九十九折れが終了すると、前方に見事な光景が展開します。特に、昼闇山北西大斜面の白さが印象的です。
火打山(左)、焼山(2,400.3m 右)

 アマナ平手前からようやく目指す火打もみえてきました。左の三角の形の山です。目の錯覚でしょうか、その右奥の影火打がより高いように見えてなりませんでした。
 写真撮影地点はちょと失敗して余分に登ってしまい、少し下ってアマナ平に入りました。登りのトレースより、下りの滑った跡のほうが、アップダウンに、はまらないんですよね。
焼山北面台地

 台地末端に登ると、大きく広がった北面台地と焼山がどっしり。
 数人パーティーが焼山方面に向かい、早くも滑ってくるパーティーも。目の前の数多くのトレースはほとんど焼山方面へ向かい、ただMさんのトレースだけがボクたちの目指す火打に向かっていました。
3つ目の沢の中を進む。

 賽の河原を渡ったあと、もう一つ渡り、そしてこの3つ目の沢の中を通って、標高1,650mの影火打からの北西斜面に取り付きに向かいます。
 唯一のトレースは単独のMさんのものです。
火打山頂を望む

 影火打北側の平坦地から望む、火打山頂です。思ったより雪が少なく、ハイマツなどの黒っぽい部分も多いです。
山頂からの影火打と焼山

 山頂からは360度の展望。
 写真中央の影火打北側の平坦地を通って登っていきます。
 周囲の雪に包まれた山々は美しいですが、特に北信地方の数多くのスキー場の白い傷が痛々しいです。
これ見たら、また行きたくなってしまう。

 北面台地に向かって滑り降りていきます。
 でも、このまま調子に乗って滑っていくと、滝との遭遇です。もう少し下部から右手の小尾根を乗り越して右手斜面に入ります。
そして、この斜面へ

 小尾根を乗り越して、この素敵な斜面に滑り込みます。
 でも、この日は硬い雪、それもデブリも硬くなった上に新雪が被り、見た目よりは滑りにくかったですね。
標高1,650m地点から北面台地へGO!

 さあ、本当の大斜面にシュプールを描こう!意外に雪もよく気持ちよくターンができました。
焼山バックに滑走

 なんと贅沢なロケーションでしょう。
 焼山の山頂左に噴煙が少し見えてますね。
北面台地と高松山

 やはりここは山スキーの聖地ですね。登ってくるのはしんどいけれど、それだけの値打ちがあるところと思います。

【記録】

 昨年の焼山に引き続き北面台地へ。今回は火打山を目指します。昨年の早川さんの記録を参考にさせてもらって計画を組み、いずれにしても、体力・技量があまりにも違うので行けるとこまでということで出発しました。

 5:05 かなり明るくなってほとんどヘッドランプもいらないような薄明かりの中、気合いを入れて笹倉温泉駐車場を出発。ボクたちと相前後して2名の単独行の人たちも出発されました。ここから先、昨年は橋まで除雪してありましたが、今年は雪の山。その上にたくさんのトレースがあり、昨日に多くの山スキーヤーが入山した模様です。

 くねくね林道を適当にショートカットして登り切ると、今日も見事に天候に恵まれ、前方に焼山、高松山さらに昼闇山などが今年もドンと鎮座しています。目指す火打はここからはまだ見えません。
ここから概ね林道に沿ったトレースに従って前進し、一箇所アップダウンに捕まりましたが、アマノ平に7:25順調に到着。ここから北面台地末端までちょっと急登になります。日陰のガリガリの雪面を慎重に登っていくと、8:10にようやく末端到着。正面に大きく広がる北面台地の大斜面と焼山、左手奥には火打山が大きく、そして美しく聳えています。まだまだ、火打は遠いです。テントが2張(obaさんチームのでした)あり、台地の先には焼山へ向かうパーティーがあるかと思うと、既に上から3名のパーティーが滑ってくるではありませんか。早いなぁ

 さて、ボクたちは火打へっと。単独の兵庫のMさんが一足先に火打に向かわれ、それを追うように1,350mあたりで賽の河原を渡ります。これが予想以上に深く急。最後は横滑りで、いいや、ズルズルッ底に滑り落ちます。再度、台地に登り返して2つ目の沢の末端付近を渡ります。これは別にどうってことないです。3つ目の沢に入ってその中を標高1,650m付近まで進みます。静寂の真っ白な世界を楽しみます。10:01にいよいよ火打への急登が始まる取付きに着きました。ここから標高2,000m近くまで、堅い雪、それも一部はデブリで荒れた斜面の上に少し新雪が乗った急斜面をジグザグに登ります。クトーなければ無理ですね今日の雪は。次第に、傾斜も増して斜面は上に続いていますが、ここで右へトラバースして小尾根を乗り越すと、おお、広くていい斜面が広がっているではありませんか。ここですね、帰りの滑る時にそのまま行くと滝が現れ進退きわまるので、小尾根を越えるという地点は。ここで、目印として赤布を付けた竹ざおを2本グザッと突き刺します。まぁ、この天気のままなら必要ないですけどね。

 ここからは、快適に登っていけそうだなぁ。ところが、だんだん足が出なくなってきました。ハァハァ、とMさんのあとをついていきます。体力低下を痛感します。やっと影火打北側の台地にまで登ると、前方に意外に雪が少なく黒っぽい部分が多い火打山頂が望め、なんとか元気も盛り返してきました。影火打と火打の鞍部へちょいと上がり、ハイマツの間を通って、13:09念願の火打山頂に到着。バンザーイ。8時間もかかったけれど、360度の大展望に疲れも何処へやら。風も無くビールといきたいところでしたが、下山開始の約束の時間13:30が迫っていたので、やむなくここでは我慢、我慢。

 シールを外し、いざ、山頂から笹倉温泉まで標高差2,000mの大滑降へ、GO!
最初はハイマツの間を滑り抜け、鞍部を経て影火打北側までくると、たまちゃんと合流。
ここからがハイライト。堅い雪の上に新雪が少し積もった状況で、最高のパウダー滑降とはいきませんでしたが、目の前に焼山それに続く広大な北面台地を眺めながらの滑降は素晴らしいの一言ですね。途中、赤布をつけたところから右手に尾根を乗り越し、さらに一見きれいな沢状斜面に入りますが、今日のここは新雪のすぐ下に堅いデブリが隠れてるという悪条件で、慎重にターンしていきます。標高1,770mの平坦地で休憩し待ちに待ったビールをみんなで分けて飲んで、あーっ、おいしい。

 ここから、標高1,650mを経て北面台地に滑り込むと、意外にいい雪が残っており、2つ目の沢を渡る地点まで、緩斜面でスキーを存分に楽しめました。そして、問題の賽の河原に到着。スキーで底まで滑り込んだ後、つぼ足で登ります。ここで、誰ですか、折角、みんなで作ったいい足場があるのに、どんどん潜っていってしまって登れないと嘆いている人は?この賽の河原の西側斜面は雪がつながらず穴があいている所があるので、注意が必要です。
なんとか、脱出し北面台地を斜めに横断して末端からアマナ平へ滑り込む。ここまで下ってくると既に雪は大いに湿気を帯びたものに変化しています。その後、林道をショートカットしながら、春のような陽気の中、気持ちよく、笹倉温泉駐車場まで滑り込みました。

 駐車場には、おお、見覚えのある和歌山のランクルが。温泉の脱衣場でobaさんチームに出会いました。宴会付き焼山への山スキーということでこれもいいなぁ。笹倉温泉の800円の入浴料はちょっと高いですが、まぁ駐車料金込みと考えればこんなもんかなぁ。入浴後、昨年に続き、富山県朝日町のさかえ食堂でたら汁を賞味し、満足感一杯で滋賀に向かいました。

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