MTB山行
比良山系霊仙山から蛇谷ヶ峰へ一周!
日 時::2003年10月1日 
天 候:晴れ
コース:志賀町栗原〜比良山系南(霊仙山)から北(蛇谷ヶ峰)へ〜朽木〜国道367号〜栗原
タイム:5:52栗原−6:12NTT無線中継所−6:39霊仙山−7:21権現山−8:08/21蓬莱山−8:31打見山−8:59比良岳−10:19金糞峠−10:41八雲ヶ原−11:25/35武奈ヶ岳−12:03釣瓶岳−12:47地蔵山−13:25ボボフダ峠−14:05/33蛇谷ヶ峰−14:56カツラの谷−15:40/50県立生きものふれあいの里−(国道367号経由)−17:22栗原
1 さあ、行くか。 はじまり
   家を4時10分に出発し、湖周道路経由で琵琶湖大橋を渡り、比良山系の南端志賀町栗原到着は5時30分。パンを1個かじり、さあ、行くかア。でも、林道はいきなりの急坂です。ギアを軽くしゆっくり登っていきます。この道、ほぼ山に向かって真っ直ぐに付いているため断続的に急坂が現われ、朝一にはツライ。霊仙山と権現山への分岐から左の霊仙山方面に進むとようやくましになり、すぐにNTT中継所に着きいよいよ担ぎが始まります。
 さあ、比良山系全山縦走(自転車走)コース。どれだけ担ぐ羽目になることやら。

2 おぉ!「カードが認識できません!」 栗原から霊仙
  MTBを肩に担いでしっかりした登山道を霊仙へ上り始めます。植林帯の急登で1枚脱ぎ、ついでに今日最初の一枚を撮ろうかと、デジカメのスイッチを入れると「カードが認識できません。」ときた。やってしもうた。この前のイワナ釣りのページを作る時に、カードを入れたアダプタをパソコンに差し込んだままにしてきてしまった。でも、しゃあない。写真撮る時間分だけスピードアップして行きましょう、と気持ちを素早く(?)切り替え、よっこらしょと、ザックとMTBをまた担ぐ。
 心持ちザックが重くなったように感じたのは、今日のデジカメがボッカ訓練のための重しに成り果てていたという事実に気づいてしまったからでしょうか。気持ちの切り替えができてませーん。

3 眼下に琵琶湖の大展望! 霊仙から木戸峠

  霊仙山頂(750m)からは木々の間から権現など比良南部の稜線や朝もやの琵琶湖が大きく望めました。「あぁあ、こんないい天気に恵まれたのに。」。まだ、思ってる!一旦下って権現との分岐まで進みます。分岐まで地図上は傾斜はあまりありませんが、残念ながら木の根などであまりMTBには乗れませんでした。
 さて、権現までの登りです。植林帯から自然林に変わり、そして笹が現れだすとすぐに、996mの権現山頂です。一層景色は広がります。朝日にキラキラ輝く琵琶湖の素晴らしさはもちろん、伊香立の田園風景の背後に比叡の山々、その向こうには京の街が、そして北山が。はい、ボクの心のフィルムにはしっかり焼き付けてきました。プリントできないのが難(アップできないのも…。)ですが。
 ここから、稜線上の登山道を右手の眼下に大きく広がる琵琶湖を望みながら進みます。こんなコースも他にないでしょう。ただ、蓬莱山(1174m)まで登り傾向なので、短めのライディングですが、登山道脇にはリンドウの紫のつぼみが秋の到来を感じさせてくれます。ただ、右側は落ち込んでいるので無理は禁物です。急に飛び出してくるシカにも注意。蓬莱山へちょいと担ぎ上げると、遠く北東方面に白山が、東には伊吹山の左に御岳が望めるではありませんか。素晴らしい。
 蓬莱山からはびわ湖バレースキー場のパノラマコースの草原を気持ちよくライディング。登り返した打見山からは急斜面のジャイアントコースを思いっきり腰を後に引き、前ブレーキをしっかり掛けて、ダウンヒル!でも、上級コースの斜度はちょっと怖いのでスピード出さずにゆっくり下っていきます。静かな谷にキィーッ!キィーッ!というブレーキの鳴き(泣き)が響きます。コース下から右手の縦走コースに入り木戸峠に到着し、ここから樹林の中の稜線を八雲まで進みます。こっからは多分あんまり乗れんだろうなぁ。

4 我慢の稜線輪行 木戸峠から八雲ヶ原

 木戸峠からちょっとは「おぅ、乗れるやン」と思ったのも束の間、細い溝や根っこなどに悩まされました。葛川越から烏谷山へは急斜面な上、枝もひっかり大変でした。山頂からの下りは意外に緩斜面が続き、ほんのちょっとは乗れ、杉林やブナ林の中を前進します。荒川越、南比良峠を通過し、堂満岳を西から巻いていき、シャクナゲの木が現われだすと、程なく金糞峠に到着。ここで今日始めて人に会いました。金糞から武奈まではどのコースをとろうか迷ったところですが、確か八雲までの沢沿いの道は乗れるようなという、誠に頼りない記憶を元に、コース決定したものの、「やっぱり、正解だった」と思ったのはホンの1分程度でした。あとは沢沿いに概ね押して、担いで八雲へ。この間は、MTBはほとんど楽しくないです。

5 休日は避けたほうが無難 八雲から釣瓶岳

 ようやく八雲池手前から乗ると、小学生の遠足軍団が賑やかに、突然現われた山上の自転車野郎に、指を刺してくる(イタイイタイ!)。こんな大群に巻き込まれたら大変なので休憩もそこそこに武奈への緑が気持ちいい登山道を担ぎ、何組かの集団を追い越して、最後の急登にかかります。
 以前はざれた溝状の道でしたが、隣に木の階段が整備されました。これがまた段差が大きく登りにくい。案の定、階段の隣は踏みつけられた跡が沢山ついています。階段整備が結果的に自然の植生への無用の侵食を広げることになってしまいました。山登りの道なんだから以前のままで良かったのに。
 武奈のピークの少し先で休憩。八雲での休憩の際、気づいたザックの破れを紐で補修し、北稜を釣瓶岳へ。下りも根っこが沢山張った緩・急斜面が連続し、ボクの技では乗れません。細川越からは登りとなり、ちょうどお昼に釣瓶岳に着きました。平日でも武奈への登山者は多いなぁ。

6 歓喜のシングルトラック 釣瓶岳から蛇谷

 釣瓶岳から蛇谷ヶ峰までコースタイムで4時間、7.5km。ここまでほぼ昭文社のコースタイムの半分強の時間で来たので行けそうですが、登山道の状態もわからないので15時までに蛇谷ヶ峰に着かないようならば、出発点の栗原到着が暗くなるので途中から下山することとし、出発。
 最初は急坂で乗れませんがブナ林の快適なところです。次第にササの中の良く踏まれた道となり、リトル比良や高島方面の展望も良く、所々でシカのコロコロ糞が一杯ある登山道の静かなMTB一人旅が続きます。釣瓶岳からは蛇谷ヶ峰まで誰にも会いませんでした。
 標高900mあたりからはMTBにもさらに乗れるようになり、ササ峠(770m)も近くなると、登山道には根っこも石もなく、周りもササや雑木林に囲まれた素晴らしいシングルトラックが続いていきます。途中から右手が自然林、左手が余り手入れされてない植林帯とかわっても、まだ乗れる乗れる。地蔵山、ヨコタニ峠、ボボフダ峠まで、どうぞ好きに乗ってって、って感じ。ボボフダ峠着が13:25で、蛇谷ヶ峰15時着は楽勝となりました。MTBの力ですね、これは。
 さあ、ここから標高差250mをゆっくり蛇谷ヶ峰へ登りましょう。ところがここもちょっと登っては、また平坦道が続き、まだまだ楽しませてくれます。標高770mあたりからほんのちょっとの急登を過ぎると、「最後まで楽しんでってヨ」と頂上までMTBに乗せてくれました。もう、感謝感激でしたね、これは。  予想外に早く着いたのでゆっくり展望を楽しみます。武奈の向こうに遠く打見山方面まで望め、その向こうから登って来たので「結構来たなぁ」が感想です。反対方向の今津町の武奈ヶ岳や三重嶽なども近くに見え、その右は6月に行った大御影山かな、初めての蛇谷ヶ峰からの展望は大満足でした。

7 カツラの谷に感動 蛇谷から朽木

 蛇谷ヶ峰からどこを下ろうかと悩みましたが、結局、途中のカツラの谷がとっても美しいと記録にあった「生きものふれあいの里」へのコースを選択。新設の道だけに、幅は広いものの石でガレガレでちょっと急になると「そこまでつけなくても」という木の階段の連続で疲れるなぁ、ブツブツいいながら着いたカツラの谷の美しさは、今までの不満もどっかへ吹き飛ばしてくれました。苔むした大きな岩に根をはる樹木、幾つもの滝を流れ落ちる水流、林床に繁るシダの葉そしてその名の由来となった3本のカツラの大木。沢沿いの道はとっても印象的でした。ここはMTBに乗れなくてもいいです。
 谷に別れを告げると、山腹をぐるっとまいてつけられた整備万全のハイキングコースでMTBを楽しみ、またまた現われた尾根の木の階段にうんざりしながらも手入れが行き届いた「平成記念の森」を下り、15:40に麓の「生きものふれあいの里」に着きました。

8 必死の国道367号 朽木から栗原

 さあ、あとは栗原まで帰るだけ、だけ、だけ。安曇川上流に向かって頑張ってこぎましょう。こぎましょう。記憶にある以前の狭い国道は様変わりし、立派な二車線の道になっていますが、自動車交通前提の新しい道だけにアップダウンが結構あり、自転車にはつらい。それに一番怖かったのは新しい「坂下」、「行者山」、「牛の鼻」、「花折」の4本のトンネルです。自転車が乗って通れる歩道はなく、前照灯と点滅式テールライトをつけていたのが幸いでした。トンネルの入口で一旦止まって後方に車が来ないのを確認し、トンネル内に一気に「ガァーッ」と猛烈にこいで通過していきます。トンネル出口で「ハァ、ハァ。助かった。」。その連続でした。あとでよく地図を見ると、朽木から花折トンネルまで標高差300mも登ってました。どうりで、比良全縦してきたボクにはシンドイはずでした。
 トンネルからは豪快に志賀町まで下っていき、最後の最後に志賀町栗原までまた100m登り返し車に着きました。比良を一周してきた感動も、余りの疲れに負けて「どてーっ」と車の脇に大の字に寝てしまいました。秋の空が大きく広がって気持ちいいのでもう少し寝てよっと思ってたら、軽トラの音がし、変なやつが死んでると思われるのもイヤなんで、仕方なく起き上がりました。

9 まとめ 

 ここまで読んでいただいた人はほとんどいないと思いますが、締めです。
 このコース、とりあえず、比良全縦したくて多分担ぎが続くなと思っていたところも敢えて行きましたので、全部コースがお薦めとはとても言えません。MTBを楽しむには、
@眼下の琵琶湖、大展望コース(権現から打見まで)…標高差を考えると今回と逆のコースがいいと思います。でも、打見山までの担ぎ上げが大変ですけど。
A喜び満ち溢れるロングシングルトラックコース(釣瓶岳〜蛇谷ヶ峰)…最低鞍部のヨコタニ峠あるいはボボフダ峠を中心に、釣瓶岳からあるいは蛇谷ヶ峰からの下りが素晴らしいですね。高島町からぐるっと廻るのがいいかもしれません。

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