奥美濃:日照岳(1,751m)

その3 2011年2月6日

御母衣ダム湖を瀬にブナ林帯を登る

 2011年。久しぶりの大雪となった北陸方面。せっかくのチャンスを逃したくないと思うものの、なんやかんやで日程が合わない。悔しい。

 ようやくの日曜日も数日前に続いた高温のため、いい雪がすっかり案の定変質。仕方ないか。

でも、日照岳は山スキーに最高のフィールドであることを確認しました。

日時:2011年2月6日(日)  天候:くもり
メンバー:やまもりさん、おばたさん、たかはし
コースタイム:国道7:22−標高1,130m8:24−標高1,480m10:00−頂上11:07/11:25−標高1,480m11:55−国道13:15

 荘川道の駅でテント泊。久しぶりに無茶苦茶寒い一夜を過ごした。これだったら、車ん中で3人寝ればよかったとは、後の祭り。ともかく、腰や体がじんじんしびれた。そして、朝。起床後、国道沿いの登山口地点に到着。すでに岐阜ナンバーの3人パーティーが出発準備完了状態。少し遅れて、さあ、ボクラも行きましょうか。と、出発。


 しばらく進むと先行トレースは右手の沢を横切ってく。僕らは前回と同様、左手の尾根を経由して登りにかかる。△1,160mからブナ林の斜面を△1,534mを目指す。天気予報では晴れ間も期待したが、本日も日照岳は曇天なり。でも、背後には御母衣ダムが今日はよく見え、まだましか。雪はたっぷりで藪は埋まっているが、残念ながら予想どおり、先日までの気温上昇で雪は重く変質している。斜面の向きによってかわり、北向きはまだ乾いた雪が残ってはいる。

快適ブナ林の登り 日照岳ピーク。3回目も白山は見えなかった。

 △1,470mあたりの緩やかになったところで、先行パーティーのトレースに出会う。稜線に出ると風も強くなる。頂上手前ではガスも出てきて、ピークではホワイトアウトで、風がビュービューと。

 これでは山頂に長居は無用。早速、滑走準備をしてガスの中を慎重に滑る。少し下ると、ガスも取れ風もましに。稜線のまずまずの雪を楽しむ。

稜線上はまだ雪はまし

 さあ、標高1,470mあたりからブナ林に飛び込もう!パフパフ雪煙巻き上げて…、とは夢。やはり、登りの時点よりも雪はさらに重く。前回、2006年のときは全山パウダー状態だったのと比べると、今回は残念でした。

 登ってきた尾根の左手の東から少しでも北向けの斜面を選ぶが…。尾根が平坦となった標高1,260mあたりから狭い尾根を避け、左手の斜面に飛び込むと、あちこちにいい沢状の斜面がたくさん。何人滑ってもいい斜面が残る。やっぱり、日照岳、いいところです。雪さえよければ…。

斜面はいい。あとは雪が。

その2 2006年2月5日


3年ぶりの日照。 文句なしの全山パウダーを満喫

日時:2006年2月5日(日)
メンバー:おばたさん、やまもりさん、ほんださん、たかはし
天候:小雪のち曇
コースタイム:国道156号7:35−△1,160m9:25−△1,534m11:12−ピーク12:10/12:35−国道156号14:41

 東海北陸道走行時、車外の最低気温は−10度。雪も断続的に降り、これは期待できそうである。荘川の道の駅で車中およびテント泊で就寝。
 朝、国道156号の登山口に移動すると、車が4台駐車し、先着の4人パーティーと相次いで出発。4人組はそのまま沢をつめてあがられたようですが、ボクタチは前回同様、まずは△1,160mをめざして脛から膝下の新雪ラッセル。この時期の程よいラッセルは、自分としてはとても楽しい。新雪の下には先週までの堅い雪の層があり、この週末にようやく待ちに待った降雪があった、まさにジャストタイミングでした。

ブナ疎林の登り 雪をまとった美しいブナ林

 △1,534mへの稜線へもう少しという、このコースでは一番の急登を登っていると、ボーダー氏が2名華麗に滑っていく。早くボクたちも新雪の中を舞ってみたい。このボーダー氏も沢をつめられたようで、ここまでトレースがなかった。
 ここから頂上への稜線も、前回は雪が飛ばされ堅いバーンの印象があったが、今回は新雪に覆われていい感じ。
今朝出会った4人パーティーが先行したようで一筋のラッセルの跡があるが、軽い新雪を蹴散らしてラッセルを楽しみます。

山頂。今日も白山は見えなかった。

 山頂では、4人パーティーが滑降に入ろうとしているところでした。滋賀や京阪神からの人たちで、この中には、ボクの入っている職場のランニング仲間の駅伝チームの強力助っ人として、毎回無理をお願いしている人もいて、こんなところで、「いつもお世話になり、すみません。」と、お礼を言うことができました。

 さて、滑降に移りましょう。山頂からパウダー満喫で、調子に乗っていたら、標高1,600mで左の尾根に間違って滑り込んでしまう。ちょっともとに戻って、往路を気持ちよく滑っていきます。ブナの急斜面手前の標高1,480mあたりで、ゆっくり小休止。
 おばたさんは、パウダーのまさに今日という日のために、この板を新調したんや!とボルクルの「スノーウルフ」を掲げる。でも、あまりの低温のためカメラが動きが鈍く、ウルフの雄たけびを伴った豪快な滑りにシャッターのタイミングが合わなかったことを謝ります。

ブナ疎林のパウダーを気持ちよく(やまもりさん)

 往路の尾根の左手の沢のパウダーをむさぼり、動画の撮影や写真を撮りながら滑っていきます。
 △1,160mの先で赤い布を回収し、こんなベストコンディションも年に1回あるかないかやなぁと、フィナーレは左の沢めがけて、4人4様に舞っていきます。結局、国道までしっかりパウダーを楽しませていただきました。ほんとに、ごちそうさまでした。大雪の今シーズン、やっと思い存分、パウダーを満喫できました。日照岳、ええとこです。

その1  2003年1月26日(日)

天候:晴れのち曇り
メンバー:みやけさん、ばんばくん、たかはし

コースタイム:国道156号登り口7:44−1,160m地点手前9:07−1,534m地点手前11:35−頂上12:41/13:02−国道156号14:32

 以前「岳人」に紹介のあった奥美濃・日照岳に行ってみたいと思ってましたが、今回、ようやく豊富な雪にも恵まれ、満足できる山行を実施することができました。

1,534m地点への最後の急登

 このコースでは最後の急登となる、1,534mへの苦しい登り。でも、どうです、この斜面。滑るのが楽しみ、でも登るのはラッセルまたラッセル。

山頂直下の稜線を行く

 山頂までもう少しの標高1,700m地点。木々もかわりカンバなども現れてきた。ここから、いよいよ風も強くなり雪を巻き上げ、視界不良のためピークでの写真はありません。

記録

 岐阜各務ヶ原ICから庄川ICまで東海北陸道を利用し、2000年の岳人で岐阜ケルンの辻さんが紹介された日照岳を目指した。ガイドにあった登り口となる堰堤のある国道脇のスペースを見つけるが1m位の雪に埋まり駐車できず、福島保木トンネルを抜けた発電所前の広場に止め、ビールに泡盛、バーボンで宴会後、就寝。
 
 翌朝ちょっと寝過ぎ計画よりちょっと遅れ、7:44シール登行開始。新雪たっぷりの沢沿いを緩やかに登っていったあと、1,160m地点に続く尾根を目指し急斜面をラッセルし、大汗かいてジグザグに登る。樹間も広く帰りのスキーが楽しみだ。尾根に登って振り返ると御母衣ダム湖が大きく広がっている。ここから尾根沿いに1,534m地点へ向かう。この尾根も時折大きな檜が見られたり、ブナなどが続く快適な尾根で、右手には三方崩山が大きく、東方には遠く真っ白の北アルプスが顔を出してきた。途中、いきなりラッセルしたような形跡に出合いびっくりしたが、よく見ると動物の足跡もあって猟師さんのようだ。ちょっと、ラッセル泥棒させていただこうかなと思ったのもつかの間、すぐに違う方に向かってしまった。気を取り直し1,534mへの最後の急斜面に取り付く。ここは新雪たっぷりで、大きなブナが点在しとても美しく、かつおいしそうな斜面である。ボーダーのばんばくんはスノーシューを履きスキー部隊2人がラッセルした後に続くが、結構潜るようで苦労している。帰りが楽しみだ頑張れーっ。

 やっと1,534m地点のある尾根に着いた。ここからは幾分雪も飛んで締まり、ラッセルの苦労から解放された。快調にぐんぐん登りようやく右手前方に日照岳ピークが見えてきた。向きを西に変え、大きな捻れたカンバなども見受けられるようになってくると、あと50mの登りで強風で雪が飛ばされ、ガスで展望もない山頂に着いた。残念ながら白山の展望はなかった。新雪ラッセルのため、予定を1時間程度オーバーし5時間弱の所要時間であった。寒いだけなので、早々に滑走準備をする。1,534m地点までは東側の雪庇に注意しつつ、尾根左側を滑る。1,534m地点からは北にいくつも尾根が延び間違えやすいので注意が必要である。滑降はここからが本番。お待ちかねブナの急斜面はやや重ながら新雪滑走を楽しめた。1,160m地点への尾根から外れないようにするが結構小さい尾根も派生し往路を確認しながら滑っていく。この日はこの時期にしては気温が高くなり標高が下がると雪質も重くなってきたがブッシュに悩まされることもあまりなく、特にボーダーのばんばくんはその技量もあって気持ちよさそうに滑り降りていった。最後は沢沿いをほぼ真っ直ぐに滑って起点に戻った。世界遺産白川郷に続くダム湖畔の国道脇から変なスキーヤー2人とボーダー1人が出てきたので、通過する車からは好奇の目で見られていた。

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