白山(2,702m)東面台地

−平瀬からMTB利用で御前峰へ−

転法輪谷源頭部から滑る

 ようやく実現した平瀬からMTB利用の白山東面台地の山スキー。天候にも恵まれ、感動的な山行となりました。

日 時:2008年4月29日(火:祝)  天 候:晴れ
メンバー:みやけさん、たかはし
コースタイム:平瀬林道入口4:20−MTB利用(残り3kmMTBパンク)−白水湖尾根取付き部6:20/48−標高1,680m8:36−転法輪谷源頭部2,480m11:10/20−御前峰12:05/40−白水湖尾根取付き部14:18/50−(MTBパンクのため)−平瀬林道入口16:25

東面台地1,680m地点から 転法輪谷をつめていく

 5年ぶりとなる白山東面台地。
 前回は別当出合を早朝に出発し、御前峰から東面台地1,650m辺りまで滑り登り返した。今回は、MTB利用で岐阜県平瀬から。途中、白水湖約3km手前でパンクというハプニングもあったが、予定通り東面台地に取り付けた。

山頂は、平瀬だけでなく、もちろん別当出合からの登山者や山スキーヤーも登ってきており、さすがに白山は人気。
山頂からの室堂と別山(まだまだ真っ白)

 5年前のように山頂から直接転法輪谷へ滑り込むのは年も考えて止め、源頭部に滑る。何と、源頭部では1ケ月前に鍬崎山山頂で出合った京都の黄色ヘル、黄色ストックの方に再会し、びっくり!

転法輪谷の快感!

 ご覧のとおり素晴らしい山スキーを楽しめました。こんないい条件に恵まれて、感謝。

御前峰と剣が峰 東面台地下部のブナ林から遠くなった白山

最後に。

東面台地下部で見かけた「おもしろ樹木」
 ここは、人の入り込みも極めて限られ、本当に自然が一杯残って、素晴らしいところです。
いつまでも大切にしたいところ。

【記録】 

 やっと、念願のMTB利用の東面台地へ。それが…。でも、是非また、行ってみたい所です。

《備えあれば…》
 4時20分に林道ゲートを出発。ブーツをつけたスキー板をザックを背負っても結構こげる、と思ってスタート。林道の斜度もそれほどではなく、MTBのギアチェンジで駆使しゆっくりのぼる。この林道、白水湖までは全長13km程。標高差600m程。しかし、次第にも、腰に結構負担がかかり、50分経過し、2つ目のトンネルの前で、一本とりましょうとたまらず声を掛ける。休憩後、体も楽になり、間名古谷を渡り、標高を上げ、地図の勘助平と記されたあたりで、なんか変だなと思ったら、前輪の空気が抜けてきた。おいおい、2日前にパンクしたため新しいチューブに交換したばかりなのに。もう少し、タイヤの裏っ側まで異物がないか確認すべきでした。そして、車の中には予備チューブに携帯ポンプなど修理キットがあったのに。持ってくれば…。
 ということで、最後の3〜4kmは押して歩き、結局2時間かけて、白水湖近くの登り口に到着。

《自然残る白山東面》
 MLなどの報告のように橋の近くの土の斜面を登るが、紹介されてからこれまでに相当の人数が登ったようで、土が掘れ、岩が不安定になり極めて危ない。現に、帰りに別のパーティーがここを下降途中に、頭部大の岩が落下し、危うく下にいた人に当たりそうになった。ぼくらより少し前に、MTBの2人組と単独行の3人が斜面を登っていったが、橋のほん近くより、20〜30mほど先の斜面の方がまだ安全か。
 急斜面を登って、右に巻いていけば沢沿いの雪面に出るのだが、巻かずにそのまま進んだため、余計な汗をかいてしまった。そしてシール登行に切り替えた、なだらかな東面のブナ林は自然の香りプンプン。登山道もなく、夏も人が入らない場所だけに手付かずの自然のまま。いろんな形をした年を経た木々が素晴らしい。

《いよいよ御前峰を目指して》
 標高1,520mあたりで斜度が急になるところは右手の谷を経由して、台地上に乗り上げる。ここで、数年前に別当出合から御前峰を超えて東面台地に滑り込んだ終了点にあった特徴的な枝の広がりのあるカンバに再会。あの時はここまで滑ってきて、また登り返した。元気でした。
 このころには青空がひろがり、白い雪とカンバと青空と、絵になる光景が目の前に。適度な斜度の斜面を登っていくと、前方には御前峰と剣が峰が並んで聳えて見える。今回は、御前峰へと続く台地を進まずに、途中から転法輪谷を源頭部へつめることとした。春の陽気に緩んだ雪面はシールがよく効き、クトーがなくても快適に高度を稼げる。標高2,450mの源頭部に乗り上げ、ここからスキーをザックにくくり、ツボ足で頂上に向かう。

《頂上にて。》
 風はあるものの、気温は高く寒くはない頂上に、12:05到着。室堂方面を望むと山荘は屋根が見える程度で、別山もかなり白く、雪は多そうだ。頂上手前で一回なった携帯が、ここで、再び鳴り出した。こういうときはいい連絡はないのが世のならわし。案の定、そのとおりで、今日の夜はとても用事は無理だが、明日はちゃんとしますと言って電話を切る。東面を歩いているときは圏外で、頂上付近ではじめてつながったようです。

《転法輪谷の快感》
 さあ、白水湖目指してスキーを楽しみましょう。頂上から転法輪谷の源頭部までかなり緩くなった斜面を滑り、いよいよ谷へ突入。この谷は、雪も適度に締まり斜面もきれいでとってもいい。広い谷に思うがままにシュプールを刻み、久しぶりの滑りの快感を味わう。ここだけなら反対側の別当出合から登ってきて、ここに少し滑り込んで登り返しても楽しそうだし、無理もない。
 御前峰と剣が峰の鞍部からの斜面ももう少し斜度もあり楽しそうだが、転法輪谷源頭部のこの開放感のある広さは素晴らしい。

《白水湖あたりで、》
 樹木がカンバからブナ林の広がる台地に滑り降り、雰囲気のあるブナなどの林をキョロキョロと観察し、味わいながらのんびり滑る。どの木も個性あるいろんな姿でおもしろい。春の新緑、秋の紅葉の時はさぞかしと思うが、その頃にはもう入れない。先行者のスキーの跡をたどり、終了点でツボ足にかえ、右に斜面を巻いていって、最後に急坂を林道に慎重に下りる。
 できたら、ここでMTBの修理キットを持っている人がいれば、と思ったがそれもかなわず。結局、みやけさんのテレマークスキー板を自転車の車体に沿ってくくり、ぼくのスキー板をザックにくくりつけてもらった。ぼくは軽量化が図れたザックを背負い、MTBのハンドルを右手に添えて、軽くジョグのように走り下る。1km7分程度なら1時間30分ほどで着けるでしょう、という計算で。ジョギングシューズを持ってきてよかった。最近時間がとれずランニングができなかったが、図らずもこんなとこでトレーニングができるとは…、と前向きに考えようおっと。途中、林道から西を望むと、遥か遠くに太陽に輝く御前峰と剣が峰が神々しい。これも、走っていたから見られた光景…。
 結局、残り4kmあたりまで、みやけさんが修理キットをもって引き返してもらった。ここで、ポンプで空気を詰め、途中もう一回補充し、このコースの楽しみの大きな一つであるMTBのダウンヒルを約10分楽しみ、林道ゲートまで戻りました。

《山スキーヤーの良心》
 ところで、この日、数人パーティーが自動車で林道に入ってきた様子。なぜ、鍵の番号がわかったのか?たとえ番号を知りえたとしても、なぜ、車で進入したのか?誰も抑えられなかったのか?そこそこ山スキーの経験者でもあったように見受けられただけに、やりきれない思いが残った。 鍵を番号から違うものにかえるべき!

 それはともかく、ここは本当にいいところです。もう少し軽量化に心がけて、修理キットも忘れずに、ぜひまた行ってみたい。


ホーム 山スキーで行こう