白山 御前峰(2,702m)から東へ西へ

日 時:2003年5月10日(土)  天 候:晴れ
メンバー:単独
コースタイム:別当出合駐車場4:33−甚ノ助小屋6:21−室堂7:37−御前峰8:22/51−東面台地1,650m地点9:27/45    −御前峰12:49−御前峰の肩13:10/13:39−甚之助小屋13:55/14:15−中飯場14:33−別当出合駐車場15:09




 今日は、写真正面の御前峰から東へ西へ、両面滑降の欲張りプランです。そう、あのピークの反対側にはおいしい斜面が待っていてくれてます。帰りは頂上直下は雪が切れているので、ピーク左の肩2,620m地点からスタートし往路を滑降します。
 さあ、もう1時間弱でピーク着。頑張ろっと。

御前峰からの東面台地

 これから滑り込む東面台地(写真右の転法輪谷と左の小白水谷に挟まれた中央の台地)を望みます。実際は、見た目よりずっといい斜面が続いていました。

滑り込んだ斜面を見上げる

 気合一発!で、御前峰から飛び込みます。斜面は最初のうちは結構急でしたが、朝の日差しで適度に緩み滑りやすかったです。

御前峰と剣ケ峰が遠くなって。

 東面台地途中から振り返ると、御前峰(中央)と剣が峰(右)がだんだん遠くになっていきます。御前峰のピークから下へ、そして斜め左へに続く斜面を滑り降りました。

東面の台地に、ようこそ。

 ようこそ、素晴らしい東面台地へ。といった感じでカンバが迎えてくれています。

千手観音菩薩も参りました。

 東面の滑降終了地点近くで、自由気ままにあまたの枝を伸ばす木。千手観音菩薩さまもこれにはきっとかなわない?

登り返してきた東面台地から御前峰

 ふう、大汗かいて2,200m地点の台地まで登り返しました。中央の御前峰ピークの左の谷が転法輪谷でその源頭部2,500m地点までシール登行です。
そして、2,500m源頭部までもうちょっと。さあ、次は西面の滑降に移ります。御前峰まで再度登り返し、2,620m地点の肩から滑り込むこととしました。これまた、雪の状態もよく、甚之助小屋までとっても楽しい滑降ができました。

【記録】

 MLやHPの記録を見ていてどうしても行きたかった白山東面の台地(小白水谷と転法輪谷に挟まれた白水湖手前まで続く台地)。でも、岐阜県の平瀬からの暗闇の林道をMTBで駆け上がるのはボクにはできそうもないので、別当出合早朝出発の正攻法勝負に打って出ました。一日で白山の東と西、おいしいとこをいただきま〜す。

 別当出合の河原沿いの駐車場を4:33出発。2週間前の宴会仕様の室堂泊山行とは違って、「やっぱり山スキーは機動性重視でしょう」ということで日帰り装備の今回は、スコップ、ピッケルなどの荷物を持っても軽快。今年のGWの異様な暑さなどで別当出合の雪はすっかり減っていたが、橋を渡り急斜面をジグザグに登りあがるとたくさんの雪が現れ、その先の中飯場からはべったりと雪が続いていた。去年のこの時期、別当覗きからようやく雪が現れてきたのと比べると格段に雪は多い。シール登行に切り替え甚之助小屋に6:21着。小屋はまだ多くの雪で囲まれている。室堂へはこの前と同様に甚之助上部の分岐を右にトラバースして雪のつながっている斜面をクトーを効かして登り、最後5mほど雪が切れ笹をかきわけエコーラインの尾根に出た。7:37室堂、そして2,702mの御前峰8:22着。もちろん、まだ誰もいなくて静寂。ここまではほぼ予定通りに登ってこられた。でも、今日の行程を考えると、まだ、3分の1程度が終わったに過ぎないんです。

 さあ、お楽しみであり、心配でもあった頂上から東面台地への滑降に取り掛かります。今日は風もなく朝の日差しで雪も表面が幾分緩み条件は申し分なし。剣が峰との鞍部への斜面は雪が切れていたので、直接、転法輪谷に落ちていく斜面を選択しました。8:51いざ、出発。出だしで少し雪が割れかけていたが、あとはきれいなバーン。良かったですねぇ、これが。標高差約400mの急斜面にまあまあかなという感じのシュプールを描けました。2,300mあたりから左の東面台地に滑り込み振り返ると、御前峰と剣が峰が並んでそそり立ち、両峰に挟まれた谷や転法輪谷の大斜面などの大展望にしばし感動。これぞ東面の景色。

東面滑降の前半を終え、いよいよ後半の台地滑降を楽しみます。この東面台地、ものすごくいいです。斜面が以外に緩急と変化があり、幅も広く、もちろん疎林で、そのカンバも青い空白い雪に映えて絵になります。この日は雪の状態もよく、とっても快適でした。さすがに下部になると縦に走る雪の溝も深くなり足にこたえ、疲れてきたので1,650m地点で9:27滑走終了。

さあ、2,500mの転法輪谷源頭部まで登り返しましょう。9:45出発。既に別当出合駐車場から御前峰まで標高差1,500m登り、1,050m滑ってきたのでは結構疲れて足取りも重いが、時間は十分あり、写真を取りながらゆっくりシール登行する。日差しもいよいよ暑く照りつけ、タオルを頭に巻く(←これみやけさんスタイル)。2,200mあたりの台地で休憩し、御前峰からの斜面を見るとボク以外に誰も滑っていない。ちょっと、頑張ればこんないいとこがあるのに、と思ってしまう。もう、白山は別当出合からの往復だけでは物足りません。東面の台地かどこかの谷を付け加えたら、すごく充実したスキーツアーになりますよ〜、みなさん。

 さて、シールで転法輪谷源頭部まで登り、室堂を目指してトラバースしていましたが、なんか嫌になり再度スキーを担いで御前峰に登り返し、12:49今日2回目のピーク着。ふう、ほぼ3時間の所要時間であった。ピーク西の2,620mの肩に移動し、休憩の後、さあ、今度は西側のおいしい斜面をいただきましょう。黒ボコ岩コースは沢山の人が登ってきて斜面の荒れが予想されたため、朝と同じコースに決めました。2,620mの肩から1,970mの甚之助小屋までは快適滑降(もちろん弥陀ヶ原の超緩斜面は別)、わずか15分でしたがご馳走さまでした。とってもおいしかったです。小屋からは波打つ斜面に疲れながらも滑り降りて中飯場でスキーを担ぎ、15:09別当出合の河原駐車場着。累積標高差2,550mは結構ハードで疲れましたが、天気にも恵まれ、充実した山スキーができました。是非、みなさん行ってみませんか。

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