山スキー報告
奥美濃:日照岳北方1,746.1mピーク
−通称:がおろピークはとっても素晴らしい山スキーフィールド!−

パウダーを満喫!

 岐阜のがおろさんから初めて紹介された奥美濃、御母衣ダム西側の日照岳北方1,746.1mのピークで、「もう、山スキーはやめられない!」経験をしてきました。
 このようないい斜面があちこちに。2万5千図「御母衣」に三角点マークのある無名峰がそれです。
 単にピークへの往復だけではもったいなく、2度ばかり登り返して遊んできました。もう、足がつってしまいました…。(写真モデルはみやけさんダーっ!)

日 時:2004年2月1日(日)   天 候:晴れ
メンバー:みやけさん、たかはし
コース・タイム:御母衣ダム国道156号脇7:20−1,380m地点9:55−ピーク11:08/11:56−(北斜面2本滑降、登返し)−標高1,600m地点13:40−標高1,400m谷源頭部13:55−国道156号脇14:28
2万5千図:御母衣

○写真左  国道にかかるスノーシェードの赤い梯子から取り付きます。この上にスノーパラダイスが広がっているなんて信じられない!
○写真右(尾根下部から望む御母衣ダム) ツボ足で送電線鉄塔まで上がり、ここからは尾根を快適にシール登行していきます。
牧谷南側の尾根を登る

 軽くラッセルしながら、尾根を登ります。この尾根は1,350mあたり手前までは急すぎず、緩すぎず、快調に高度を稼いでいけました。先日の寒波で奥美濃エリアはたっぷり雪があります。
1,350mあたりの核心部入り口

 いよいよ、このコースの核心部突入です。急に狭くなった痩せ尾根を慎重に通過します。
 この後に現われる急な雪壁を越すのがちょっと大変でした。
そしてブナ尾根が広がる。

 核心部を越え左からの尾根に合流すると、緩やかなブナ尾根がピークに続きます。
日照岳(1,751m)

 ピークから、昨年のこの時期に行った日照岳が望めました。写真左の方のピークです。
白山(御前峰、剣が峰)

 西には、その名にたがわない真っ白な「白山」がしっかりと望めました。昨年5月には御前峰から真下に滑り降りたんですが、ここから見るとやけに急だなぁ。
ピーク北面のパウダー滑降

 がおろさんの報告のとおり、ピークからは北面で素晴らしい滑降を楽しめました。


【記録】

 昨シーズンから報告がいくつか山スキーMLでなされ、すぐ近くの日照岳よりも登りも滑りもいいと評判の、御母衣ダムの西、△1,746.1mピーク、通称「がおろピーク」に行きました。結論から申しますと、「ハイ、そのとおりで、とっても良かったです。」ということですね。こんな素晴らしいコースを見つけ、そして紹介された「がおろ」さんに感謝!感謝!

 前日23時40分ころに御母衣ダムに着き、取り付きであるスノーシェードの梯子を確認するために、車で行ったり来たり。そして、確認した後、落ち着いてお酒をいただき、お休みなさい。空には満天の星。またもや、晴れ男の本領が発揮されそうである。
 さて、朝に梯子のあるところからすぐ南のスノーシェード脇に車を止め、出発です。梯子を登りスノーシェードの上に出て、そこから送電線鉄塔のある尾根までは堅い雪のやや急な斜面なのでツボ足で登りました。尾根上からはいよいよシール登行です。先日、奥美濃にたくさん降ってくれた雪でブッシュも隠れ、杉林を抜けると、ブナも混じる快適な尾根が続きます。地形図を見ると細そうな尾根ですが、苦労するところもなく、キツツキのドラミングが時折聞こえるだけの静寂の尾根を軽くラッセルしながらどんどん登っていきます。
 そして、1,207m地点を過ぎ、一旦尾根が広がったあと、急に尾根はやせ細り、すべての報告で核心部として紹介してある1,350mあたりのヤセ尾根にとりかかります。狭い尾根上の樹木を避けながら登りだすと、ここで貼り流しのテールのシールが剥がれてきたー!おいおい、一月前にアセッションの金缶を塗ったばかりなのに、よりによってこんなところで。ちょっと下った地点で、一旦スキーをはずし、シールの雪を落とし、板を拭いて貼りなおします。最後は40度をゆうに越える急な雪壁が現われます。慎重にシール登行するものの、ターンに苦労。よっこらせっと、スキーを回し方向転換。ようやく、登りきり、少し下ると左手の南からの尾根との間にある小谷の源頭部に到着。これで一安心です。この核心部だけですね、このルートの難点は。

 左からの尾根と合流する辺りから広い稜線となり、ブナが点在する尾根はとっても感じがいいです。この辺も日照岳との違いですね。日照は1,534mから頂上への稜線はやせて滑りも楽しくないです。さて、こちらのがおろピークへ続く稜線ですが、南側は陽も良くあたり雪質は悪くなってましたが、北側はまだまだパウダーで、これは帰りが楽しみ楽しみです。ピーク近くなると、シールに雪がくっつきだし、疲れた体に追い討ちをかけてくれますが、その辛さもわずかで、待望のピークに到着。
 西方には、その名のとおり真っ白な「白山」が。昨年の5月に御前峰から東面台地へ滑降したコースが良く見えましたが、すごく急斜面に見えてびっくり。北方には「三方崩山」がこれまたスキーヤーを刺激するような魅力的な沢を南側に落としています。そして、南方には1年前に登ったもののガスで展望が全くなかった「日照岳」がその全貌を見せてくれました。

 さて、いっぷくした後、お楽しみの滑降です。滑り降りるだけでは余りにももったいないので、北面の牧谷源頭部へ滑り、登り返すこととしました。 さあ、here we go! とっても軽くてパフパフの素晴らしいパウダーを満喫。ええとこやなぁ!と一致。シールを貼って登り返そうとしたら、左足太ももがつってきた。「おいおい、これまた、こんなところで、やめてよ」。日頃のトレーニング不足が露呈か!ちょっと休むと治まったので、登っていくと、目も前には、またもやスペシャルな斜面が広がっているではないか。もう一回滑りましょとこれまた一致し、稜線から再度北面へgo!ということで1時間15分ほど北面でパウダー遊びに興じ、もう一回登り返した稜線で、お待ちかねの「プッシュ!」。ああ、うまい!厳冬期とは思えないような穏やかな天気に恵まれ、のんびり休憩の後、さあ、最後の滑降に移りましょう。

 できるだけ稜線の北側のパウダー斜面を滑り、登ってきた1,207m表示のある尾根とその南の1,304m表示のある尾根の間の小谷の源頭部に雪を蹴散らし滑り込みます。この谷も、相変わらずのパウダー斜面。特に上部から中間部は谷も比較的広く、まだまだ楽しめます。
 下部になると谷は狭くなってデブリが現われたり、幾つか堰堤がでてきて斜滑降や横滑りも交えながら滑って行きます。登ってきた尾根もあの核心部以外は結構滑りも楽しめそうですが、難所の通過が大変ですし、この谷の方が楽しいでしょう。ただ、気温が高くなってくるとデブリに苦労することにもなりそうです。
 そして、救急車の音がするな、と思ったら、目の前に国道156号が現われ、スノーシェードの上からものの見事に、車の所に滑り込めました。このフィナーレにも感激。白川郷のライトアップに行くのか、たくさんの観光バスや車が通過していく国道脇で着替えて、満ち足りた心地で帰途につきました。

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