白馬岳(2,932m)、旭岳(2,867m)
−すべすべの旭岳北面を滑る−

旭岳北面の素晴らしい斜面を滑る(みやけ氏)

 今シーズンの最後の山スキーとして選択したのは、旭岳北面の大斜面。予想どおりの素晴らしい大斜面でした。

日 時:2008年5月18日(日)  天 候:晴れのち曇り
メンバー:やまもりさん、ひじかたさん、みやけさん、たかはし
コース・タイム:猿倉5:12−白馬尻6:33/50−2,770m稜線10:05/54−旭岳11:39/55−柳又谷2,450m12:15/35−白馬山荘13:38/45−白馬岳14:02/15−(大雪渓経由)−猿倉16:05

大雪渓から、「いい天気」 頂上山荘手前、もうすぐ稜線

 猿倉の駐車場から少し登り、白馬鑓の分岐を過ぎてすぐにスキーで登れる。昨シーズンより雪は多い。

稜線で出会った雷鳥のつがい。ひといき楽しませてくれました。

 2,760m稜線から一旦少し下って、160mほど登り返すと旭岳の頂上。普段はあまり気がつかない旭岳、この東面はエキストリームコースで対象外。北面の素晴らしいコースに飛び込みます。

旭岳頂上直下から北面へ滑り出す。 2,710m付近の台地から頂上を望む。

北からやや北東に向きを変えると、すべすべの大斜面が待っていてくれました。

自由自在にシュプールを描いて。

 2,450mから白馬岳へ登り返します。

柳又谷源頭部の登り返し。景色はよく、足取りも…。 白馬山頂からの旭岳と右に北面の斜面。

 白馬山頂に14時過ぎに到着。ややガスが出てきたものの、山頂東面の急峻な雪渓をおそるおそる覗き込む。ここはボクたちのステージではない模様。

杓子岳に向かって滑り込む。

【記録】

《さあ、どこに》
 さあ、いつも悩むのはシーズン最後を飾る山の選択。猫又か毛勝か、白山のゾロ谷かいよいろ考えた中、今年は、メンバーの提案で白馬の旭岳北面に行ってみようということに、条件がよければ白馬沢の右俣もコースに組み込め、グレードアップも可能かも。

《白馬右俣は次回に》
 豊科インターを24時1分に抜けて、猿倉に1時過ぎにつき、小宴会後に車中とテントに分かれて就寝。
 翌朝もいい天気です。なんとここで、双六岳日帰りで一緒になった金沢の方にぐう偶然に再会。先日、白山東面において、鍬崎山山頂で出会った京都の方に再会したことといい、うぅーん、この世界、広いようで、かなり狭いのか。でも、再会はうれしいです。白馬鑓への分岐を過ぎると雪もつながり、スキー登行にする。
 山を見上げると、代掻き馬の雪形がはっきりと見え、白馬沢の右俣も覗える。上部はかなりきれいそう。でも、のどあたりには縦縞があり、さらにその下部は黒いものが沢に広がっている。あまり、条件はよくないかなぁと、最終的に右俣は次回ということにする。(でも、後日の山スキーMLの報告を見ると、まあまあの状態だった様子でした。)
 さて、大雪渓に入ると、日も差してきて暑い暑い。汗がどっと出てきます。早めにアイゼン登行に切り替えて、一歩ずつ一歩ずつ。上にも下にも、多くの登山者がいて、さすがに白馬大雪渓、人気です。でも、ここからの白馬岳往復だけでは、やっぱり物足りない。最近の山スキー記録を見ても、大雪渓を登って、その後、2号雪渓、白馬左俣、旭岳北面、東面、白馬鑓沢、杓子沢など技量に応じていろんなコースが選択できるのが、白馬のいいところです。

《稜線で雷鳥と》
 10時過ぎに2,760mの稜線に到着。ここで、雷鳥のつがいに遭遇。目の上部の赤が鮮やかなオスと、雪の白色と枯れた草の色に溶け込むような羽の色合いのメス。メスは、草陰にて、わたしは羽の色は保護色だから見えないでしょうとばかりに、ぼくたちのまさに目の前で、じーっと、している。いじらしい。オスはメスを守らんがために自分への注意を惹こうと、忙しく動き回る。岩の上、雪の上で、いろんなポーズもサービスしてくれる。この夫婦、むつまじい。いつまでも、幸せに。

《旭岳へ》
 稜線から少し下って、旭岳ピークを目指す。先行する2人の山スキーヤーが見える。途中から東面を見ると、その斜度はかなりのエクストリームで、即却下。細長い山頂を北へ進み、ちょっと下ると、北に雪面が広がっている。さあ、滑りましょう。上部はやや堅い雪だったが、2,710m辺りから北東に回りこむと、見事な大斜面が。ボコボコの大雪渓とは比較もできない、上等のすべすべ大斜面。雪も適度に緩み、滑りやすく、素晴らしい。2,450m辺りまで滑って、大満足
です。

《白馬岳へ登り返し》
 そして、柳又谷源頭部を白馬岳へ登り返します。この谷の景色もいい。白馬岳西面と旭岳に囲まれた谷がゆるやかに稜線まで続き、GWの白山の転法輪谷と同様に、登るのもあまり苦にはならない。
 約1時間で白馬山荘について、そこから雪はつながりスキーで山頂手前まで登り、最後はスキーを脱いで山頂へ。次第に、ガスも出てきたが、山頂からこわごわ東面を覗き込むと、痩せた白馬主稜にはトレースが続き、2号雪渓は狭くてすごい傾斜で高度を下げて大雪渓へ続いている。まだまだハードルは高いです。

《大雪渓で今シーズン最後のスキー》
 白馬山荘からは杓子岳を正面にして、気持ちいい滑降です。大雪渓に入ると、とたん雪は重く斜面は荒れ、しんどくなる。杓子岳側は落石も多いので、できるだけ反対側の白馬岳方面の斜面を滑る。そして、猿倉へ。
 八方のみみずくの湯で、今年1月から、新雪、悪雪、ザラメといろんな雪を楽しませてもらい、無事終れた2008年山スキーシーズンを振り返りながら、汗を流した。

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