雨飾山(1,963m)

−豪快!荒菅沢滑降−

荒菅沢下部より山頂を望む

 以前からの念願の一つであった雨飾山の荒菅沢を滑降しました。
 雨飾に集結した山スキーヤーのうちで、夏道コースで山頂を目指したのはボクたちだけでした。
 ピークでは、南尾根の山スキー最終到達点P2からザイルで登攀してきた3人パーティーだけに出合いました。

日 時:2005年4月2日(土)  天 候:晴れのち薄曇り
メンバー:おばたさん、やまもりさん、たかはし
コースタイム:栃の樹亭前7:00−尾根取付き8:25−荒菅沢9:45−山頂直下12:25−山頂12:45−(荒菅沢滑降)−大海川出合14:45−栃の樹亭前15:55
1/25千図:雨飾山

 この時期、あまりいい雪は期待できそうにないですが、ここ数日、たいした降雪もなく沢も大丈夫かな、ということでとりあえず、夏道通しに山頂を目指すコースを選択しました。
 
 営業している栃の樹亭の手前まで車で入れ、ここから林道を歩きます。一箇所ショートカットして進むと目の前に、雨飾山が現れ、鋭い岩峰と雪稜がとても美しい。大海川沿いのヤナギの大木を過ぎると、△1,212mのある尾根に取り付く。尾根左の小さい沢から尾根に上がると、ブナ林がずっと続いている。以前から、雨飾の紅葉は素晴らしいと聞いていましたが、この尾根だけでなくあたり一面ブナを中心とする樹林帯で、きっと秋は感動ものでしょう。
 しばらくで尾根から右手へ。P2から広がるおおきな沢をトラバースして、ようやく荒菅沢を望む尾根に乗り上げる。 

遠く雨飾山。右端の雪稜を登る。 南尾根P2から広がる快適そうな沢を横断

荒菅沢へは高度を落とさないように斜面をトラバースしていくが、5cmほどの表層の雪がズルズルと流れ、その下の斜面は堅く、結構いやらしい感じでした。沢の中での長居は無用で、すぐに△1,894mから東に延びる尾根に乗り上げ、ここで一服。気合を入れ直し、笹平を目指します。シール登行で行けるとこまで、と登るとちょっと欲張りすぎ、堅い急斜面でシール登行もままならず、一旦スキーを外し手で持ち上がるはめに。早め、早めの対応が必要ですね。
 スキーをザックにくくりつけ、アイゼン、ピッケルで痩せた雪稜そして、急斜面を慎重にこなすとようやく、頂上へ続く稜線に。P2からザイルで登攀する3人パーティーが見え、岩稜には大きな雪庇が張り出し大丈夫かなぁと心配になる。
 さあ、あとは頂上までの約50mの急斜面をスキーをデポして登るだけ。さあ、ピークまであと少し!と思ったら、北斜面はガリガリに氷化して、12本爪のアイゼンの葉だけが突き刺さるのみ。慎重に登ります。無理をしないと引き返した2人に先に笹平まで下ってもらって、一人山頂へ。

山頂までもう少し 山頂からP2(中央やや右)

 一足先に、P2からの3人パーティーが登り、本日は多分、ボクを含め4人だけが登頂者でしょう。薄曇りとなってきましたが、金山から焼山、そしてちょこっと昨シーズン登った火打山が顔を覗かせています。写真を取り合って、すぐに笹平まで下山。ここで大休止して、さあ、荒菅沢滑降に移りましょう。福井のYAMADAさんの記録のあった山頂近くの沢にはでっかい雪庇が張り出しとても、ドロップインは不可能。結局、登ってきた尾根筋近くを滑ることとします。予想していたよりも雪は腐ってなくて、最初の急斜面は一つずつターンを確実にして、時々ズルズルと表層の雪が流れます。少し斜度が緩くなったあたりで右手の沢へトラバースすると、少し流れた雪がだんだん大きく結構なデブリに。おお、こわぁ。

左から焼山、ちょっと火打、そして金山、天狗原山 荒菅沢へ落ちていくように滑降。やまもりさん。

 静まったデブリの脇を滑って、山頂近くから落ちる沢と合流し斜度も緩まったあたりで、ほっ。上部に気をつけながら、交互に写真、動画撮影。沢下部から望む景色は、とても素晴らしく、結構滑りやすくなってきました。以前のデブリも雪に覆われ、その間を気持ちよく滑っていけ、3人占めの荒菅沢にみんな大満足でした。

沢上部と引き起こしてしまったデブリ このロケーションは素晴らしい

 大海川まで滑走して、大休止。ここで、単独行の人のシュプールが大倉沢の方から滑ってきている。是非、今度は金山にも足を延ばしてみたい。
 休憩後、大雪で渡渉の心配の全くない大海川沿いを腕力も駆使しながら、林道まで戻り、車へ。
 帰りに寄った小谷温泉山田旅館は山スキーヤーで大賑わい。こんなにも多くの人たちに遭遇したのも初めて。それほどこの山域は魅力的なんですね。帰路は例によって栄食堂でたら汁を賞味して、朝日ICから滋賀へ戻りました。


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