山スキー報告
穴毛谷〜抜戸岳(2,812.8m)
−広大な斜面とデブリ一杯の谷と−

笠ケ岳を背景に杓子平を滑降

 2年ぶりの穴毛谷です。
 今回の目標は、笠ケ岳でしたが、予定より稜線到着が遅くなったのと、稜線上の強風にへこたれてしまいました。
 でも、抜戸岳の標高2,800mからの滑降は十分満足させてくれました。(みやけさん提供)

日 時:2004年4月17日(土)  天候:曇り時々晴れ
メンバー:みやけさん、たかはし
コース・タイム:5:16新穂高駐車場−1,380m地点6:11/35−穴毛大滝7:55−杓子平10:04/10:35−抜戸岳12:10/13:10−穴毛大滝13:50-新穂高14:50
2万5千図:笠が岳

穴毛谷末端部

 このあたりからスキー登行を始めました。
 でも、下から2つ目の堰堤の上から雪はつながってました。
穴毛大滝

 2年前に「もう、こんなとこ2度と来んやろなぁ。」と言って記念写真を撮った穴毛大滝です。
 ハイ、2年後に来てしまいました。この斜面を途中まで登っていき、左へトラバースします。
美しい笠ケ岳

 登りの杓子平ではなかなか姿を見せてくれませんでしたが、稜線に着くと優美な姿を披露してくれました。
 ほんとは、あそこまで行く予定だったんですが…。また、次回かな。
でっかい飛騨沢の上に槍の穂先も 稜線から杓子平へ
杓子平を滑る 大滝の上に続く沢へ滑り込む
五ノ沢出合い付近

 谷には、真新しい大きなデブリの跡が!
 丁度、大滝の上を登っていた時に、大きな雪崩の音が谷に響き渡りましたが、その時のものでしょうか。
 四ノ沢の下あたりまでは、デブリ満載で滑りにくかったです。


【記録】

 午前4時15分、携帯の目覚ましの音が今日もうらめしい。睡眠時間2時間30分はつらいなぁ、もう少し早く寝るんだった。新穂高出発は5時16分。林道に入りしばらくすると残雪が現われ、歩きにくい。結局、橋の上など数箇所で切れていただけで、穴毛谷の最終堰堤までつながってました。大きな堰堤を2つ右から越し、あとは左から越していよいよ谷に入って行きます。雪はたっぷりです。

 谷も最初のうちはデブリも無くきれいでした、穴毛大滝に近づいてくると一面デブリに覆われてきました。2年前よりひどいですねこれは。大滝横で、スキーを担ぎピッケル・アイゼン歩行に切り替え、滝の右斜面を登っていきます。斜度はありますが、雪もそんなに堅くなく安心です。途中から左へトラバースし滝の上に出ます。少しここは雪が割れかけてました。ここから沢状斜面の右手の急斜面をアイゼンのまま登っていき、最後の左に大きくトラバースして杓子平に到着しました。この長いトラバースも結構しんどかったので、滝上の沢状斜面を杓子平へ登っていった方がいいと思います。この途中で、雪崩の爆音が谷に響き渡りました。おっそろしや!

 杓子平では小笠と山荘は見えるのですが、どうしても大笠は顔を見せてくれません。天気予報に反して、雲も多くあまりいい天気ではありません。このあたりから笠への縦走の気持ちが少しずつ萎えてきました。再度、スキー登行にして目も前に見える稜線を目指します。広い杓子平の雪の上には、雷鳥のかわいらしい足跡がいくつもつながり、白い羽毛も落ちてました。斜面の雪もそれほど堅くなく、クトーもなしでジグザグに登っていけ、杓子平から約1時間で稜線へ飛び出しました。なんと、笠ケ岳がきれいなんでしょう。でも、意外に遠そう、稜線の風が強い、予定より稜線到着が遅れた、また歩いて戻ってこなあかん、等々の理由で、笠は今回パスしました。

 すぐそこの抜戸岳へ往復した後、稜線直下で目の前の穂高連峰、ガスの中から一瞬顔を見せてくれた槍の穂先などの大展望を楽しみながらゆっくり休憩し、いよいよ標高差ほぼ1,500mの滑走の始まりです。でっかい杓子平を自由に滑ります。笠をバックに写真撮影会をしましたが、みやけさんは冒頭の写真のとおりばっちりでしたが、ボクの方はと言うと、シャッターを押すタイミングがコンマ2秒(?)早すぎ、みやけさんが隅っこにしか写ってなかったです。ゴメンなさい。デジカメは難しいなぁ。

 そんなこんなで、杓子平から別れ、2年前は左へずっとトラバースし大滝横に直接続く斜面を滑り降りましたが、今回は大滝の上に続く沢状斜面を滑り降ります。途中から雪もグサグサと柔らかく重くなり、滑りにくくなってきました。
途中から登ってきたコースに合流し、大滝まで滑り降りると、五ノ沢からは真新しいデブリの跡が!1メートル四方の大きな雪のブロックもたくさん混じっています。朝は確か無かったものでした。こんなの直撃を受けたらひとたまりもありません。この谷はいくつもの沢が極めて急角度で落ち込んでいるため、いつ、どこからやってくるのかと思うと恐ろしいです。こんなところでゆっくりはしてられません、早く滑り降りましょう。ところが四ノ沢の少し下まではデブリが一杯でなかなか難儀します。

 三ノ沢出合い(ここを直登した足跡がありましたがこれもまた怖いですねぇ。見上げると稜線には大きな雪庇が張り出していました。あれが崩れたら、おぉこわ。)あたりからは、斜面もきれいとなり下から2つ目の堰堤までずっと滑れ、一旦外して林道も結構滑って降りることができました。

 笠までは行けなかったけれど、このコースは充実感をもたらしてくれます。バス停横のアルペン浴場の閉鎖時間15時30分の15分前に何とか入れ、あっつっつのお湯にシンまであったまって帰途につきました。


ホーム 山スキーで行こう