福満寺だより  令和8年2月26日

ミラノ・コルティナ冬季五輪が終わりました。日本とイタリアの時差は8時間、日本の方が8時間早いのです。日本が朝8時だとすると、イタリアは真夜中の12時、ややこしいですね。でも朝の準備をする5時、6時はイタリアのゴールデンタイムのようで、その時間に行われるアイススケートのフィギュアの演技を見るのは、この上ない幸せな時間でした。なかでもペア「りくりゅう」のフリーの演技には心を奪われ、終わった時には涙が頬を伝いました。TVの中の観客たちも皆、涙がはらはら、感動すると、やはり、人は涙を流すものなのですね。

次回はフランスのアルプス地方での冬季五輪開催とか、4年という歳月が高齢者にとっては、かなりびみょーな時間になりますが、また感動の涙を流せることを信じて生きていくつもりです。


1        お経勉強会について

215日(日)午後1時から平家物語の講読を始めました。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。

おごれる者も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。

たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

冒頭の部分はあまりにも有名です。古典の授業で学びましたね。

リズムがよくて暗唱している方も多いでしょう。

祇園精舎というのは、お釈迦様のために、祇陀太子が樹林(園)を寄付し、その園に須達太子が建設した、出家者のための学び舎です。お寺と考えればいいでしょう。

お釈迦様(仏陀)の教えが仏教です。教えの根本にあるのが、「諸行無常」、この世に変わらないものはない、一切万物は生滅流転して止まることがないという教えです。祇園精舎に響く鐘の声は、ゴオオオーンと響いて、余韻を残しながら消えていく、それも又諸行無常なのでしょう。

お釈迦様が入滅されるとき、床の四隅に2本ずつ生えていた沙羅の木、その沙羅が、2月なのに、突然白い花を満開に咲かせて、あっという間に枯れてしまったといいます。沙羅は夏椿です。白い花弁の真ん中に黄色い蕊が立っていて、椿によく似ていますが、朝開いた花は夕方には萎んで地面に散ります。儚い花です。

おごるというのは、自分の才能や家柄や地位や財産などに鼻高々で、自分には何でも許されると思い込み、勝手なふるまいをすること、「おごれる平氏は久しからず」です。そのおごりは、短い春の夜に見る一瞬の夢にすぎないのです。

筋骨隆々の体で力自慢の強い強い人も結局は死んでしまう、無常の風が吹く前のちっぽけな塵でしかないのです。

ここまでは、これから始まる平家物語の序文のようなものです。

物語は次に、一時は隆盛を誇ったけれど、やがては滅ぼされた者たちの例を並べて、

「まぢかくは六波羅の入道前太政大臣平朝臣清盛公と申しし人の有様、伝へ承るこそ、心も詞も及ばれね。」と続きます。

まずは平家の血統をたどります。先祖は桓武天皇にまで遡り、その第五皇子である葛原親王とその御子の高見王までは皇族でしたが、その御子の高望王のとき「平」の姓を頂いて臣下に下ったとあります。平家になってからは長い間、受領(ずりょう・地方に赴任して政務をとる長官)として地方に住んでいました。しかし、平家の七代目にあたる平忠盛が鳥羽天皇に気に入られ、殿上人になることを許されました。殿上人というのは、天皇のお住まいである清涼殿の殿上の間に上がれるということです。とても名誉なことですが、京都の貴族たちが快く思うわけがありません。

忠盛が初めての昇殿する夜、忠盛を闇討ちにしようという計画が持ち上がります。その噂は忠盛の耳にも届き、それなりの準備をして出かけました。束帯(ドラマ光る君へで藤原道長たちが着ていた黒を基調にした制服)のしたに大きな刀を目立つように差して行き、席に着くと、その刀を静かに引き抜いて、ほの暗い光の下で鬢(びん)に当てられました。刀がまるで氷のようにキラリと光るのを見て、貴族たちは一瞬ビビったでしょう。それに、忠盛の家来の平家貞という若者が、いつの間にか、殿上の間の小庭に控えていて、追い払おうとしますが、若者は狩衣の下に腹巻という鎧を着て、脇に太刀をはさんで戦闘態勢を崩さず、動きません。「私の主人が今夜闇討ちにあうとのこと、出ていくことなどできません」と言います。貴族たちは、面倒くさい、しようがないなと思われたのか、その夜の闇討ちはなくなりました。

でも、そのままでは終わりません。

忠盛は舞を舞うようにと言われて、出て行ったところ、貴族たちは、それまでの歌とは、がらりと拍子を変えて、「伊勢平氏はすがめなりけり」とはやしました。

「ようよう、伊勢の瓶子は酢甕だわい、それそれ、ようよう」という感じでしょうか。

伊勢の瓶子(徳利)は粗悪で、酒は入れられない、酢を入れる甕だぞというのが表の意味、一方、すがめにはやぶにらみという意味があり、伊勢平氏忠盛はそのやぶにらみ(斜視)だったのです。パワハラ、モラハラ、てんこ盛りです。忠盛は宴の途中で退席しました。待ち構えていた家来に「大丈夫でしたか」と尋ねられ、「別に、何もなかったよ」と答えました。あれこれ言おうものならこの若者が刀を抜いて殿上の間に駆け上ることがわかっていたからです。

津の郊外、長谷山の麓に、忠盛塚がひっそりと建っています。伊勢平氏発祥の地とされ、忠盛が産湯をつかったとされる産湯池や産着を埋めたとされる脱衣塚が残っています。忠盛さん大変だったね、よおく我慢したねと声を掛けたくなります。

3月の勉強会は8日(日)午後1時からです。忠盛の長男清盛のエピソード「祇王」を読みます。テキストはあと23部残っていますので、必要な方はご連絡ください。


2 ご詠歌について

連休明けの24日(火)午後1時から練習をします。

112日にご詠歌仲間だった故礎恵美子さんが旅立たれました。本堂で中陰の間お守りをしていましたが、220日に49日の法要が無事終わりました。

戒名は知足院清鑑恵日大姉です。恵日さんを想いながらご詠歌をお唱えしましょう。

3月も21日が土曜日ですので、24日(火)を練習日にします。


3、永代経法会について

329日(日)午後1時から本堂に於いて、永代経法会を執り行います。

永代経法会というのは、檀家として福満寺住職の引導で旅立たれた方々、あるいは、生前福満寺の色んな行事に参加してご縁を結んでくださった方々等の菩提を弔い、永く供養をするための法会です。法会に参加するのは、住んでいる場所も、職業も、収入や財産も、利害関係も、まったく無い、ただ、福満寺のご縁に繋がる不思議な仲間ということになります。真言宗の寺は檀家を持たない場合が多いので、永代経を勤めるのは珍しいといわれることもありますが、福満寺では大正時代から続く行事です。

329日、この頃になると、お彼岸も過ぎ、日も長くなり、花のたよりも届き始め、うらうらと心地よい陽気になってくることでしょう。若者たちは新しい生活に飛び出していく季節かもしれません。別れがあり、出会いがあり、命あるものが一斉に動き出すのが春です。体のあちこちに不具合が出はじめた高齢者には、ちょっと寂しい季節かもしれませんが、どうぞ、思い切って寺へお出かけください。懐かしい顔に会えるかもしれません。昔話を遠慮なく語り合える場所でもあります。

お地蔵様に手を合わせ、ご先祖を想い、懐かしい友人を想い、皆で一緒にお経を唱えましょう。

志納袋を同封します。お志を頂戴できますよう、お願いいたします。


4 4ヶ寺合同のバス旅行

128日に4ヶ寺の住職と旅行会社との会議が行われ、令和8年度の旅行計画が出来上がりました。

年間予定は次の通り 

 48日(水)  福井方面 一乗谷朝倉氏遺跡と気比神宮

 610日(水) 愛知方面 三ヶ根観音と妙善寺 メロン狩り

 99日〜10日(水、木) 和歌山方面 道成寺と高野山 龍神温泉泊

 12月9日(水) コースは未定

津市にある真言宗のお寺4ヶ寺(密蔵院、地蔵院、千福寺、福満寺)が一緒に出掛けるバス旅行も28年目になります。住職の代もかわり、参加くださる皆さんのお顔も入れ替わり、コロナの後は、1年かけて霊場を回る巡拝も難しくなって、最近は11年目的地を選びながらの旅を計画しています。

全くの観光は物足りないとの声があり、お参りと観光と買い物を上手に組み合わせながら旅を続けていこうと思っています。

9月は1泊旅行です。高野山へ行きたいとの声が多く、前回大雨で辿りつけなかった道成寺を組み合わせて、和歌山の旅を計画しました。

12月は実施日が決まっているものの、目的地がまだ決まっていません。どこか、ご希望の場所があれば、ご提案くださると嬉しいです。


48日のバス旅

朝7:10福満寺出発 一乗谷朝倉氏遺跡博物館 道の駅(昼食) 朝倉氏遺跡巡り 気比神宮参拝  福満寺着1820(予定)

行程表は寺にありますので、必要な方はご連絡ください。


5 よりみち・わきみちウォークについて

 33日、三岐鉄道北勢線に乗って員弁に出かけます。

津駅から 朝841発の近鉄名古屋行き急行に乗車、桑名着923

西桑名発940の三岐鉄道北勢線に乗車、楚原着1014

徒歩でてくてく、およそ1キロ、ねじり橋、めがね橋などの鉄道遺産を見学します。

雨天中止 お弁当持参 旅費は1260円X2 (近鉄830円、北勢線430円)です。

三岐鉄道北勢線は線路幅が762mmの小さな可愛い電車です。

新幹線は1435mmですし、JR在来線は1067mmですから、その姿を想像してみてください。

以前三重四国の巡拝をしたときに、この北勢線も西桑名から馬道の1区間だけ乗りました。西桑名から終点阿下喜までは13の駅があり、楚原は11番目の駅です。

ナローゲージの電車も楽しみながら早春の1日を満喫しましょう。


6,瞑想について

春は日差しの明るさから始まります。庭の木々はそろそろ目覚めようかと準備中です。たまに、書院の瞑想の椅子に座ってみますが、やはり、心が落ち着きます。良いものです。ちょっと、お茶でもしようかというくらいの感じでお出かけください。


7、旗奉納のお願い

南無大師遍照金剛の旗を奉納していただきたくお願いいたします。

三重四国霊場会が誂えてくれる旗ですが、以前に比べて布が弱くなったようで、1年過ぎると破れてしまいます。安濃川を越えて飛んでくる風の強さもあるのでしょうが。

台風の時にはすべての旗を避難させないといけないので、なかなか大変ですが、南無大師遍照金剛と書かれた真っ白な旗が境内を囲んでくれると、守られているなあという実感があります。

奉納料は13000です。よろしくお願いいたします


早咲きの梅が散り始めました。杏の蕾が膨らんできています。紅葉の枝先が赤くなってきました。いよいよ、春がやってきます。


    南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛 南無大師遍照金剛  合掌


詳しくは
寺へお尋ね下さい
電話059-228-7841


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