ハート型の小物入れは図案化されていて楽しいし、掛花入れは夜の闇に浮かぶ白梅が思い切りよく描かれている。

あるじなしとて

 オールドノリタケで梅の図柄といえば、真っ先に思い浮かべるのがこの泥しょう盛り上げである。有名過ぎるからといっても、やはりこれを外すわけにはいかないだろう。枝振りが堂々としていて苔生した様子まで克明に描かれているのに、それでいて花は、開花しているのも蕾も何だかとても可愛いのである。

2013.3.3

 本格的な春が待ち遠しい今頃はまた、梅の季節でもある。西行が桜なら、梅にはこの人しかいないだろう、菅原道真である。「あるじなしとて春な忘れそ」なんて、もちろんですよ、どんな廃屋の庭にも花は咲き時を忘れず、それが人を感傷的にさせるものなのだ。ちなみに、道真の梅は紅梅だったそうである。

 ついでに、今ではすっかり梅の名所となった結城神社、昨年の画像だが紹介しよう。