☆シルエット

2013.1.20

 シルエットで描かれた風景画もいいが、いわゆる“シルエットレディー”と呼ばれる人気の図柄がある。お洒落でモダンで、そして僅かに秘めやかな雰囲気を漂わせた魅惑の品々である。

 しかしここでは、私が気に入っている少し珍しいものを紹介しようと思う。ラスター彩の反射でうまく画像にできないが、この花瓶の、ヤシの木モールドの持ち手と底部の黒っぽい部分は玉虫色で、森の中を、おそらくは父と子が、それぞれにオーボエとフルートを鳴らしつつ飛び跳ねながら行進している図である。なんとも不思議な絵ではあるが、その親子のなんと楽しげなこと。簡単なシルエットなのに、その表情までも見えるようで実に愉快なのだ。