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  リウマチとともに


膝人工関節手術の覚え書き

               


手術の決断


 2004年初めに引っ越しをした頃から、かろうじて持ちこたえていた右膝関節が決定的に不調を来した。関節破壊の度合いがいきなり進んだというよりは、ほんのわずかの壊れ方によって、膝を屈伸して歩くという動作ができなくなったというのが実感だ。屈曲・進展の機能はそのまま保たれているのに、荷重すると痛みのため曲げられない。曲げずに歩くことを「棒足」というらしいが、このためにつまずいて転倒する危険性が高くなっただけでなく、実際仕事中転ぶというショッキングな出来事も経験した。転ぶと人手を借りなければ起き上がれない。
 そろそろ手術を考える時期に来たかと、思い至った。転倒への不安と、距離が歩けなくなったこと以外には、日々の生活にさほど苦痛が増したようにも思えなかったが、手術を前提にメリット・デメリットを自分なりに整理することから始めてみた。

<メリット>
1.痛みの除去
2.生活の質の向上
  歩行・家事・仕事が楽に
  旅行、写真撮影などが可能に
3.タイミング
  左膝人工関節が安定しているうちに
  合併症のないうちに
  仕事に就いているうちに(経済的な余裕)
  薬による全身の管理がうまくいっているうちに
  転倒して決定的な事故につながらないうちに
  骨粗鬆症が進まないうちに
  50歳代という年齢を活動的に  

<デメリット>
1.両膝が人工関節となる
2.感染症のおそれ
3.年齢的に再手術の可能性あり

 病歴が長いからかすでに膝関節が腫れるという炎症の段階は過ぎて、全身的にも病状は落ち着いている。医学的な知識の乏しい私には、どう考えてもメリットの方が大きいと思われた。再び自由に行動できると想像すると、期待感が高まる。何よりもタイミングが今をおいてほかにない。手術治療以外の方法を選択できる時期はとっくに過ぎていると判断していたので、迷いはなかった。

 
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