6C19P差動プッシュプルアンプ

このアンプはこれを書いている現在、調整および測定中です。準備が出来しだい詳細をご紹介します。とりあえず画像だけご覧ください。

な〜んて書いたのがもう2000年の暮れの話ですから早いものです。このアンプは6CK4差動PPアンプの次に作り始めたのですが、なかなか完成しませんね。組み上げて動作はしていますし、とりあえず無帰還での特性を測定はしました。最低雑音歪率0.1%を切る歪率と−3dBポイントで100kHz以上の周波数特性を記録しています。音もなかなか太い音が出てくるのですが、めちゃくちゃ熱を持つのと、3段構成アンプで高域のスタガー比が取れていないのでNFBが掛けにくいので困ったな〜と思っているうちに、他に興味が移ってしまったというのが現在のところです。

6CK4差動PPアンプではスイッチング電源と半導体回路ドライブという、どちらかというと管球式アンプとしては異端児的なものだったので、ちゃんとした?オール真空管式のアンプを作ろうということで作り始めたアンプです。構成は、初段に6DJ8、次段に5687WBの全段差動プッシュプル構成です。6C19Pの動作点は、Ep=200V、Ip=55mA、Eg=−70V(実機では−68Vと−67Vくらいだったかな?)、RL=5kΩ(P−P)です。出力段のB電源は約280Vになりますが、電源回路を簡略化するためにドライブ段もそれをそのまま使っているので、初段とドライブ段を直結できずオールコンデンサ結合の芸の無い単なる3段構成となっています。−70Vという深いバイアスと200Vという低いプレート電圧を要求する6C19Pはなかなか曲者です。製作例が少ないのもうなずけると、組み上げてから溜息をついている次第です。

初段、ドライブ段の負荷抵抗を低くし、ドライブ段までの良好な高域のF特を目指したのですが、配線がまずかったのか思ったほど帯域が伸びないところに加えて、低rpの出力段が逆に功を奏して出力段のF特が伸びているのでスタガー比が充分に取れないという結果になりました。もちろん出力段のF特を落とせば良いのですが、せっかく伸びているのにな〜というところです。

初段、ドライブ段の負荷抵抗を下げるために、初段、ドライブ段合計で55mAもプレート電流を流しているので、アンプ全体では330mAも流れており、ものすごい消費電力です。まあ非常識とも言えるくらいに出力効率も悪いことでしょう。それをリードのMK300(300mm×160mm×40mm)という小さなケースに詰め込んでいるので、かなりというか、めちゃめちゃというか、すごい熱を持ちます。各段の電流を減らせばましにはなるはずですが、今でもスタガー比が取れていないのに負荷抵抗を高くすればなおさら苦しくなるという結果になりますので、二の足を踏んでいるというわけです。

いつまでも放ったらかしというわけにもいきませんが、これぐらい時間が経ってしまうと何かきっかけが無いとなかなか前に進まないので、6C19Pを使ってもう一台アンプを作ることにしました。そしてそのアンプは、このアンプとは全然違う構成にし、両方のアンプを完成させたら比較を試みようと思います。

実は結構以前から作りたいな〜とアイディアを暖めていたのが、SEPPのDCアンプです。かの金田式DCアンプですが、全くのコピーを作るのは面白くないので、金田氏なら絶対に作らないであろう思われる構成で挑戦しようと思っています。実はまだ全く手を付けていないので、うまくゆくかどうか分かりませんが、私らしくまたまた半導体ドライブです。金田氏は真空管だけでは構成できない部分だけ半導体に置き換えていますが、私は出力段だけ6C19Pを使って初段〜ドライブ段を全て半導体で構成しようと考えています。(もしかすると初段は真空管の差動PPにするかもしれませんが、ゲインが不足するのではないかと思っています。) 

それに加えて電源に6CK4差動PPに搭載したスイッチング電源と同じもの(2台作ったので)を用い、絶縁型電源を搭載した管球式アンプの中では世界最軽量を目指します。あのスイッチング電源は約700gですから、おそらく2kgを切るようなアンプができるのではないかと思います。な〜んちゃって、こんなことを目指すのはおそらく私くらいのものでしょうから、誰にも認めてもらえるとは思えませんが。

でも、次に仕上げるアンプは50C5三結差動プッシュプルミニアンプと決めています。これは私にとっては、番外編でご紹介した6BM8三結アンプのリベンジに挑戦したアンプです。1W+1Wの実用的なアンプを目指しています。SEPP DCアンプはそれ以降になりますから、それこそいつになることやら分かりませんが..... (2001.04.22追記、出張先の台湾のホテルにて)

とうとう遂に本機も完成の運びとなりました。かなり変わってしまったので作り直しに近いものですが、ここで紹介しています。(2003.08.12追記)

 後ろから見ました

 ボンネットを外してみました

 斜め後ろから見ました

 唐突ですが、電源基板です

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