仕上り状態としてアイドリングを40mAで設定しましたが、調整が利く範囲で最小、最大のアイドリング電流にて歪率を測定して比較してみました。B級動作に近い12mAでは0.1W以上の出力でかなり歪率が悪化してしまいます。よりA級に近い、70mAでは40mAの時よりも歪率は低いのですが、残念ながら球の最大定格を超えてしまいます。

アイドリング電流が変化しても最大出力が変わらないというのは、差動プッシュプル回路と大きく違うところです。以下にアイドリング電流を変化させたときのバイアス電圧と、無信号時の消費電力を示します。アイドリング電流を絞ると消費電力もかなり減りますから歪率は悪くなるものの、省エネにはなると言うことはできそうです。

アイドリング電流 12mA 40mA 70mA
バイアス電圧 −29.6V −22.0V −17.1V
無信号時消費電力 39.6W 57.9W 79.4W

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