CasComp応用回路

下に示す回路は、黒田徹氏がラジオ技術誌2008年4、5月号の連載記事の中で発表された歪打消し回路です。

この回路は、オペアンプと真空管を組み合わせたシンプルな歪打消し回路で、電源クリップ寸前まで非常に低歪率ですので大きな駆動電圧を 必要とするCSPP出力段に最適な回路です。

CasComp応用回路は以下の特徴があります。

  ・利得は、真空管の増幅率μやプレート内部抵抗rpとは無関係に定まる。

      → 真空管にはまったく依存しない。

  ・オペアンプによる局部帰還によって、真空管のユニット間特性誤差、散弾雑音がほぼ完全にキャンセルされる。

  ・オペアンプの低い出力インピーダンスでグリッドを駆動するため、ミラー効果が生じない。

      → rpの高い球でも高域のカットオフ周波数が非常に高くなる。

  ・PSRRが高いため、電源回路がシンプルで済む。

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