ドイツのアパート(その3)

ドイツのアパートの部屋には、総じて収納場所が少ないように思います。日本と違って押入れに布団を仕舞うという事が無いからかも知れませんが、クローゼットすらも造り付けではあまり無いようで、収納スペースが多い日本のアパートに住み慣れると困ってしまうことがあります。しかし、Keller(ケラー)と呼ばれる地下貯蔵室はほとんどのアパートで付いているので、あまり使われない家具や、季節のもの、室温貯蔵が可能な食料品等はここに置くことができます。

私が借りたアパートはケラーが3〜4畳くらいあったので、引越しのガラクタも含めて、いろいろと置いておけて大変便利に使えました。ケラーは地下にあるので、年間を通じて温度変化があまりなく、たとえばワインなどを収納するにはもってこいです。(ちなみにケラーはアパートだけではなく、一軒家やラインハウス(二棟続きの家)などでも付いているのが普通のようです。) ドイツの夏は日本と比べて涼しいので、エアコンを付けてる家はほとんどないのですが、私が滞在した一年目、二年目の夏は猛暑だったので、ケラーに逃げ込んで涼んだこともあります。

私が借りた部屋はメゾネット式で、日本でいう4、5階部分でしたから、上の階の荷物をケラーへ下ろすとか、ケラーから上の階へ荷物を上げるということは、はっきり言って重労働でした。日本から客人が来るときなど、大きな布団袋をケラーから持って上がる時などは涙ものでした。もし、隣人と出くわしていたら、「この日本人は何をしているのだろう?」といぶかしげに見られたに違いありません。

アパートの地下にはまだまだ、面白いものがあります。ドイツでは、洗濯物を外に干すと言うことは、あまりしないのが常識で(うっかり外に干すと、景観を損ねるという理由で周りの家の人たちから抗議を受けることがあるとか)、アパートの地下には、ケラーだけではなく、コイン式の洗濯機と洗濯物干し場があることが多いです。ちなみに洗濯機はドラム式(洗濯層が横に回るもの)がほとんどで、また高価なため、日本のようにどの家にも洗濯機があるというわけではないようです。もちろん私が住んでたアパートでも、コイン式の洗濯機と洗濯物干し場はしっかりありました。(私の家には前任者譲りの洗濯機があったので、結局一回も使うことはありませんでしたが。)

その他には、どのアパートでも地下にあるものかどうかは知りませんが、自転車置き場もありました。私は自転車を乗る機会はほとんど無かったのですが、地上に出るには普通の階段しかなかったので、担いで昇るしかありませんでした。フツ〜はスロープが付いてるもんじゃないのかな?

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