第 3 号  2005年11月13日発行
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これでは倫理条例に値しない 9月定例会 主な議案
政務調査費 支給するならまず情報公開 藤田かつひこ 一般質問
仲江たかまる 一般質問 町政トピックス


これでは倫理条例に値しない 「資産公開」も「住民の審査請求権」もない

 9月議会で日本共産党の仲江議員が提案者となり政治倫理条例案が提出されましたが、これに対抗して谷口議員提案で同じ名前の議案が提出され、谷口議員提案の議案の方が賛成多数で可決されました。
 政治倫理条例は、昭和五十八年に大阪の堺市で初めて制定されました。これは、一汚職議員の居座りをきっかけに市政浄化の声が高まり作られたものですが、最初から公職者の資産公開制度を第一の柱とし、さらに公職者が汚職で有罪判決を受けた場合などの問責制度を第二の柱としていました。そして、資産公開の実効を期すため、政治倫理審査会を設置するとともに、市民の調査請求権を保障して市民監視の制度化を図っています。
 その後全国各地で条例制定が進んでいますが、より厳しい条例への改善が進む一方で、閉鎖的な実効性のない条例をつくり、住民の批判をかわす動きも出ています。
 仲江議員が提出した条例案は@議員の一親等の親族も含めた資産公開A町民の調査請求権B町工事等の請負禁止などを柱としたものですが、谷口議員提案の議案には肝心な@Aの項目はありません。政治倫理審査会も議長が議員の中から選ぶようになっており、将来恣意的に特定議員を排除するために使われるおそれがある危険な内容になっています。

 【採決の結果】

仲江議員提案の議案に賛成し、谷口議員提案の議案に反対したのは
仲江 藤田 浜田 村上 辻 
谷口議員提案の議案に賛成し、仲江議員提案の議案に反対したのは
谷口 水口 結城 清水
古久保 梅野 漆畑 和田 寺町
橋爪 椿谷     

9月定例会 主な議案 top

工事請負契約の締結 
○動鳴気漁港の改修工事 7192万5千円
  落札者 小森組  予定価格に対する落札率98.1

○船瀬漁港の改修工事  5302万5千円
  落札者 小森組  予定価格に対する落札率97.8

○古座ヴィラ水道工事  1億4469万円
  落札者 扶桑建設 予定価格に対する落札率91.9

※「落札率が95%を越える入札は談合の疑いが濃厚」市民オンブズマンわかやまの調査として9月16日付の毎日新聞で報じられています。
 日本共産党の藤田議員は「予定価格が500万円以下の小さな事業は多くの中小業者が競争して50%を切るような落札率となっている。一方で大きな事業は特定の業者指名のもと、極めて高い落札率となって入札が形骸化している」と指名競争入札の改善を強く求めました。

課設置条例の改正
 新串本町の行政機構は合併協議の結果、消防等の現業部門を除き1局17課と人口2万人の町としては異例の多くの課を設置しており、合併前の議会でも、また新町の議会でも多くの議員が批判をしてきました。
 ところが、経済観光課を水産・観光・商工農林の3つの課に分割する議案が出されると、これまで「課長の数に合わせて課を作っている」と言っていた人も賛成にまわり可決されました。「新たな課を設置するのであれば現在の課を整理・統合せよ」と課の増設に反対したのは藤田・仲江・浜田の3名だけでした。

過疎地域自立計画
過疎法の適用を受け有利な補助を受けるための5年間の事業計画をたてました。全員一致で承認。

水道水源保護条例
産廃投棄を規制する旧町の条例をもとに提案されました。不十分な点を指摘した上で全員一致で可決。
   

    
政務調査費 支給するならまず情報公開 top

 9月議会で角議員が提案者で、和田議員と古久保議員が賛成者となり、議会政務調査費の交付条例が提案されて、現在総務委員会に付託されています。
 これは、現在の議員歳費以外に年間20万円を議員の調査研究や広報活動くのための費用として支給しようというものです。

 これには地方自治法の改正により法的な根拠もできていて、@使途の定めA透明性や公開性を明確にB適正な金額、等々で住民の皆さんの理解が得られれば、問題はありませんが、政治倫理条例にみられるように、資産公開を拒むようでは、公開性に疑念が生じます。

 現在の議員歳費がどのように使われているのか。議員の情報公開がまず必要ではないでしょうか。

藤田かつひこ一般質問 top

@田並区のゴミ最終処分場にかかる協定書の扱いについて。

A行政の機構改革に対する町長の基本的な考えと姿勢について。

B国道四十二号線の越波対策や橋杭地区の道路拡幅の取り組みについて。

C介護保険制度見直しのなかでの串本町の今後の施設介護や在宅介護のあり方について。

D障害者控除対象者認定書の発行について。

E和深小学校の施設改修について。

  ズームアップ

○新たなゴミ最終処分場建設計画に伴い、田並区と結んだ協定が履行されていない問題で、藤田議員は「信頼関係を取り戻し不信を招かないように」と町長に具体的な行動を求めました。

○藤田議員の「経済観光課の職員を振り分けた人員で水産・観光の振興ができるのか。十七課でも多いと言われる中、問題がある」との指摘に、町長は三月に課の整理を含めた機構の見直しをする旨答弁しました。

仲江たかまる一般質問 top

@ 地下壕の実態調査と対策について。

A ゴミ処理の適正化について。

B 第五福竜丸建造の町としての取り組み。

C 職員の資質向上について。

D 旧町の公文書の保存と管理について。

  ズームアップ

○国や県に対し串本町に地下壕(防空壕)は一つも無いと報告されていましたが、「実際には幾つも残されている」との仲江議員の調査を毎日新聞が報道。町も慌てて調査をしたら、二十箇所を越える地下壕の存在を確認しました。仲江議員は今後の安全対策や戦争遺跡としての保存を提起しました。

○各地区を回って取り組まれたゴミ分別説明会で出された意見を質したうえで、特に旧古座町で意見のつよい収集時間の問題について、「収集方式の違うものを、間の時間をとって七時半からにした所に問題がある。従前通りに戻して、収集方式の見直しの時に再検討すべき」と指摘しました。

○八月に町長が清水議員と一緒に、栃木県のハザカプラントを視察に行き、清水議員の口利きで羽坂社長が宮城県から会いにきた問題で、「議員が特定業者を斡旋しようとしている」との仲江議員の質問に、町長は「指摘の点については充分注意をする」と答弁しました。

○昭和の合併で古文書や決算資料などの公文書が散逸した経験から、保存すべき公文書を一元化管理するよう提案しました。

町政トピックス top

★ 十一月一日の新しい課の設置は、獅子舞を呼んで鳴り物入りでスタートしたが、そのひとつ水産課は課長を含め四名。新たな事業展開どころか、これまでの事業をカットしないといけないようで、前途は多難である。

★ 西向の住吉地区と串本の掘笠島地区の二箇所に津波の避難タワーの建設が決まったが、十月二十六日に町内各区の区長が三重県志摩市の大王町へ避難タワーの視察に行ってきた。 

★ 町議会決算委員会は九日間かけて旧町の決算を審査した結果、八億円の未収金を抱える旧古座町の住宅貸付会計が不認定となった以外は、全て全員一致で認定となった。

★ 合併前から上野山に建設計画があった特別養護老人ホームは、にしき園の増床計画が優先され、「一つの町に同時に二箇所の建設は認められない」という理由で、見送られることになった。長年の古座地区における取り組みは合併でご破算に。

★ 大辺路刈り開き隊主催の年越しウォークが十二月十一日(土曜日)に予定されている。今年のコースは田並の野なぎを出発し、姫のしりでの坂を経由して橋杭がゴール。世界遺産には登録されていないが、町内の大辺路街道を歩く。

★ 学校給食検討委員会が設置され、仲江議員も委員に委嘱されているが、行政側の委員や給食経験のない委員が多い中で、小中学校の九年間給食を経験し、古座町給食センター運営委員長を務めた経験も生かし、給食未実施地域での早期実現に向けての責任は重い。

★ 十一月八日に日本共産党新宮東牟婁地方議員団が県の東牟婁地方事務所と要求交渉。
 古座地区への特養建設は本来同一時期に同じ町への建設は認められないが、町の姿勢次第で合併の特例として認められるよう取り組みたい。田並の河口の土砂の除去は今年度から取り組む。青年の家は指定管理者に委託の方向だが、地元雇用を行うように申し入れる。等々の回答。

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