第 2 号  2005年7月26日発行
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自治権の放棄 まぼろしの付帯決議
6月定例会 主な議案 藤田かつひこ一般質問
仲江たかまる一般質問 町政トピックス


自治権の放棄  教育長の人選を国に一任

 新町発足後初めての定例議会が6月20日より7月7日まで開かれました。
通常の六月議会とは違って、新町の本予算を決定する重要な議会で、選管委員や欠員となっていた教育委員の選任もあり、4月1日以降(仮)で執行されてきた事務や予算が、正式なものに切り替わりました。
 六月議会に提案された議案の中で唯一討論が行われたのは、教育委員の任命についての議案でした。前号の串本民報でもお知らせした通り、教育長となるべく任命される教育委員を、文部科学省に派遣(正式には割愛と呼ばれる)を求め、人選も任せっきりで、議会で提案した時点でも、町長は一度も面識がないとの事でした。

 尚、この議案の提案前に準備されていた、教育長の報酬を二割カットする議案は文部科学省での現給を保障すると言うことで撤回されました。議案審議では「選挙公約に違反する」としてこの事も多く取り上げられました。

 質疑の終了後、藤田議員が「重要な人事を県・国に委ねるのは町長の責務を放棄するものだ」仲江議員が「自ら国の官僚派遣を求めるのは本来対等であるべき町教育委員会と文科省との間に上下関係をつくるもので、教育行政の民主化と地方分権・教育の自主独立に逆行する」と反対討論。

これに対し谷口・水口の両議員が賛成討論を行い、採決の結果、反対 仲江・藤田・村上・浜田・辻・椿谷・寺町 賛成 水口・清水・谷口・古久保・漆畑・角・和田・梅野・橋爪の七対九で賛成多数として可決されました。尚結城議員は賛否の態度表明を避けて退席しました。

まぼろしの付帯決議 top

 本会議で一般会計の質疑が終結し討論にはいる前にT議員が議長に発言許可を求めました。「採決にあたり慎重に予算執行するよう付帯決議を付けたい」との事でした。 ところが動議としての宣告もなく、賛成の声もなかったのでT議員の発言は動議として成立せず単なる議事進行発言に終わってしまいました。

 その後議長は「付帯決議をつけて原案のとおり可決することに異議がないか」とのはかり方をしましたが、「付帯決議」なるものは存在しないまま原案が可決されました。   

    
6月定例会 主な議案 top

選挙管理委員会委員の選任 

河野 九一  田並   関戸 一嘉  田原
津井 進 古座   田城 博章 和深

人権擁護委員推薦の同意

 岩谷 悠史  潮岬
 
町長等の給与条例の改正

町長  月額66万4千円 53万1200円
助役 月額56万円 44万8千円
  
※町長の選挙公約に従い2割カットするというもの。

助役の選任

神田 三知夫 串本(前参事・財政課長)

教育委員の任命 

手塚 健郎 東京都(文科省より割愛)

ゴミ指定袋の値下げ

可燃物袋 10枚300円→200円 他
※これも町長の選挙公約。住民負担の軽減につながるものではあるが、袋の値段は何のための費用なのかなど、ゴミ収集のあり方全般を再検討すべきであることを指摘した。

病院問題検討委員会の設置

※公募による住民代表10名を含め20人で構成の予定。藤田議員が会議の公開を条例上明記するよう指摘して、議会最終盤に改正が行われた。

特別委員会の設置

○病院対策特別委員会
○循環環境特別委員会
○行財政改革特別委員会

※議員発議による委員会設置。既に広報委員会もあり、9月議会では決算委員会をつくる予定もある。本来の常任委員会の活動もあり、委員会が多すぎて会議の日程調整が困難である。

藤田かつひこ一般質問 top

教育長の選任について

藤田 県や国任せで一度も会ったことのない人を議会に提案するのは無責任だ。

町長 違った風を送ってくれることを期待している。

藤田 (教育長だけ給与二割カットを見送った事に関して)公約に反することは町民に詫びるべき。政治姿勢の問題である。

町長 結果として公約違反になったことはその通り。説明はしていく。

防災行政について

藤田 避難タワーを今年度二基建てるということだが、その前に民間の建物での協力依頼や、避難路の確保・避難訓練・防災訓練・防災意識の向上を取り組むべき。ブロック塀の安全性もまず行政が調査すべき。

町長 ブロック塀については申込みを待つのではなく、まず町に出る姿勢で取り組む。タワーは古座・串本それぞれに設置したい。指摘のことはおろそかにせず、同時進行で取り組む。

藤田 防災行政無線の難聴地域が多く残されている。戸別受信機の設置が旧串本町で一七六基では少なすぎる。(旧古座町では全戸配備)串本地域にも希望者に戸別受信機の設置を。

町長 要望があれば設置してゆきたい。

庁舎建設は後回しに

藤田 新庁舎建設は新町建設計画でも計画の最後となっている。町長は前倒しで任期中にと発言したが、政策の優先順位を間違っては困る。庁舎の前に多くの課題がある。

町長 任期中にもという気持ちはある。防災センター等との複合施設として前倒しも考えられる。

長期総合計画について

藤田 長期総合計画を職員手作りで作成するという考えは評価する。更に進んで住民参加で町づくりを考えては。

町長 素案については年内に作成したい。住民参加は検討する。

ラムサール条約と海中公園センターの役割

藤田 条約の認知をひろめ、一過性に終わらさず、サンゴと海の保全や、海中公園センターの役割は大切。県への支援要請を。

町長 研究センターの位置づけは理事として・町として充分働きかける。
 
仲江たかまる一般質問 top

対等合併を名実共に実現するために

仲江 旧古座町は発足してすぐ財政的に行き詰まり、原発やゴルフ場をあてにして、地域を二分する争いが続いた。最初にわだかまりを残してはならない。

町長 地域の生き残りをかけた対等合併が実現した。町民性・行政の手法も違う中で住民の融和を進める取り組みが必要。

仲江 古座方式・串本方式と色々あるが、より良い方を選ぶべき。

町長 事務事業の調整は「これまでこうしてきたから良い」というものではなく、原則を踏まえて行いたい。

防犯灯の設置と電気代は町負担に

仲江 旧古座町では半額負担と言われて区費の値上げを検討させられている所も出てきている。
 防犯灯の管理を含め、区と町の役割分担を明確にすべき。

町長 区長会からも全額補助の要望が出ている。旧串本は14年度から半額。旧古座は10年度から全額補助できた。今年度は合併協議通り半額補助にしたい。 安全で安心できる町づくりのなかで総合的に考えたい。

古座高校の存続に向けて

仲江 古座高校の存続は町長の選挙公約だが、どのように実践するのか。

町長 古座高校を存続させる会と共に運動の輪を広げたい。

窓口業務の改善を
 
仲江 先月町営住宅の入居者募集が行われたが、申込用紙は古座分庁舎の管理課もしくは本庁住民課へ。届出は古座分庁舎管理課へと広報された。各種申請書用紙の交付および届け出は本庁住民課と古座分庁舎総合窓口課で全て対応できるよう統一を。

町長 全般の取り扱いは、各課と連携をとり進めたい。

仲江 焼津市ではおよそ三〇〇種類の申請書がインターネットでダウンロード出来るようになっているが、串本町ではまだわずかである。

町長 議員提案のようにサービスの拡充を検討したい。

仲江 合併による不便さを引き続き改善するよう要望する。

町政トピックス top

★ 議会広報特別委員会(委員長仲江孝丸)は議会便りの発行に向け取り組みを進めている。創刊号の発行は八月末の予定。

★ 議会の議事録は藤田議員の議会運営委員会での提案で、議会事務局以外に本庁総務課・古座分庁舎図書室・図書館でも閲覧できることとなった。

★ 教育委員会は旧串本町の学校統合基本構想を継承し、当面和深・田並・有田の三中学校を統合する準備が進められている。

★ 旧古座町では消火栓のそばにホースが格納されている。合併で旧串本町のように撤去されるのではとの心配の声が聞かれるが、消防長は自主防災の観点から「取ってしまうのは逆行。撤去は出来ない」と明言。

★ 小学校のパソコン三十台をリースから買い取りに変えれば五年間で四百万円の経費節減になるという。これまではメーカーのいいなりで契約してきた。ちなみに現在町内の小中学校のパソコンは三百三十三台ある。 

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