創刊号  2005年6月11日発行
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教育行政の自主性を守ろう 第1回 臨時会
新町発足に伴う専決処分は承認 日本共産党 議員団を構成
傍聴席を職員が独占 町政トピックス


教育行政の自主性を守ろう  パイプ論は筋違い

  5月18日から23日まで合併選挙後の初議会が開かれ、委員会構成や専決処分の承認などの議案が審議されました。
 最終日に教育委員の任命の議案が提出されましたが本来法律で五名と決められているのに、提案されたのは四名だけ。

 日本共産党の藤田議員は、町長に「教育委員任命にあたって教育行政の基本的な考え方」を質したところ、「地域性を考慮して旧町単位に二名ずつ。また、女性の頑張る町という公約に沿って女性を登用した、残る一名は六月議会でお願いしたい。現在、県を通じて文部科学省から来てもらうようお願いしている」との答弁が帰ってきました。

 国の通達でも四人の委員で教育委員会を組織することはできないとされています。藤田議員は更に「一ヵ月とはいえ四人では法律に抵触するのではないか。学校現場では重要問題が山積している上に、文部科学省の指導もゆとりの教育から教育内容の増加へと迷走している。串本の教育に責任を負う教育委員会の組織が今ほど大切な時はない」と町長の姿勢を質しました。町長は「教育・文化・スポーツの振興を柱として元気な新しい町をたちあげたい、四名の教育委員でも支障がないと県振興局からの考えを貰っている」などと答えました。

 今回の人事について、寺町議員は「文部科学省からの出向については考え直すべき。地元にも人材はある」また、水口議員は「一人も教育現場を知るものがいない、大丈夫か」と質していました。
 議会終了後の南紀州新聞の報道によると町長は「国とのパイプを重視」しているとのことですが、教育予算は国とのパイプでつくものではなく、むしろ出向の受け入れは教育の「自主性」や「独自性」の妨げとなるおそれがあります。

第1回臨時会 主な議題 top
 
○議長選挙 ○副議長選挙
川勝 昇 11票     橋爪 和雄 11票
藤田 勝彦 4票 仲江 孝丸 5票
水口 崇 1票 藤田 勝彦 2票
 無 効  2票

○議会会議規則・委員会条例
 仲江議員が提出し全会一致で可決。

○議会事務局設置条例・傍聴人規則 
 藤田議員が提出し全会一致で可決。

※新串本町の議員発議による最初の議案はいずれも共産党議員の提出によるものとなった。

○報告1号〜35号
 専決処分(裏面に関連記事)の承認を求める議案。中でも報告1号は串本町役場の位置を定める条例他178件の条例制定への承認を求めるものであった。     

○教育委員の選任

内田 紘臣 くじの川 マリンパビリオン館長 60歳
宮城 和枝 中湊  塾講師 58歳
嶋田 豊  西向 郵便局長 54歳
須賀 靖子 串本 塾講師 51歳
  
○監査委員の選任

小西 正昭 串本 識見を有する者
結城 力 有田 議会選出

       
新町発足に伴う専決処分は承認 top

 4月1日に発足した新串本町が、行政の空白期間を作らないために、町長と議員が選ばれるまでの間、町長の職務執行者(前古座町長の加藤国司氏)が、専決処分という形で、町の業務を行うために必要な条例や暫定予算を決めて、執行してきましたが、初議会では専決処分が妥当であったかどうかを確認する議案が出されました。
 合併協議が住民のくらしを守るという視点での論議が不十分であり、条例や予算に問題点もいくつかありましたが、六月議会での本予算編成へ向けての改善点を指摘して、全会一致で承認をしました。

 日本共産党議員団が指摘した問題点は

○行政の機構や定員について二万人規模の町として適正とは言えないこと。
○ゴミ指定袋の値段の決め方や収集方法に問題があること。
○消費税がかからない公共施設使用料に百分の百五を掛けて徴収することの根拠と問題点の整理をするべき。 
○同和対策の特別措置法が失効したもとでの、特別施策の見直し。(大型共同作業所・住宅資金貸付会計・運動団体への補助金等)
○保育料の軽減(所得階層は旧古座町方式で細かく区分すべき)
○パソコン等の事務機器の管理やリース料の無駄を省く事。(まず議会から)
○水道事業の事業計画を明らかにする事と水道料金の軽減を。

 他の議員からも

○各種審議会委員の報酬の考え方。  
○国保税の不均一課税について。
○給与のワタリ運用の是正について。
○上野山汚水処理場の管理や使用料のありかたについて。
○田原簡易水道会計で実施する古座ヴィラへの飲料水供給事業について。
  等々の質疑がありました。

日本共産党議員団を構成 top

 5月1日の選挙で日本共産党は串本選挙区の藤田候補も古座選挙区の仲江候補も共に3位で当選し、複数議席を確保しました。
選挙後開いた日本共産党串本町議員団会議で藤田勝彦が議員団長に選ばれ、議会便りの名前を「串本民報」にすることや、当面する課題についての対応が協議されました。  
 初議会では、藤田議員は厚生常任委員会副委員長・議会運営委員会副委員長に、仲江議員は総務常任委員会副委員長・広報特別委員会委員長・衛生施設事務組合議会議員に選ばれました。

傍聴席を職員が独占 top

 初議会で予算審議の時に谷口議員が「課長が答弁できなかった時のために副課長クラスの職員を待機させるよう」発言しました。議会の決定でもなく一議員の発言にしかすぎないのに、松原町長は翌日副課長クラスの職員を議会に招集しました。ところが待機しておく部屋がないので、なんと議場の傍聴席に座ることとなりました。三十席しかない傍聴席の半数を職員が占拠している異様な光景でした。
 川勝議長は議会の開会前に了承を求めてきましたが、仲江議員は「傍聴席は傍聴者のためにある。おかしい」と指摘しました。しかし議長は強引に採決に持ち込み、結局賛成多数で職員の傍聴席での待機が認められました。
 合併後、事務がまだまだ軌道に乗っておらず、連日残業をしている職員もいます。管理職不在で、一般職員では判断のできない事柄も多くあります。そしてなによりも、住民が役場に訪れた時に責任ある立場の者がすべて議会に出席しているようでは、住民に迷惑がかかります。
 議会の質疑は議案の提出者に行われます。提出者の町長が答えれば課長が答える必要もありません。議場で座る職員を減らして、住民のもとへ足を運ぶ職員を増やすべきです。

町政トピックス top

★カリフォルニア州で大農園を経営している知野孝氏が父方の故郷である串本にルーツを訪ねて何度か来日するなかで、千三百六年(鎌倉時代)の古文書を発見。十七代・七百年前まで辿ることができ、これをもとに橋杭小学校の児童が研究発表を行った。

★五月二十九日、橋杭海水浴場でカヌーカヤックフェスティバルが開かれ、二百人を越える人が参加。昨年は三千三百人が利用した古座観光協会のレンタルカヌー。合併で新たな利用者が増えている。

★六月四日、姫「しりでの坂」に不法投棄されたゴミを大辺路刈り開き隊の人たちが清掃。ついでに橋杭岩・大島・九龍島を一望できる展望所を刈り開き。

★不燃物ゴミや廃プラスチックは田並の処分場で、委託を受けたつばさ共同作業所の仲間達が分別を行っている。五月十八日の分別作業中に長さ四十センチ直径二十センチ位の砲弾が出てきて一同ビックリ。刻印によると明治四十五年の中国辛亥革命の動乱の際に日本に持ち帰った物で、公民館職員が町立図書館の資料保存室に保管した。

★不燃物ゴミにはあらゆる物が混入し、町民の生活の縮図がそこにある。特別の処理をしなければならない医療廃棄物(注射針・点滴容器等)も混入している。排出者の責任による適正処理への強い行政指導を求める

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