母のやきもの
 
 ちょうど4年前、母が亡くなった後におびただしい数のやきものが残された。公民館の陶芸教室へ通っていただけなのに、夢中で作り続けて気がつけば・・・という途方もない量だった。私たちきょうだいはその扱いに戸惑い、少しだけそれぞれに持ち帰った他は適当に周りの友人知人に引き取ってもらった。
 人に誇れるシロモノでは決してないけれど、50歳代半ばで初めてやきものに出会い、楽しくてしようがないというように粘土に向かっていた姿は忘れることができない。母の生涯で一番輝いていた時代を、ほんの少し形にとどめておきたい。そんな思いで、大きい作品だけを写真におさめてみた。
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