● 家族の肖像 

祖母の贈り物

使者 

まゆい三歳

みゆいの春

オリーブの木は

のちの日のために



一枚の絵

 
贈り物

帰る



花火

冬のあかり

寒い春

匂い立つ


● 愛するものたち 

いのち拾い

風になって

夕刻

巣(1)

巣(2)

玉手箱

ほらさいなら

言葉と荷物

1本の樹木のように



南紀通信1 ぬくぬく 

南紀通信2 海の物語

南紀通信3 
珊瑚

南紀通信4 学校

星の位置

路地



歌を



 
● 風の岬
 
夢のつづき

繕う

黄昏れて

5月の夜の



ねがい

行かなかった場所


まつりのあと

どこか遠くへ



水の匂い

 
海の縁(ふち)

骨もしくはわたしの愛


わたしの詩は

陽の満ちる場所

呼ぶ声

新しい年に

星の名前

花のそばで

待っていて
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