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  リウマチとともに


クルマ(1)

               


 今乗っている車は、99年製のダイハツムーブ。それまでの7年間は、同じダイハツのリーザ(中古)に乗った。
 デザインと運転のしやすさで(もちろん価格の手頃さもあった)選んだリーザは、結論としては私の身体に向いていなかった。2ドアであったためドアが大きく重かったこと、またスポーツカータイプで車体が低く乗り降りに足への負担が大きかったことなどである。パワーステアリングの軽乗用車がまだ一般的でなかった頃で、当然私の車にもそれがなくハンドル操作も楽でなかった。
 買い換えにあたってその反省から、パワステをはじめパワーウインドー、リモコンキー、4ドアは譲れない条件だった。また乗り降りの楽な車体の高いワゴンタイプで、しかも後部トランクの開閉が背伸びしなくてもできるもの、といえば、これまでの上開きでなく横開きのタイプというようにしぼりこんで決めた。
 しかし新車がやってきた日、試乗してみてかなりなショックを受けた。これまでの車には運転席と助手席の間の低い位置にシフトレバーがあった。ところが、この車はハンドルの左に並んでついている。現物も見て知っていたはずなのに、実際に操作してみると両手を使わなければとても動かせないのだ。両手を使ってもウンウンいう。肩や背中にも負担が大きい。失敗したと思った。
 左肩と左側の背中が異常に凝って痛い状態が、何ヶ月も続いた。買ってしまったんだから仕方がないとあきらめて乗り続けているうち、あら不思議なもの、次第に力がついてきたのかシフトレバーの引き下げが左手だけでできるようになってきた。時間をかければできるという、発見だった。
 今にして考えると、親指でボタンを押して操作するレバーは、親指が使えないと全く動かせない。しかし両手で握ることも可能な身体の正面にあるこのレバーは、かえって指に炎症のあるリウマチの人に合っているのではないか。事実、今年になってから私は左親指がすごく痛んでまったく使えないことが続いた。これが前の車であったら、たぶんシフトレバーの操作ができず、運転できなかっただろう。
 車に関して障害者として利用できる制度は、購入時の自動車取得税の免除と、自動車税の免除で、これは助かっている。警察で発行してもらう「駐車禁止除外指定車両」のカードも、大いに活用できる。ただこれについては、活用しすぎて(?)夜間も路上に置きっぱなしにしていたため、ある朝出勤しようとしたら違法駐車の紙を貼られていたこともある。(このことはその後、駐車場所の確保できる住まいに引っ越すきっかけになった。)
 教訓。危ない橋は渡るまい。

 
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