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  リウマチとともに


発病の頃 (詩らしきものを書かくようになっていました)

               


すすきが  揺れているだろうな
銀色に光って  揺れているだろうな
海を眼下に   山道をかけおりたら
落ち葉が  カサコソ 音をたてるだろうな
日なたは  枯れ草の匂いがするだろうな
どこかで  小鳥の鳴き声が聞こえるだろうな
澄みわたった秋空を まっぷたつに分けた
老大木のむこうには
赤い屋根の学校が見えるだろうな
そして そこから湧き上がる
黄色い歓声が
胸に鋭く やきつくだろうな
友は 歩いているだろうな
16歳の意義を  かみしめながら
みんな 私のことなど とっくに忘れただろうな
あれは とおい とおい
出来ごとだもの

風は すすきの頭をゆるがせながら
通りすぎていくだろうな
遠くなった太陽は  乾いた細道に
白っぽい光を  投げかけているだろうな
それから 私は・・・・
私は いつまでも秋風の中に  たたずんでいるだろうな



 
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